かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『デイ・ウォッチ』 Dnevnoy dozor
2008年 02月 22日 |
ロシアンカラーでエキサイティング!

『ナイト・ウォッチ/NOCHINOI DOZOR』の続編。
人間界に生きる「異種」は光と闇に分かれ、それぞれを「ナイト・ウォッチ」「デイ・ウォッチ」と呼ばれる番人が監視する世界。
ナイト・ウォッチとして活動をしていたアントンの息子イゴールが闇の勢力につき・・・。



ロロロ、ロシア映画贔屓。ソクーロフと戯れて、レーニンを描いた『牡牛座』やら、ロマノフ王朝末期のテロリストを描いた『蒼ざめた馬』を神妙に観た後で、ロシアの歴代興行収入記録を塗り替えたというエンタメ大作を観る味わいもまたオツ。こーんなにスケールの大きいエネルギッシュにノリノリなロシア映画はもちろん初めてだな。前編よりパワーアップしてるじゃん。ハリウッド映画ばりのダイナミックさもありつつ、その風合いはひと味違っているよね。ハリウッドものの材質が超合金ロボットだとしたら、こちらはブリキのおもちゃっぽいの。無機質過ぎないアーティスティックなスタイリッシュ映像が魅力。スタイリッシュを極めきれないダサめなB級くささがあるなんて言われたりもしているけど、私はこの味わいのアート映像、世界観が大好きだー。なんだかエピソードも盛りだくさんで、それがまた日本じゃむしろ不評なんだろうなっていうことが目に見えていたけど、私はすんごく楽しかったよー。

『ナイト・ウォッチ』を観た時は、全体像をよく掴んでいないまま、そのアクションな展開を見届けたので、中盤は傍観モードだったりしもしたんだけど、今回はその続編ということで、それぞれのキャラクターに愛着がもてちゃったんだよね。主人公のアントンって、前回はお坊ちゃんな雰囲気だったのに、今回は同じ俳優さんだとは思えないほどに、苦労が顔ににじみ出ているよな人間味が感じられてよかったな。声も好き。ロシア語の響きはセクシーよね。だから、突如のラブストーリーや父と息子の物語にも結構のれちゃったりしてドキドキハラハラ。スヴェトラーナにしても、前回は不幸を巻き起こしちゃう女ゆえの地味なメガネ女だったのに、今回は鮮やかなライトブルーのフェザーなコートで闊歩するお姉ちゃんになっていたから楽しくて。お隣の部屋のワケありの父と息子の存在もよかったし。キャラクターのそれぞれの風貌や行動が興味深くてツボ。タンゴ踊りながらグサリとかさ。だから、すっかりその世界にのめり込んでワクワクしちゃった。今回は笑えるプチギャグも散りばめられていたし。

前編は『マトリックス』と『アンダーワールド』とその他モロモロをパクっているような印象が確かにあったんだけど、今回はもう多彩な要素が盛り込まれすぎているから、既存作品と比べることさえもう野暮に思えて、そのハジケっぷりを楽しむのみー。ホテルという舞台を外からも中でも縦横無尽に使っちゃうのが圧巻。カメラは時に、モスクワの街の全景を映し出し、地下鉄で移動し、古びた建物の中の部屋を薄暗い部屋を捉える。未知のモスクワを駆け巡ることを疑似体験できる空間の使い方が好き。これがモスクワなのね。カーアクションがすごかった。そして、サマルカンドという地名にも個人的には前のめり。そう、監督の名前はティムールなんだった。今のカザフタン出身なのね。4ヶ月前にウズベキスタンを訪れた私としては、ティムールの登場、サマルカンドネタが嬉しくて、初っ端から好感触。まぁ、主人公アントンがそこへ行かなかったのは残念だったけど、寂れた場所にある中央アジアテイストな謎のBARが重要な場所になっていたりするのにも興味津々。(アントンは願いを込めて再会した息子に食べさせたのは中央アジアなプロフだったりするんだもん。) ボラットはウソッコのカザフ人だったけど、こんなティムールがハリウッド進出だー。

そんなこんなで、満喫。エンタメ映画なんだもの、盛りだくさんでいいじゃない。

★★★★☆

よろ川長TOMのおすすめ座CINEMA
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by CaeRu_noix | 2008-02-22 23:58 | CINEMAレヴュー | Trackback(3) | Comments(6)
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Commented by となひょう at 2008-02-23 23:37 x
きゃあぁぁぁぁ、なかなかの高評価で嬉しいぃぃぃ。
かえるさん、こんにちは。
私も楽しめました。

>ブリキのおもちゃ

という例えに納得です。
そこがまた魅力的でしたよねん。
スヴェータがこんなに美人だとは気づきませんでした。
前作では、おっきいメガネかけてたし。
アントンのお隣のヴァンパイア親子の存在感も良かったですよね。
息子の方が、まさか恋愛モードに突入するとは思ってなかったけど。
お相手の闇側の女性が、泣きながらチョークを書いている姿も予想外でした。
魔女のオバチャンに再び会えるとは思ってませんでしたが。相棒の人形(足がニョキニョキ)に会えたのは嬉しかったです。
Commented by よろ川長TOM at 2008-02-24 12:46 x
文内リンク、ありがとうございます!
いやあ、やっと公開されましたね。このまま消え去ってしまって、三作目なんてレンタルさえも無理かと思ってましたから。
そうならないためにも、カルトムービー扱いならクチコミで宣伝し続けたいと思います。
ロシア映画はなかなか接する機会がないですが、あの空気感はハリウッドに染まってしまった国では絶対に感じることができませんよね。『ソラリス』も旧作の方が断然好きですし。
これからもよろしくお願いします!
Commented by CaeRu_noix at 2008-02-25 00:11
となひょう さん♪
堂々、4つ星半です!
"楽しめた"っていう言い方をする時は、一般的にはそれほどにおもしろい映画じゃないかもしれないんだけど、自分的には満喫したっていうニュアンスだったりするんですけど、本作の場合はもうそういう遠慮がちな表現をしようとも思わなくて、嗚呼、楽しかったー!!って声を大にしたいのでした。
私の場合は、お気に入り度を重視するので、その場面展開がワクワク見ごたえあってハラドキにおもしろい映画、ボーン・アルティメイタムだとかアメギャンタイプは、すごくおもしろくても☆の数は4つ星くらいになるんですけど、これはもうそれプラス、ビジュアル、世界観、小ネタが好みなので、上をいくのでした。
そう、隣の父と息子の生活の日常感なんかもツボでした。あの父ちゃんのキャラがいかにも苦労人やさぐれロシア親父な感じで。2人が部屋で洗濯するシーンのショットも好き。
あのオバチャンがあのクモみたいなペットくんを連れてパーティにも出席していたのも嬉しかったですよね。まさかまたあの始まりに戻るとは・・・。私はあの終わり方、ダメじゃなかったですよー。大胆でよろしいなと。
Commented by swallow tail at 2008-02-25 07:00 x
ドゥラストゥ・ヴィーチェ!かえるさん。

かえるさん、この作品お気に召されたようですね。
スワロはやっぱり話がわかりづらかったのがイマイチでしたよ・・・
でも、ロシアらしい(ハリウッドとは全く違う)雰囲気が存分にありましたよね。
何ていうのかな~B級感?胡散臭さ??(あっ失礼か)
そいういう決して良い要素ではないものが妙にプラスに働くロシア作品(笑)
デイでは「なんだこの小ネタは!?」というくらい変なネタがちょいちょい入ってきましたね。
細かいところは気にしてないし(苦笑)

ロシア作品は今度ラフマニノフが公開ですね~。
ラフマニノフは大好きな作曲家なので絶対に見に行きますよ!
Commented by CaeRu_noix at 2008-02-25 21:29
よろ川長TOM さん♪
コメントありがとうございます。
検索して、よろ川長TOM さんの記事を発見した時は嬉しかったです。
公開されてよかったですよねー。
前編よりは上映館が減っているみたいですけど・・・。
公開まもないのに劇場は結構すいていましたし・・。
でも、本当に見ごたえあっておもしろいと思うんですけどね。
これよりおもしろくないハリウッド大作はたくさんあるのに、
なんで、これだけがマトリックスクラスと比較されてダメ出しされるのでしょうー。
宣伝活動がんばってください。
私もすげーおもしろかったと声を大にして言いたいと思います。
ロシア映画は芸術的で大好きなんですよ。
タルコフスキーの国ですもんねー。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
Commented by CaeRu_noix at 2008-02-26 22:26
swallow tail さん♪
Добрый вечер. Как вы?
Сегодня немного холодно.
К сожалению,есть только это.
Большое спасибо.
 
ううう、イマイチでしたか・・・。
大半の人はそのような感想を抱くみたいですね・・・。
うーん、おもしろいと思うんだけどなぁ。
わかりにくかったですかね?
私はあんまり細かいことは気にしないので、場当たり的に楽しみましたー。
って、スワロさんも別の部分で細かいところは気にしてないんですね・・・。
私はもうよくわからない方向への突っ走り方がまたおもしろくて。
そう、B級テイストなのが魅力なんですけどね・・・。

おお、スワロさんはラフマニノフが大好きな作家なんですか。カッコイイー。
ラフマニノフのことなんて、『シャイン』を観た時に知ったほどの私ですが、もちろん『ラフマニノフ ある愛の調べ』は楽しみであります。
演奏シーンがたくさんあるといいなー。

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