かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
latchodrom.exblog.jp
(映画を見るのにいそがしくてブログはもう)
Top
『アイム・ノット・ゼア』
2008年 05月 06日 |
奇想天外な心の旅。

生ける伝説のミュージシャン、ボブ・ディラン。



詩人/アルチュール・・・ベン・ウィショー
無法者(アウトロー)/ビリー・・・リチャード・ギア
映画スター/ロビー・・・ヒース・レジャー
革命家/ジャック、ジョン牧師・・・クリスチャン・ベール
放浪者/ウディ・・・マーカス・カール・フランクリン
ロックスター/ジュード・・・ケイト・ブランシェット

複数の人間を1人が演じるというパターンはいくつも見てきたけど、1人の人物を一度に6人もの俳優が演じるだなんて、もうその発想、アイディアだけでシビれちゃうよね。それも観る前はてっきり、オムニバス形式、独立した6つの物語から成る短編集のスタイルを取るものだと思い込んでいたものだから、区切りのないままに、代わる代わる6人が登場することに歓喜しちゃった。

一筋縄ではいかない多面体のアーティストを1本の映画にするにあたって、こんなスタイルでアプローチをはかることにしたトッド・ヘインズのイマジネーションとクリエイティビティに喝采をおくりたいな。これは、身体の不自由なジャン・ドーの魂の飛翔をそのまま映画にしたジュリアン・シュナーベルに対して感じたものと似ているかもしれない。(シュナーベルとディランはファクトリーでつながる?)ボブ・ディランというとことん自由でとらえどころのない人物をもっともふさわしいやり方で映画にするのは、例えばこんな方法なんだと思う。やられた。こういうの大好き。

選ばれた6人の俳優たちもすこぶる魅力的だよね。その中にあえて女優がいるというのがとてつもなく素晴しい。これはそのアイディアもとてもクールなんだけど、同時代にケイト・ブランシェットという女優がいたことが幸運だよねって思う。女性なのに誰よりも、一頃のディランに顔の雰囲気が似ているようにも思える女優が、トップクラスの演技派なんだもの。ベテラン、リチャード・ギアから、新鋭ベン・ウィショーまで、絶妙でバランスのいいキャスティング。それぞれの俳優の持ち味が、それぞれのボブ・ディランに気持ちよく重なっていたな。

女性のケイトの採用以上にグッときてしまったのは、マーカスくんというアフリカ系の少年が6人のうちの1人だったこと。出演者の名前を見て、1人だけ知らない俳優がいるなぁとボンヤリと思ったりしたというのに、ある意味、私にとっては彼が一番の名俳優だったな。知っている俳優の誰ソレが演じているボブ・ディランという意識を持つこともないままに、冒頭に登場した少年がギターを持って放浪をしている姿に自然に惹きつけれて、そうか、とにかくこれがボブ・ディランなんだよなーって心にストーンとハマりおちた。年齢も性別も肌の色も区別なく表現されることに感嘆しつつ、旅プラス音楽という大好物な取り合わせに心浮き立つの。

そして、まるで故人のごとく偉大な伝説になっているそのアーティストは、60歳を超えても今なお現役で活躍中なのに、それを演じた一人の俳優が20代でこの世を去っているという現実にについつい切なくなってしまい、無関係な部分でもドラマチックな味わいが増した。よりによって、ヒースの役どころは映画スターで、出会いと別れ、結婚生活パートが割り振られているものだから、現実のヒースの私生活にダブって見えてくるような。同じ場面には登場していないけど、ミシェル・ウィリアムズも出演していて。ミシェルの演じたココは、夭折の『ファクトリー・ガール』 イーディ・セジウィックがモデルらしい。夭折のヒースの前パートナーが夭折の60年代ポップアイコンキャラに扮しているなんてね。現実のヒースに思いを馳せながら見つめたロビーとクレアの物語もとってもお気に入り。このパートはフランス映画みたいな質感なんだもん。というか、この映画全体がゴダール風味な気がして、だから好き。

理屈抜きで心揺さぶられたウディの物語、感覚的に切なく胸キュンだったロビーの物語とは異なり、ケイト扮するジュードの物語には、大いに左脳が刺激させられた。ジュードの放つ言葉の数々がすごく興味深くて、詩的な禅問答が何だか愉快なの。それが生真面目に伝えられるのではなく、ユーモラスで目まぐるしい奇抜な演出の中で発せられるから、妙な面白さがあるのだった。浮遊感の中で哲学するという感覚。そんな不思議な空間に放り出されることがまた一つの醍醐味。ディランのエピソードとして有名な出来事の描写もあれば、自分にとっては意味不明な場面もあるのだけど、一つ一つを咀嚼することもせず、その空間に浮いちゃうことが心地よいの。そもそも全てはきっと幻想。自分の心を映し出したものだし。何もかもが矛盾、混沌。

ディランの音楽は、私にとっては映画の中で聴く機会が多いという感じで、それほどに好きだと意識したこともないのだけど、聴くたびにそのいいなぁって思うんだよね。音楽そのものが充分に感動をもたらすものだというのに、こんなにも独創的な映像とセットになって迫ってきたら、心に響かないわけがない。音楽に込められた熱い思いを感じ、彼が駆け抜けてきた時代の変遷を思い、彼の歌や生き様に影響を受けた大勢の人たちがいたことを思い出させられ、その音楽はパワーアップして多重の感動をもたらすのだった。グッとくる名曲たちに彩られたこの異色の音楽映画はとびきりの逸品で摩訶不思議な映画体験をさせてくれた。

『ボブ・ディランの頭のなか』
[PR]
by CaeRu_noix | 2008-05-06 08:39 | CINEMAレヴュー | Trackback(20) | Comments(18)
トラックバックURL : http://latchodrom.exblog.jp/tb/7845300
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2008-05-06 09:59
タイトル : アイム・ノット・ゼア
 『詩人・無法者<アウトロー>・映画スター・革命家・放浪者・ロックスター 全てボブ・ディラン 6人の豪華キャストが演じる、生ける伝説』  コチラの「アイム・ノット・ゼア」は、まさに生ける伝説、っつ〜か生ける神様?ボブ・ディランをモデルにした6人の人物を6人...... more
Tracked from Mani_Mani at 2008-05-06 22:16
タイトル : 「アイム・ノット・ゼア」トッド・ヘインズ
I'm not there. 2007アメリカ 監督:トッド・ヘインズ 脚本:トッド・ヘインズ、オーレン・ムーヴァーマン 出演:クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、マーカス・カール・フランクリン、リチャード・ギア、ヒース・レジャー、ベン・ウィショー、ジュリアン・ムーア、シャルロット・ゲンズブール、ミシェル・ウィリアムズ これはすごく面白かった〜〜・・・・・といいたいが、 例によって途中すこしウトウトと(苦笑) なぜここぞというところでウトウトしちまうのか〜自分よ でもまあ、ウトウ...... more
Tracked from 好きな映画だけ見ていたい at 2008-05-07 10:35
タイトル : アイム・ノット・ゼア◆フィクションで描くディラン伝説
        「アイム・ノット・ゼア」 (2007年・アメリカ)    ボブ・ディランについて知っていること――60年代アメリカのポップカルチャーのカリスマ、フォーク・ロックの草分け、プロテストソングの旗手、俳優、シンガーソングライター、ドラッグ濫用者・・・・・・。所有するディランのアルバム――1枚(!)。いま思いつくディランの楽曲――「風に吹かれて」(かなり長いあいだジョーン・バエズの曲だと勘違い)、「マギーズ・ファーム」、「見張塔からずっと」、「アイ・シャル・ビー・リリースト」、「天国への扉」...... more
Tracked from eclipse的な独り言 at 2008-05-07 14:13
タイトル : アイム・ノット・ゼア
 東京に行ってきました。目的はシティ・ボーイズのライブです。しかし、映画ブロガー... more
Tracked from 寄り道カフェ at 2008-05-07 20:51
タイトル : 「アイム・ノット・ゼア」
I'M NOT THERE 2007年8/アメリカ/136分/PG-12 私が音楽に興味を持ち出した頃、ベトナム戦争を背景に巷では反戦フォークが溢れ、ジョン・バエズが、ボブ・ディランが、ピーター・ポール・アンド・マリーたちの歌をよく聞いていた。 「風に吹かれて」「時代は変わる」「ジョニーは戦場に行った」「悲惨な戦争」「勝利を我らに」………。 そしてディランは、既にして生ける伝説とかフォークの神様とか吟遊詩人とか言われていた。別段、ボブ・ディランのファンではないけれど、彼の歌もよく聞いてい...... more
Tracked from えいはち@十二社の行動 at 2008-05-08 17:48
タイトル : 「アイム・ノット・ゼア」
有名人の伝記映画はいろいろあるようだが、ほとんど見た記憶がない。 「ボブ・ディランの伝記映画」とされているこれはさすがに、 ファン歴30余年、筋金入りのディラン・フリークの僕としては、 やはり見ておくべきかな、程度に考えていたのだが、意外にも、 過去数回体験..... more
Tracked from Coffee and C.. at 2008-05-09 09:38
タイトル : 【映画】 アイム・ノット・ゼア
今回は、映画「アイム・ノット・ゼア」 1959年、ギターを抱えたウディと名乗る黒人少年が貨物列車に飛び乗り、病床の本物のウディに会いに行く。社会派フォーク歌手として人気が出たジャックだが、シーンから小..... more
Tracked from 犬儒学派的牧歌 at 2008-05-09 23:15
タイトル : アイム・ノット・ゼア:各人の認識に対する無数の問いかけに..
★監督:トッド・ヘインズ(2007年 アメリカ) 京都シネマにて。 ★解説(Yahoo!映画より引用...... more
Tracked from knockin' on .. at 2008-05-10 20:24
タイトル : アイム・ノット・ゼア
I'm Not There ボブ・ディランをモチーフに、ロック・ドキュメンタリーと詩的なドラマ性を融合させた、ユニークな音楽映画。 僕はそこにはいない・・・一人の人間の多面性を投影させた6人の人物を、6人の俳優たちが演じる。これまでにない斬新な試みで描く、不思議...... more
Tracked from 真紅のthinkingd.. at 2008-05-12 12:23
タイトル : He is there.〜『アイム・ノット・ゼア』
 I'M NOT THERE  音楽界の生ける伝説、ボブ・ディランの半生を、6人の俳優によるアンサンブル で独創的かつ多面的に、時間も空間も飛び越えて自由に描いたユニークな映画。 「ボブ・ディランを同時ぎ..... more
Tracked from 銅版画制作の日々 at 2008-05-15 18:59
タイトル : アイム・ノット・ゼア♪6人のボブ・ディラン
6人のキャストが演じる、それぞれのボブ・ディラン 5月8日、京都シネマにて鑑賞。そういえば、ボブ・ディランは今も健在なのだ!実は私もボブ・ディラン世代?でもファンではなかったが。日本のフォークシンガーにとっては神様のような存在だったので、彼のことを歌にする人が多かったのは、印象深い。 そんな私ですが、何と一度ボブ・ディランのコンサートに友人たちと出かけたことがあります。このころは、もう生ギターを使わずエレキギターで演奏していました。大きな割れる様な音だったことはよく覚えています。友人たちは皆、...... more
Tracked from It's a Wonde.. at 2008-05-20 09:41
タイトル : アイム・ノット・ゼア
ホブ・ディランはすごく好きという訳ではなく、 まぁ代表曲をちょいちょい知ってる程度なんですけど、 このトッド・ヘインズ監督作は思った以上にユニーク な伝記映画でした。 いやこれを伝記と言っていいのか。 今年のアカデミー賞でケイト・ブランシェットが助...... more
Tracked from シャーロットの涙 at 2008-05-22 15:57
タイトル : アイム・ノット・ゼア
私はひとりの他者である・・・... more
Tracked from とんとん亭 at 2008-06-08 22:56
タイトル : アイム・ノット・ゼア
「アイム・ノット・ゼア」 2008年 米 ★★★★ ヒースに会えた歓びは、映画の良し悪しよりも私の中で大きい。 とはいえ・・・ボブ・ディランを知らない(名前ぐらいは知ってますが^^)とこの 映画はキツイかも^^ う~ん、私ももっと色んなジャン...... more
Tracked from レザボアCATs at 2008-06-13 21:25
タイトル : 67●アイム・ノット・ゼア
ボブ・ディランというと、「ロックの歴史を早めた男」のイメージだった。もうすでに'90年代から、彼の名前は歴史そのものだったしね。サブカル、カウンターカルチャーの父、みたいな・・・正直、自分の手に届かない、途方もないイメージがあったんだ。... more
Tracked from KINTYRE窶儡DIARY at 2008-06-22 15:22
タイトル : 映画『アイム・ノット・ゼア』を観て
44.アイム・ノット・ゼア■原題:I'mNotThere■製作年・国:2007年、アメリカ■上映時間:136分■字幕:石田素子■鑑賞日:5月1日、シネマライズ(渋谷)■公式HP:ここをクリックしてください□監督・脚本:トッド・へインズ□脚本:オーレン・ムヴァーマン□製...... more
Tracked from あず沙の映画レビュー・ノート at 2009-01-29 16:47
タイトル : アイム・ノット・ゼア
2007 アメリカ 洋画 ドラマ 伝記 作品のイメージ:カッコいい、スゴイ、ためになる 出演:クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、ヒース・レジャー、リチャード・ギア ボブ・ディランの6つの顔を6人の俳優が演じているという風変わりな作品。バイオグラフィーであり、監督のディランへの思い入れが強烈に感じ... more
Tracked from Addict allci.. at 2009-06-16 19:29
タイトル : アイム・ノット・ゼア
詩人・無法者(アウトロー)・映画スター・革命家・放浪者・ロックスター 全てボブ・ディラン 6人の豪華キャストが演じる、生ける伝説 ... more
Tracked from 虎党 団塊ジュニア の .. at 2009-08-10 21:29
タイトル : 『アイム・ノット・ゼア』'07・米
あらすじ1959年、ギターを抱えたウディと名乗る黒人少年が貨物列車に飛び乗り、病床の本物のウディに会いに行く。社会派フォーク歌手として人気が出たジャックだがシーンから消えた20年後、牧師としてキリスト教の布教にいそしんでいた。伝記映画の主役を演じ成功し...... more
Tracked from おきらく楽天 映画生活 at 2009-12-06 22:33
タイトル : 『アイム・ノット・ゼア』を観たぞ〜!
『アイム・ノット・ゼア』を観ました『エデンより彼方に』などの鬼才トッド・ヘインズが、構想から7年をかけて挑んだボブ・ディランの伝記映画です>>『アイム・ノット・ゼア』関連原題: I'MNOTTHEREジャンル: ドラマ/音楽/伝記上映時間: 136分製作国: 2007年・...... more
Commented by mchouette at 2008-05-07 20:58
かえるさん、TBとメッセージありがとうございます。
私は一緒に見に行った娘がいま一つだったのがショックだったけど、ディラン知ってるとかよりも、これって、もっともっと感覚的に楽しんで欲しい作品だわって思うの。ある意味ディランに拘らずにね。
事前にケイトが似ているとか、ディランが6人とか話題になりすぎていて、それが返ってマイナスではなどとも思ってしまう。もっと真っ白な感覚で見た方がいいと思うの。へインズ監督の感覚って、とっても時代のイメージを感覚的な映像表現がうまいなぁって本作でも思ったわ。
何度も観て楽しめる作品だと思う。
、。
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-08 00:41
シュエットさん♪
そうなんですよ!!感覚的に楽しめる作品ですよねー。
私だって、ディランのことなんて、リアルタイムで(って今も御存命ですが)知っていたわけじゃないし、映画やメディア情報で、なんとなくその人の伝説を知りえていったに過ぎないのだけど、大いに楽しめる作品でした。
でも、どうやら、ディランを知らないからあまり楽しめない、というか観ていて苦痛なほど・・・みたいな感想を述べている人も結構いるようで、そういうものなのかなぁって感じです。
ボブ・ディランの人となりや歌の知識があった方が楽しめるポイントがたくさんあるのは事実だと思いますが、普通の伝記映画的じゃないところが、本作の魅力ですもんね。
ホント、私もトッド・ヘインズのセンスに惚れ直しました。何度でも観たいですー。
Commented by えいはち at 2008-05-09 11:46 x
コメントもいただきありがとうございます。
筋金入りディラン・ファンの僕ですが、あえてその部分を封印して思い返してみると、ゴダールっぽいということに、ナルホドと感じました。フランス映画っぽいのは単に「なまいきシャルロット」が出てるせいかもしれませんが、苦悩する夫婦のパートは「ゴダールのマリア」とか、ジュードのパートは「男性・女性」あたりを思い出させます。この作品、映画マニアとディランマニアの幸せな結婚だったのかな。トッド・ヘインズについてはなにも知らなかったのですが興味湧いてきました。
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-09 23:28
えいはちさん♪
こちらこそ、ありがとうございます。
ボブ・ディランの知識も特別な思い入れもない私ゆえ、造詣の深い、筋金入りのファンの方のレヴューというのは読みごたえがありました。
私はあまりにも多くのことを抽象的にとらえているなぁと・・・。
でも、ゴダールっぽいに共感していただき光栄です。ゴダール映画の主人公はよく突然哲学的な言葉をはきますし。
トッド・ヘインズのことは私もよく知らないのですが、『エデンより彼方に』がダグラス・サークなものだったりしたことを思うと、結構シネフィルさんなのでしょうか。そして、「ベルベット・ゴールドマイン」と本作ですから、音楽への思いもかなりのものですよね。
映画マニアとディランマニアの幸せな結婚というのは納得です。
Commented by 狗山椀太郎 at 2008-05-09 23:42 x
こんばんは、コメント&TBありがとうございました。
>何もかもが矛盾、混沌。
そうですね。ディランに限ったことではないけれど、ひとりの人間の中には数々の矛盾と混沌、互いに相反する要素が内包されているんだと思います。そういう部分を相手にさらけ出してみたり、逆に相手からハッと気付かせられたり・・・特にケイトのパートは面白い趣向でしたね。
エンディングで流れた『ライク・ア・ローリング・ストーン』は以前から好きな曲ですが、明るくおだやかな曲調なのに、歌詞の内容は暗くて皮肉っぽいんですよね。そういうところがこの映画のテイストにピッタリだなあと感じました。
Commented by sally at 2008-05-10 20:42 x
かえるさん、こんばんはー♪
のきのんへぶんずどあーのsallyです。
それなのにディランのことは全然知りませんー。(爆)
そうそう、私もかえるさんと同じく6つの物語のオムニバス形式だと
思い込んでいたので、ちょっと混乱しつつもその自由さというか、
たぶんディランの人物像そのものだと思われる観る者を裏切る
切り口に驚かされました。
特にヒースのパートがゴダールっぽい!っていうのも
なるほどー。
アイム・ノット・ゼアという原題通り、映画自体もとらえどころがなくて、一応伝記もの(?)なのに、寓話的に感じるところすらあって。
やっぱりユニークな作品だったと思います☆
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-11 00:20
狗山椀太郎 さん♪
矛盾と混沌ですよね。
私たちはディランほどに多面的で自由な精神はもっているわけじゃないかもしれないけれど、常に常に矛盾にみちて、混沌としているのですよねー。
なのに、やっぱり世の中の多くのものを、型にはめて解釈しようということを、自分も含め人は常にしてしまうものなので、こういうアプローチにはグッときてしまうのですよね。
ケイトの頬杖なカメラ目線の台詞の一つ一つが面白かったです。スポットのあたるディランの一面にマッチした演出がされているのがまた気持ちよかったー。女性のケイトのパートで女性と絡むシーンがあるっていうのも面白いよなーって。
おお、歌詞と曲調の違い。なるほど、そうですねー。
エキセントリックなアーティストを描いても映画の構成、演出はいたって普通な伝記ものも多い中、このディラン的につくられたディラン映画は出色でっす。
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-12 00:43
sally さん♪
のののきのんへぶんずどあー♪
私もひょっとしたら、ディランのものよりカバーされた曲の方が馴染みがあるかもです。
オムニバスだと思い込んでいたので、嬉しい驚きに遭遇しましたよね。私は正統派のプロットよりもこういうのが好きなので、めちゃめちゃ心躍りました。ディランという人は、世間の期待通りに行動することを快しとしない人らしいですね。そういうディランの人物像そのままを映画の構成、語り口にしちゃったというのがホントにクレバーだなぁって思いました。
私の本作に惹かれた感触はぶん60代頃のゴダール作品などに、わけわかんなさを感じつつも魅了された感じに似ているんですよ。でもって、フランス人シャルロットの登場のせいか、ヒースパートは画作りも一際フランス映画テイストに感じられて、すんごく気に入りましたー。
私はつくづく、小説の映画化作品よりか自由な発想で構成されているオリジナルものが好きなのだなぁと実感。とらえどころのないのがいいです。
そのタイトルも映画を見るとより心に響きますよね。
Commented by 真紅 at 2008-05-12 12:35 x
かえるさん、こんにちは~。
物凄く独創的で自由な映画だったと思います。私的にはギアさんパートがちょっとアレレ?だったのですが、個性的な俳優さんたちのアンサンブル、とってもよかったです。
やっぱり、ヒースを観るとウルウルしてしまったのですが・・・。
私生活と被るお話でもあり、ちょっと辛いものがありましたね。しかしあのパートもね、シェルロットが映り過ぎ(笑)。
トッド・ヘインズは『エデン~』も『ベルベッド~』も未見なので、是非観たいと思いました!
ではでは、また来ますね~。
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-13 21:48
真紅さん♪
自由さが心地よい映画でしたー。
ギアさんパートは確かに、ビリー・ザ・キッドのことも知らない、ディランの歌の歌詞にも慣れ親しんでいない自分には具体的には意味不明ではありました・・・。でも、そんなにアレレな感じでもなくて、ギア様が馬に乗る姿って珍しいよなぁとか、ディラン映画でキリンの姿が拝めるなんてーとか何だかんだと見入ってしまいました。
ヒースの姿にはウルウルきちゃいますよね。別段、ファンというんでもない私ですら、クーってきちゃいましたから、真紅さんは尚更のことだったでしょうー。
シャルロットは、ベン・ウィショなんかよりもいっぱい出てましたよねー。
前作も是非ご覧くださいー。
私は『SAFE』(ケミカル・シンドローム)が観たいー
Commented by kazupon at 2008-05-20 09:40 x
かえるさん

6人が一人の人物、そしてボブディランって話題を聞いただけで、
すごく観たいと思った映画でした。フツーだったらわざと物語
つなげそうですけど、全く独立した人物かのように作っている構成も
ユニークですよね~でもやっぱりエンタメではなくてアートっぽい
映画になってるなーという印象を受けました。
確かにヒースのパートは現実とカブってしまいますよね。
テレビで「インデペンデントスピリットアワード」見たんですけど、
めちゃくちゃ歌ヘタクソな俳優がこの役のオーディション受けに来て
トッド監督(本人)がブチ切れるってコントやってて面白かったです。
作風とは違い、結構オチャメな方ですねぇ
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-21 00:05
kazupon さん♪
ホントにホントに、その企画を聞いただけで、絶対観たいーって思いますよね。
ミュージシャンであれ、画家であれ、作家であれ、実在のアーティストを描いた映画ってたくさん観てますが、その主人公のアーティストがものすごく個性的で非凡な人物であるというのに、それを描いている映画は遊び心の感じられないスタンダードな作りのものが案外多いんですよね。その点で、本作の作り方は言うことなし。アートな仕上がりに大満足ですー。

おおお、「インデペンデントスピリットアワード」、いいですねー。観たーい。
アカデミー賞な作品よりも、こっちの方が断然私好みです!!
PSHがアカデミー賞じゃなくてこっちにいるのがやっぱ自然です。
へぇぇー、トッド・ヘインズ監督がTVでコントやっちゃうとはホント意外ですが、そういう柔軟さがあるからこそ、こういう映画が作れるんでしょうねー。
その姿が見たかったですぅ。
Commented by シャーロット at 2008-05-22 15:56 x
デュランぢゃなくって、ディランを(笑)表現するのに、こんなアイディアがあるなんて・・・もう面白かったです。そうそう、遊び心があちこちに。
風船みたいにふわーんと漂ってるところとか。びーとるず?と戯れるシーンとかお茶目で好きでした。
それに、ギアの出てるパートも私は結構好きだったなあ。意味不明だったけど;ジャーナリスト役のギアもこの後見ましたが、馬にまたがるギアは結構好きかも。
でで、やっぱり私はシャルロットがかえるさんに見えて仕方がなくってー。
英語な彼女もお茶目でござりました。そうそう、フランス映画な風味、サイコー。
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-24 01:31
シャーロットさん♪
ふわーんとしていて遊び心のある柔軟な映画はいいですよねー。
皆が見ごたえがあったと絶賛しているラストコーションやノーカントリーやゼア・ウィルやつぐないなどを、重厚すぎると感じてそんなにハマれない自分って、何か麻痺しているのかなって時々悩むのですが(大袈裟)、でもやっぱり好みの問題なのよねぇって。ミュージッククリップみたいな作品ばかりが好きなのって軽薄すぎかしらと思いつつ、こういう映画が一番楽しいのですー。
そういえば、シャルロットが前回出ていた『恋愛睡眠のすすめ』もこれに近いノリがあったような気もしまする。
21グラムあたりの時は、シャルロットが英語の映画に出る意義をあまり感じなかったんですが、この頃は英語台詞な映画でも持ち味を発揮していてよいなーって思います。って、褒めるのはナル的?
そうそう、ビートルズさんたちの動きがめちゃめちゃ好きでしたわ。
ギア様パートも楽しかったですよねー。西部劇は好きじゃないのに、カウボーイな世界は好きなんですよね。
Commented by とらねこ at 2008-06-13 21:45 x
おお、そうだったんですか、かえるさんは絶賛だったんですね!
これ、私は大好きでした。
ディランと言う言葉を全く出さずに、才気煥発なディランをこれだけ表現できるなんて、嬉しかったです。

シャルロット・ゲンズブールって、いくつになっても、どこかしら女性の摩訶不思議な感じだとか、近寄りがたい距離感だとか、そういう役柄が多いような気がするんですよ~。
確かに、この役では、英語のセリフであるにも関わらず、パリっ子な雰囲気がありました。
『21グラム』じゃ良さが発揮できてませんでしたね。
私は、『パリ、恋人たちの~』で、すっかりジュリー・デルピーを、毒舌としか思えなくなってしまいました・・・
シャルロット・ゲンズブールの、どことなく奥ゆかしい感じが好きです~。
アメリにも通じる、言いたいことが言えない感じの、フランス女性の方が好きです~。
Commented by CaeRu_noix at 2008-06-14 00:09
とらねこさん♪
絶賛印でござる。とても好みな映画でしたよー。
とらねこさんも本作を気に入られたっていうことは、前にレヴューを拝読した際にわかっていたのですけど、抜きんでたお気に入りとは認識していなかったので、本作が5月のTOP1の五つ星映画と知って嬉しくなり、今更ながら、TBを送ってみたのでした。というわけで、今さらのコメントをありがとうー。

そうですね。シャルロットってば、心の奥底に寂しさを抱えているというイメージです。フワフワ感もあるんだけど、憂いもつきまとっているような。
フランス女優といえば、ガツンと存在感を発揮する強め印象のヒトが多い中で、シャルロットの儚いような感じって、とっても魅力的ですよね。
私もそうね、自己主張の強いアメリカ女などを見た時には、言いたいことが言えないアメリちゃんのような女子が好き好きーって思うのですが、ジュリー・デルピーはそういうキャラでもやっぱり私は好きです。(笑) 奥ゆかしさを演じたり、かわいこぶらないところが逆にいいなーって思うのですよ。シャルロットの奥ゆかしい感じも好きなんですけどねー。
フランス女優贔屓なのです。って、ディランの話がなかった・・・
Commented by kossy at 2008-06-14 22:23 x
先ほど「全力!Tunes 」という番組で天才ギタリスト少年を見て驚いたんですけど、そういう天才肌とは違った味のある少年でした。
『黒いオルフェ』で蘇った少年を観たときの感動と同じだったかもしれません。
シャルロット・ゲンズブールは若いころが好きだった(オヤジ趣味かもしんない)けど、大人になっても独特な魅力がありますね~

実はボブ・ディランについてはあまり知りません。
洋楽を聴くときはあまり歌詞を意識してなかったからなぁ・・・
Commented by CaeRu_noix at 2008-06-16 19:53
kossy さん♪
天才ギタリストって、超速弾きができたり、難しいコードをサラリとこなしたりという感じなんでしょうか。
確かに、マーカスくんはそういうのとはまた違いますよね。
技術的なものとは別の風格がありますよね。
おお、『黒いオルフェ』の少年ですかー。
じゃあ、私は、いうなれば、エマニエル坊やの登場の観た時の感動と・・・うーん、ちょっと違うかな。

女優さんも誰も彼も歳はとってしまう中、シャルロットはそれでも少女の面影を失っていなくて、今尚魅力的ですよねー。

そうなんです。普段は、歌詞をじっくり噛みしめることもなく、音楽を聴いているのでした。
映画によって、その歌がどんなにステキなメッセージにあふれているかを知りえることも多いですー
<< 「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジ... PageTop 「ルノワール+ルノワール展」 >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Beige Shade by Sun&Moon