かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『つぐない』 Atonement
2008年 04月 22日 |
ひらがなタイトルが不似合いな濃厚な味わい。

1935年、イングランド。上流階級のタリス家には、大学を卒業したばかりのセシーリアと13歳のブライオニーの姉妹がおり、幼い頃から交流する使用人の息子ロビーも敷地内に住んでいた。



泣き出してしまいそう~、痛いほど好きだからー♪
それは「別れの予感」の方ー。
あなたを、 これ以上、

ジョー・ライトの前作『プライドと偏見』は朗らかで少女趣味なほどにロマンチックな物語だったので、あの監督が朗らかさや爽やかさの対極にあるようなマキューアン小説をどのように仕上げてくれるのかと興味深かったのだけれど、映像の魅力をふんだんに盛り込みながら、複雑なプロットを的確にまとめ上げてくれていた。さすがのジョー・ライト。これぞ英国調、という感じの格調高さで織りなされた重厚なドラマの完成度、面白さには大いに満足。

俳優たちの競演もとてもよかったな。注目のジェームズ・マカヴォイくんはやっぱりすごくいい。家政婦の息子だけどその身分に屈せず向学心をもっているという健気な青年ぶりがエラく魅力的。お転婆ちゃんキャラがお似合いのキーラもここでは近寄りがたいような高飛車なお嬢がハマっていて、時代を感じさせる白い水着と目の覚めるような鮮やかなグリーンのドレス姿がとっても印象的。そして、ブライオニー役も三代それぞれに存在感があった。私が最初に感情移入したのは少女時代のブライオニーだった。おきゃんな役どころが多かったロモーラ・ガライのこの役も何だか新鮮でとても引き込まれてしまったな。

序盤から、洗練された音楽にも圧倒された。素晴らしいスコアだなぁと思いつつ、少し自己主張しすぎに思え、個人的な好みからは外れていた。『あるスキャンダルの覚え書き』のフィリップ・グラスの音楽を聴いた時と同じような印象。素晴らしい旋律だと思うのだけど、激しすぎるなぁと疲れてきてしまう。音楽担当のダリオ・マリアネッリはプラ偏の時の瑞々しいピアノ曲があまりにも素晴らしかったので、少し寂しさも覚えた。こういうドラマティックな愛憎劇にはこういう雄弁な音楽が付けられるのが定番なんだよね。そんなわけで、結局のところ、私は評判のオリジナル・スコアよりも、プッチーニとドビュッシーの方にうっとり。

ビジュアル的には、美しい自然きらめく上品でゴージャスなお屋敷内外での映像の数々に魅せられた。最近、そういう作品によく会うのだけど、これもまた水にまつわるショットが効果的。そして、それ以上に、予想外に釘付けになったのは、第二部の戦中にロビーが流れ着いた海岸のシークエンスの方だった。戦場のシーンがあるとは知らなかったし、こんなにも長いとは夢にも思わず。それゆえに、その悲しみの色を帯びたスケール感のある映像は圧巻だった。少し幻想的な雰囲気にもなっているのがアンゲロプロス風味に魅惑的なんだよね。

でも、戦場なのに夢心地の幻想性を感じさせるものだから、私は彼の死期が迫っていることを感じてしまったのだよね。というか途中、これは幻想のシーンなのかなとも思うほどだった。この場所で息を引きとるのだなぁと早くから思ってしまったので、後の部屋での再会シーンを少しも現実のものだと思わなかったのだよね。だから、結果的にはその親切な演出は失点になってしまったのかもしれない。イトコを襲った奴も最初の登場時にロリ趣味があるっていうのが表情に表れていたし。そして、時代物なんてマキューアンらしくないような・・・と思っていた私は、舞台が現代に切り替わった場面で、妙に納得してしまった。と同時に、これまでの時代物の色調が損なわれたことに失望も覚えた。その構成、オチにやられたと思うよりも、こんな着地はしてほしくなかったという気持ちの方が強かった。題名の意味するものも逆にわからなくなってしまったような。原作はたぶんもっと、主人公が書き手であることが巧妙なテーマになっているのだろうけど。

というわけで、大いなる見ごたえを感じつつも、個人的にはガツンとくる愛すべき映画という感じには収まらず、秀作なのはこちらなんだけど、私は『プライドと偏見』の肌触りの方が好きだなぁって思った。ポイント、ポイントで、ブライオニーやロビーに感情移入したりはしたのだけど、全体的には、客観的にミステリーの面白さを味わうっていう見方をしていたようで、面白かったけれど、心揺さぶられたというんではなかったかな。マキューアン小説も、すごく面白いのだけど、心に沁みるっていう感じじゃないのと同じで。

戦場のシーンで、ふと、『コールド・マウンテン』のことを思い出したのだけど、インタビュアー役がアンソニー・ミンゲラだったなんて、全然気づかず・・・。

イギリス代表の本作もすごくおもしろかったけど、同じようなタイプの映画としてフランス代表候補だった『秘密』もすばらしかったので、こちらも一般公開してほしい!

★★★★
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by CaeRu_noix | 2008-04-22 22:31 | CINEMAレヴュー | Trackback(16) | Comments(24)
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Commented by シャーロット at 2008-04-22 23:58 x
やはり音楽はちょっとうるさめでしたよね;
タイプライターの音がガチャガチャって感じは見ている最中はどうも馴染めなかったし。まあ、こういう作品には定番的なスコアだと言わざるを得ないですけど、もっとピアノだけでも良かったなーと注文もつけてみたくなっちゃう;プライドと偏見のテイストはホントに良かったですものー。
つぐない・・・確かに着地点はすっきりしなかったです。だから原作はどうなってるのか興味が沸いてしまった感じでもあり。
あんそにー・みんげらも出ていたのですか??へ?
そうそう、「秘密」の味わい、これこそ心揺さぶられて言いようのない気持ちになった作品でしたよね。これも、もう一度見たいな・・・。
Commented by とらねこ at 2008-04-23 13:38 x
かえるさん、こんにちは。
この映画のタイプライターの音の使い方は、まるで『サイコ』みたいだなって思っちゃいました♪
タイプライターの音を聞いているだけで、ホラーなみに、戦慄が走るなんて、なかなかないですよね・・・。戦略的ではありましたね。

でも、「もし」という仮定のフィクションで、そのフィクションの構成そのものに仮定を入れてみる、というのは、やり方としては面白いですし、ちょっと悔しくなる感じもありました。
やっぱり、多感すぎる少女の気持ちが、痛いほど通じてしまって、ズキズキしましたよ・・・。
私も小学生の時、自分の書いた脚本を、学芸会の時に上演したんですよ。(自分も出ちゃいました)
友達の演技がいまいちで、思うとおりに動いてくれない、というのもすごく分かります。
あとやっぱり、下ネタ大嫌いでした。
男の子がウ○コだのチ○コだの言おうものなら、真っ赤になって顔を上げることが出来ずに、「アンタなんかと一生口聞いてやらない」って言ってました。
なので、ブライオニーの気持ちも分かるんですよね・・・。
Commented by cinema_61 at 2008-04-23 15:19 x
かえるさんこんにちは。
このところ「ノーカントリー」「フィクサー」「大いなる陰謀」「ランジェ公爵夫人」と立て続けに観たけど、やはり「つぐない」が一番好き。
映画評論家ではないので、評論はできないけど、久しぶりに映画らしい映画を観たという感じでした。
子供の頃に見た「秘密」は、原風景として残っているものですよね。
プライオニーとは同じではないけど、私にも忘れられない「秘密」があり、彼女に感情移入してしまいました。
マカヴォイの瞳に魅惑されながら、シアーシャ・ローナンとジョー・ライト監督に期待!
Commented by マダムS at 2008-04-24 17:57 x
久々に新作の感想を書いたのでお邪魔してみましたー♪
今作はバッチリわたくし好み。役者もですが工夫された構成も良かったですね~~
「つぐない」ってなんだか演歌のタイトルみたいで私も好きじゃないです。これで相当数の観客の観る意欲減らしてると思うな・・(^^;)
恋愛というより人を想う気持ちの尊さみたいのに私の感動のポイントがあったような気がします。
ラスト近くの浜辺のシーンも驚きましたねぇ~!ワンカット撮影なのかなぁ~ 
「秘密」も観たいっ
Commented by となひょう at 2008-04-24 21:17 x
こんにちはん。
お返事が遅くなってもーて、えろースンマセン。

>面白かったけれど、心揺さぶられたというんではなかったかな。

実は、私もそうです。
かえるさんと全く同じ要因なのか何なのか、上手く言葉にできないのですが。
とても素晴らしい作品だという思いはあるんですが、そんなにノリノリという感じにもなりませんでした。
幾つかチェックしたとことでは、プロのご意見がすこぶる高評価でした。
でも『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の方が評価が高かった印象かな。
かえるさん、お待ちかねの作品ですかねー
私も、初日鑑賞を敢行っす。
Commented by CaeRu_noix at 2008-04-25 07:08
シャーロット さん♪
音楽は素晴らしかったんですけどねー。
なんであんなに自己主張することを許してしまうのか本気でわかりません。
オペラ曲じゃないんだからさーって思うことがホント最近多いです。
プラ偏のピアノはほんとーに素晴らしかったことを思うと、ああいう路線でいってほしかったなぁと・・
タイプライターの音っていうのもおもしろかったですけどね。
現代パートの存在は私にとっては余計なものでした。でも、一般的には、このオチ?があるからこそ、スッキリせずに一体どこからどこまでが・・・という曖昧さが残るからこそ、やられた感のある面白い作品となっているんでしょうかね?
罪悪感を感じることには共感できるのだけど、それを小説にすることを贖罪の行為とみなすというのは全然わからないし。(君のためなら千回でももそのへんの感じが好きじゃなかったような・・)小説家の傲慢さをあえてマキューアンは書いたのでしょうか??というわけで私も原作を読みたいです。
インタビュアー役がミンゲラ監督だったらしいですよ。顔知らないので気付かなかったのが不覚・・。
『秘密』は、おもしろいプラス感情をゆさぶってくれたより手ごたえのあった作品なのでー。
Commented by CaeRu_noix at 2008-04-25 07:11
とらねこ さん♪
タイプライターの音には何やらドキドキさせられましたね。しっとり上質感のあるドラマなのに、音楽の効果もあってか、序盤からスリリングでミステリアスな空気に満たされていました。
こういう構成の映画や小説はよくありますけど、やっぱり面白いですよね。
小学生の時に書いたものが学芸会で上演されたなんて、とらねこさんたらすごい。
私も小学生時代はよく創作活動をしていましたが、戯曲なんて書いたことはなかったなぁ。仲のいい友達と物語を書いていたけど、学校の先生がそれを見ることはなかったし。劇といえば、学芸会というちゃんとしたものより、クラスのお楽しみ会の出し物の劇で、クラスを牛耳る威張った女の子がいつも自分がやりたいように勝手な物語を作って、皆に演じさせていたのがすごく嫌な思い出として残っています。って、ブライオニーの気持ちとは関係ないか。
「一生口聞いてやらない」と男の子に直接言えるなんて全然社交的。私は小学生のころは男子とようしゃべれませんでした。心の中で赤面。というわけで?ブライオニーには共感しましたよねー。
Commented by CaeRu_noix at 2008-04-25 07:12
cinema_61 さん♪
映画らしい映画でしたよねー。
多様な見どころがあった見ごたえ満点の作品でした。
それがとてもエクセレントに巧みに作られているのだから言うことはありません。
cinema_61 さんにとってのここんところのベストというのも納得です。
私は個人的には、原作のあるしっかりした物語のものより、もうちょっとシンプルで感性に訴えるものが好みなので、個人的なお気に入り度はそれほど高くはないのですが、もし自分が賞の審査員や評論家なんかだったら、本作の出来栄えのことは大いに評価しますです。
cinema_61 さんもそういう秘密をお持ちでしたか。
多感な少女期に衝撃を受けたことや経験したことって、心に深い傷を残しますよね。
私もプライオニーのような少女には大いに感情移入しました。
監督、俳優陣、それぞれに見事でしたねー。
Commented by CaeRu_noix at 2008-04-26 07:25
マダムS さん♪
おお、お久しぶりでしたかー。
そうですね、大河ロマーンの「輝ける青春」などがお好きなマダムが本作も好みなというのは大いに納得です。
邦題はいつものことながら、どうもいただけませんよねー。
テレサ・テンを思い出さずにはいられないし。
これって、恋愛ものとして宣伝されていたんですかね?そうだと思ってみたら、違ってよりよかったと書かれている方が何人かいらっしゃったような。
私は、作品の素晴らしさや面白さにガツンとはきたのですが、物語の中の人間関係やら人の思いやらに、感動を覚えたという感じではなかったんですよね。
なので、マダムの心を動かした部分について興味がありますです。
海岸の長まわし撮影も素晴らしかったですよねー。
Commented by CaeRu_noix at 2008-04-26 07:26
となひょう さん♪
こちらこそー。
12日公開作品は多かったので、アップアップしておりますー。
となひょうさんがあまりこの手のものには心揺さぶられないというのは、観る前から何となくわかるのですが。(笑)
私は、例えば、レヴューの中でもそのタイトルを出したミンゲラの「コールドマウンテン」なんかは大いに感銘を受けたので、大河ロッマーンな感じも気に入る時はとても気に入るはずなのだけど、本作に関しては、作品の素晴らしさは大いに感じるけど、ドラマに対しては涙することもないほどの感銘度だったんですよね。
イアン・マキューアンが人間とその運命を見つめる目線がどうもクールに見下ろす感じで、そのまなざしにジワっとこないというか。
でも、ホントよくできた映画だと思うので、評論家筋が高評価するのは大いにわかります。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』も楽しみですね。となひょうさんの好きそうなタイプですよね。ジャンル的には私好みじゃないけど、PTAラブなので、ワクワクです。
Commented by swallow tail at 2008-04-28 23:53 x
かえるさん、こんばんは。
ご無沙汰しておりましたがお元気でいらっしゃいましたか??

『コールド・マウンテン』
そんな作品もありましたね・・・
そういえばジュード・ロウも出ていたなぁ。
今は大好きだけど、当時は嫌いな俳優だった(苦笑)
スワロは『コールド~』ではなく『キャンディキャンディ』を読みたくなりました(笑)

海岸の長回しはスワロも圧倒されてしまいました。
その辺から涙が止まらず。
いつからこんなに涙腺が弱くなってしまったんだろう・・・
ハンカチ1枚じゃフォローできず困りました。

ラストは・・・現代に戻ったこと自体はいいのですが、
本が脚色されてしまったことには違和感を感じました・・・
Commented by CaeRu_noix at 2008-04-29 11:32
swallow tail さん♪
連休が近づき元気ですよー
スワロさんも楽しいGWをお過ごしくださいー

スワロさんは、以前はジュード嫌いで、今は大好きに変わったんですのね。
わたし的には好きというわけではないながら、『ガタカ』と『リプリー』で彼の表情、演技力には圧倒されて以来、気になってしまう俳優なのでした。
今も大好きっていうんではないけど、毎回その多彩な表情には魅せられ、時にメロメロになっちゃいますねー。
でもって、マカヴォイくんはそのルックスも存在感も好みで、但し書きなしで、好き好きと思える俳優でございます。

おお、「キャンディキャンディ」がスワロさん世代にも思い出してもらえるというのは嬉しいな。
私にとっての元祖大河ロッマーンはキャンディキャンディかも。

私はハンカチいらずでした。
構成が凝り過ぎのためか、わりと遠巻きに眺めた部分も多くて。
潜水服と蝶とかの方がボロボロ泣けましたです。

オチは個人的には残念なものでした。
脚色したことは、あの部屋の場面が登場した時点でよめちゃったので、それに対するガッカリ感はなかったものの、それを贖罪というのはよくわからないなぁとある種の腑に落ちない感は私も残りましたー。
Commented by シュエット at 2008-05-02 09:03 x
かえるさん、昨日仕事帰りにやっと観れて…
久々に感涙いたしました。
忘れ難き一作!
Commented by ぺろんぱ at 2008-05-02 19:18 x
こんばんは。
じっくり2度読み返させていただきました。
ストーリーや情感だけに流されずに「映画作品」として色んな角度から
きちんと考察されている内容に深く感じ入りました。
あの戦禍のシーンの評され方、素敵です。
「アンゲロプロス風味」というのも「That's it !」という感じです。(*^_^*)

それから、後半挿入された二人の逢瀬のシーンは私もすごく違和感を感じて「これ本当なの?」という印象でした。(最後の告白で全てが分かったわけですけれど)
あの辺り、もう少し違った見せ方は出来なかったのでしょうか。

アンソニー・ミンゲラ!
そうなのです、「出演」という前情報は得ていたのに私も気付かず流してしまっていました。
でも別のシーンで『コールド・マウンテン』を想起されて、図らずも結果的にミンゲラにつながっていくなんて、流石です、かえるさん!
これからも益々“仰ぎ見て”まいります。
Commented by jester at 2008-05-03 09:32 x
お邪魔します~

>爽やかさの対極にあるようなマキューアン小説をどのように仕上げてくれるのかと

おお!さすがかえるさん、マキューアンについてもご存知だったのですね~~
わたしは今回、映画を見てよかったので始めて原作本を読んでみました。
とても読みやすく、すこぶる美文で、読書の快感って感じでした。

マカヴォイさんはほんとにかっこよくて、これはマカヴォイさんのイメージ映像なのでは??なんて(殴)おもってしまいました。
個人的には「ペネロピ」のマカヴォイさんのほうが好きだけど、こちらの良かったです。

戦場の画像とかも印象的で、jester的にはかなり好きな映画でした。
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-04 08:59
シュエット さん♪
久々の感涙でしたかー。
私とは泣きのツボがたぶん全然違うかもしれませんね。
私は本作では泣くまではいかなかったんですよね。
涙を流しちゃう映画はとても多いのですが。潜水服と蝶は予告だけで泣けるし。
ともあれ、本作がオトナレディースに人気なのはすごくよくわかるし、秀作というのは大いに感じましたー
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-04 09:39
ぺろんぱ さん♪
ありがとうございます。いやー、そんなシロモノじゃないのですが・・・。
私は正直言って、本作に関しては、ストーリー、ドラマ、個々の悲劇にはあまり心打たれなかったんですよね。恋愛パートにしろ、罪悪感と運命にしろ。
それよりも、映像の見事さだとか、ジョー・ライト監督の演出の的確さにうなったという方がポイントだったので、このような感じのレヴューになってしまいましたー。作品によっては、物語内容だけに言及して終わるというパターンもありますけどね。
「アンゲロプロス風味」って感じをわかっていただけて嬉しいですー♪
戦後の部屋のシーンは、そこでなんか変だなと思った観客が、最後にその理由を知り、全てが腑に落ちる・・・という筋書きが想定された上で、ああいう感じの唐突で違和感のある場面になったんでしょうね。でもねぇ、親切すぎるというかなんというか。ミステリーの謎解きに重点を置いたために、劇中の英国調の上質な雰囲気が損なわれた気がして、私も別の見せ方をしてほしかった感じですー。
ミンゲラに気づかなかったのは不覚な愚か者でしたが、そう、別のことから、勝手にシンクロしてきたので、自己満足な嬉しさはありましたですよ。
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-04 23:12
jesterさん♪
いらっしゃいませ。
いえいえ、私はあんまり読書家じゃないので、読んでいる本の数は jesterさんの足元にも及びませんが、イアン・マキューアンだけは珍しく3冊読んだのでした。現代的なテーマの切り口が鋭いなーという印象の作家です。面白いけど、シニカルでイヂワルだよなーとも思っていて。
翻訳本で読むと、巧みさや鋭さは大いに感じるんですが、それほどに文章が美しいと思ったことはなかったかもしれません。テンポはいい感じだけど。でも、英語の原文で読むと、美文だと感じられるんですねー。そうそう描写がくどい割には読みやすいっていう感じはありますね。

マカヴォイは正統派の演技もスバラシイということが今回証明されましたよね。私も個人的には、胸キュン度の高かったペネロピのキャラが一番好きなんですが、俳優として評価に値するのはもちろんこちらでしょうねー。
戦場の映像は私もすごく気に入りましたよー。
Commented by めかぶ at 2008-05-05 05:11 x
ごーるでんでけでん♪はいかがお過ごしでしょうかー。
私は曇天の首都圏でぼけぼけしてます。
かえるさんって、もしかして5連休~?

今回は早くも原作を読んでるんですが、かなり忠実な作りなんですね。
なのに映像と文章だけとではこうも感じ方が変わるのかー、としみじみ感じた作品でした。善し悪しは別としてね。私も犯人はすぐに判ってしまったっす。これはロリ男を見て一目瞭然。原作にはない映像のインパクト(笑)。
んでも、ジョー・ライトは期待の新星!これからどんな作品を撮っていくのかとても楽しみですよね。まだ35歳ってびっくりー。婚約者がロザムンド・パイク(「プライドと偏見」の長女)なんですってー。

特徴的な音楽でしたねー。インパクトがあって耳に残りますが私は嫌いではないです。でも何より、ドビュッシーの「月の光」を聴いて涙が出たのは初めてです。
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-05 23:39
めかぶ さん♪
でけでん。
そうざますよ、5連休♪
曇り空でちと気温も低く、ビール日和じゃないのが残念でしたね。
私は今日はワインにしちゃった。この3日間は有楽町通いですー。

原作、私も予約しました。
映画は映画で結構脚色しているんではなく、かなり忠実なのですか?!
確かめたいことがいっぱいの不純な目的の読書になりそうー。w
映画は、伏線の張り方が親切すぎ、演出の意図がわかりやすすぎな感じでしたよね。それはサスペンスの要素においては見事さと紙一重の失点だった気が・・。最後に全部の辻褄が合うなら気持ちいいんだけど、途中で推理できちゃうと面白みが半減。つくづく小説の映画化って難しいですね。
やっぱり私は原作ありのものより、オリジナル脚本の映画が好きなのは、そういう腑に落ちない感があることも一つの理由かな。
それでいて、映画の音楽は、シンフォニックなオリジナルスコアより、既存曲を使うというパターンが好きだったりします。というわけで、ドビュッシーは最高。いえ、この音楽家の人も素晴らしいです。でも、ピアノ曲の方が好き。
監督の手腕はとにかくお見事。ロザムンドまでGETな手腕ー。
次はオリジナルものを監督してほしいなー。
Commented by 真紅 at 2008-05-16 14:47 x
かえるさん、こんにちは~。
音楽がうるさく感じられたのですね。私も『あるスキャンダル~』はうるさくて笑ってたくらいなんですが、これはそうでもなかったです。
ブライオニーの創作も、「その三週間前」っていうのが「あれ?!さっき半年前ってなってたのに何で?」と思ってしまい、ラストの告白にどんでん返し感はなかったです。そこはちょっと残念かな。
こんなにスケール感のある映画だとは思ってなかったので、意外でした。
マキューアン、読んでみようかな・・・、と。
ではでは、またです~。
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-18 11:31
真紅 さん♪
音楽は、ハンス・ジマーなんかのスコアほどにうるさかったわけではないんですが、このダリオ・マリアネッリにはすごく期待していた分、自己主張強すぎ、雄弁すぎる音楽だったのがちょっと残念でした。素晴らしい映画音楽だーとは思いましたが、もっと控え目なのが好みなもので・・・。
「マンデラの名もなき看守」もこの人が音楽担当なので、こちらもまた楽しみ。
「その三週間前」ってのは思いきり不自然でしたよねー。
そんなこんなで終盤の構成には残念な部分がありますよね。
サスペンス重視で見ていたら、最後のドンデンにうなったのかもしれないけれど、歴史大河ロマーンとして秀逸な映像を見せてくれた後では、そりゃないぜーって感じのオチになってしまいました。
でも、ホント、全体的には素晴らしく、見ごたえのある映画らしい映画でしたよね。
マキューアン小説はおもしろいですよー。偶然の持ち出し方がちょっと強引だったりもするんですが、出来事よりか思考や心理描写が細やかでその秀逸さにうなりまする。
Commented by SGA屋伍一 at 2008-05-19 09:00 x
こんちはっす

マカヴォイくんは「落ちぶれ役」をやらせたらいま一番かもしれない・・・と思う今日この頃です

イアン・マキューアンに関してはこの映画で初めて知りました。最後のパートを見ていて「もしかしてブライオニー=マキューアン!?」とぎょっとしたのですが、調べてみたらマキューアン氏は男性のようで。ほっと胸をなでおろしました(笑)

目は嘘をつく、というかちょっと細部を見逃しただけでこんなにも誤解がすすんでしまうんだ・・・という意味では怖いお話でした
あと、わたしも一番印象に残ったのは海岸のシーンでした。悲惨極まりないのに、なんだか慰められたんですよね
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-20 21:14
SGA屋伍一 さん♪
マカヴォイくんってば、悲劇の青年がハマりますよねぇ。
あんど、カーライルに同じく、グラスゴー出身は労働者階級がよく似合うー。
でも、今度はハリウッドでアクションしちゃったりするのかなぁ?

小説の主人公が作家である場合、それは著者の分身であるというパターンは多いですけど、マキューアンという作家は私の印象では、少し上から見ている人で、主人公に完全同化はしないタイプなんですよね。つーか、イアンって、男子の名前ですがな。イアン・マッケレンなどなど。イヤン・バカン。

とある場面を断片的に見て、勝手に誤解して、人の人生まで狂わせてしまうなんて本当に怖いですよねー。私はどうも、ブライオニーがたまたまタイミングよく部分的に目撃しちゃった偶然に加え、手紙を入れ間違っちゃった事件の偶然の重なりがデキスギに感じられて、運命の怖さよりか、イアンのあざとさを感じちゃったりしたんですけどね・・・。挙句の果ては、監獄行きだっし・・。と観てからずいぶん経つので、冷めちゃっている私。
が、ホンにト海岸のシーンの映像の素晴らしさは今なお同意ですー!
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