かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『プライスレス 素敵な恋の見つけ方』 Hors de prix
2008年 04月 04日 |
どうせ、シャンパーニュの泡のようなものなら・・・。

高級ホテルで働くジャンは、玉の輿を狙って金持ちの男とつき合う泊まり客のイレーヌに出会う。



ダヴィンチ・コードは観ていないので、スクリーンのオドレイは久しぶり。ホテルが舞台っていうのがポイント高いよね。同じホテルものでも、『堕天使のパスポート』とは大違いのゴージャス優雅なマドモアゼル。例えば、これがアメリの後日談だったら、ちょっとショックだよね。豊かな想像力で日常のささやかなハッピーを紡いでいた内気な夢子ちゃんが、何よりも物質的に満たされることが大切だと、贅沢な消費生活ができる幸せのために、金持ち男GETにいそしむ計算高い積極的な女になったというのだったら。でも、もちろんこれはロマコメなので、描かれる変化はトーゼン逆。金がすべての物欲女が、意に反して、しがない持たざる男に恋心を抱いちゃうところがロマンチックチックなのだ。

と、そーんな展開・着地点は目に見えているわけなんだけど、そこに至るまでのドラマが小粋でテンポよく楽しめたというカンジ。ジャン役のガド・エルマレは初めて見るのだけど、ちょっと哀愁を感じさせつつのとぼけた雰囲気に好感がもてて、絶妙な挙動に笑わせてもらっちゃった。オドレイ扮するイレーヌの玉の輿志向も徹底していてむしろ気持ちいいほどのソルジャー。感情的に嫌悪する気にもならず、理性的にちょっとそのテーマに思いを馳せたりしながら、ただ2人の動向を楽しみ見守るのだった。でも、彼女のために貯金まで解約する彼の姿には、コメディの気楽さの枠を外れての歯がゆさを感じたり。お金なんてと思う一方で、結局のところ自分もお金にハラハラしちゃっているのかな・・・。

にしてもイレーヌってば、まだまだ若くて可愛いのだから、もうちょっと若い男を狙えばいいのに、どうしてそんなオヤジやジイサンばかりと付き合うの?その方が大富豪をつかまえやすいから?優雅なマダムの立場を得たい玉の輿志向というんでもなく、もっと的を絞った財産目当てまっしぐら女ということなのかしら?それでもって、富豪のオヤジたちの方も、若い女が自分に近づくのはお金が目当てに決まっていると割り切ったりはしないらしく、もちろん女の浮気には手厳しいのね。当然か。そんなわけで、玉の輿街道の道のりも案外と険しく、そこにゴールなんてものはたぶんなく、だから打算女イレーヌが、花咲いた恋心に忠実に行動しちゃうまっとうな姿にホッとしてしまうの。

だってこれは映画だから。恋心こそが最も崇高ってことでいいの。「お金より、愛を選ぶわ」ってやつ。それこそが美談。でもね、『さくらん』のエンディングについて、「安定した生活をすてて、恋の逃避行をするなんて共感できない」というBさんの感想を聞いて、目から鱗が落ちた私。女が男にお金やステイタスを求めるのって、てっきり本心を偽った打算なのかと私は思っていたふしがあったけど、いつかはさめる一時の恋心よりも、安定した暮らしを本質的に本能的に求める女子もいるのだ。見た目はパッとしないけど何やら金持ちな実業家と結婚しちゃう芸能人を見るにつけ、それは金目当ての打算婚ね、と私は内心思っていたけど、ひょっとしてホントはそうじゃなくて、もっとピュアな本能的な気持ちなのかもしれないなぁと。だから、現実的には、イレーヌの変化なんて、五十歩百歩のものなのかもしれない。恋心もお金も水もの。

なんて余計な思考をしてしまったりもしたけど、やっぱり恋の逃避行なラストには高揚感があるの。『ペネロピ』で容姿の問題を思い、本作ではお金についてを考えるの巻。ロマコメだって意外と奥が深いかもね。一挙両得なプリティ・ウーマン系よりも道徳的なテーマかもよ。消費も贅沢もそりゃー快感なんだけど、それに勝る満ち足りた思いも求めてやまないのだ。

★★★
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by CaeRu_noix | 2008-04-04 23:44 | CINEMAレヴュー | Trackback(9) | Comments(2)
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Commented by jester at 2008-04-05 07:52 x
こんにちは♪

>イレーヌってば、まだまだ若くて可愛いのだから、もうちょっと若い男を狙えばいいのに、どうしてそんなオヤジやジイサンばかりと付き合うの?

そうそう、それがわたしも疑問でした。
職業なのかな?などと思ったりして。(爆)
若い男より年寄りのほうが落ちやすいから?なんて。

>いつかはさめる一時の恋心よりも、安定した暮らしを本質的に本能的に求める女子もいるのだ。

ふむふむ、なるほどね~ 
確かに地面に根を張るって感覚、結構大切なことだと感じる女性も多いのかもしれませんね。

でもこの映画では「安定」より「贅沢」を求めてるだけにわたしは見えちゃって、どうもわたしは楽しめませんでしたが・・・

オドレイにもがっかりしちゃいました。可愛く見えなくて・・・・
いつまでもアメリを要求されても困るだろうけど・・・

と右肩下がりコメントでごめんなさい。
Commented by CaeRu_noix at 2008-04-06 09:28
Jesterさん♪
いくら理想の贅沢生活のためとはいえ、好きでもない爺とベッドを共にする日々なんてむしろ見上げた根性。
すみません。安定生活を本能的に求める女子の件はイレーヌとは関係ないです。あ、でもですね、私の思考材料としては、それを男に与えてもらうという点で、質素な安定した生活も浪費贅沢生活も求める対象としては別ものでもないとも思え~
主人公が腹黒いから共感できずに楽しめないんじゃなく、だから興味深く観られたのですよ、私は。
主人公の人柄比較をしたら、地上5センチの恋の方が断然素晴らしいのですが、映画としては私はこちらの方が演出的に楽しめました~
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