かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『愛おしき隣人』 Du Levande
2008年 05月 16日 |
愛しのトトホ劇場。



ロックスターとの結婚を夢見る少女、世界で一番ツイていないと嘆く夫婦、誰からも愛された事のない男、「誰も私を理解してくれない」と泣き叫び歌いだす女、困窮した家計を静かに嘆く精神科医。街のバーでは、バーテンダーが「ラストオーダー。また、明日があるよ」と呼びかける。

『散歩する惑星』は、シネセゾンでレイトショーだったと思うから、ガーデンシネマで普通にかかっちゃうなんて出世だよね。血迷ったという気もしなくもないけれど、より多くの人が観る機会を得られるのなら何より。

今作も基本的には、『散歩する惑星』と同じようなタイプの作品かな。透明感あるスウェーデン映画のイメージを変えるへんてこコミカルな作風。監督は、それまでしばらくの期間、CMを手がけていたということで、TVCMがいくつも積み重なったような短編集のような構成なのだ。だけど、前作はシュールでブラックな笑い印象深かったのに比べ、今回はユーモアの中に優しいまなざしが感じられるのだよね。登場人物はみな愚かで滑稽で、その情けなさが可笑しくて、次第に愛おしささえ覚えてしまう。この邦題は決して大げさじゃないかも。同じ北欧つながりのカウリスマキ作品を短編集仕立てにしたような感じ。短編集というか、動く四コマ漫画集。あるいは、トホホ度の高い『マグノリア』の交わらないバージョンな群像劇・・みたいな。

そんなわけで、ひたすら小ネタを楽しむという感じかな。特定の主役もいないし、太い軸になるストーリーがあるわけじゃないので、途中ちょっと眠くなったりもしたのだけど、この独特のすっとぼけた世界観、空気感は好みなので、クスクス、ニヤニヤ、楽しくほくそ笑むヒトトキなのであった。白塗り顔のキャラクターはお馴染みだけど、その顔が死期の近さを思わせるところがあったほどにジイサンな主人公にインパクトがあった前作のようにはシュールさは感じなかった今回。心なしか若い世代の主人公、女性が見せ場のエピソードを担っているようで、そのことも口当たりをよくしていたかも。いきなりミュージカルしちゃうところにはワクワク。楽器の登場が多いのも嬉しいし。閉店前BARもこの上なく魅力的。ミッケ、ミッケ、ミッケに恋い焦がれる彼女のひたむきさもカワイイさ。フィックスなカメラづかいがほとんどの中、お部屋が電車のように動くシーンはステキだったな。

大きく心揺さぶられたりはしないんだけど、こういう映画ってなんかいいんだよなーって思って、もう一度彼らに逢いたくなっちゃうのだ。

★★★
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by CaeRu_noix | 2008-05-16 01:33 | CINEMAレヴュー | Trackback(6) | Comments(4)
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Commented by sally at 2008-05-19 22:47 x
かえるさん、こんばんは☆★
絶対に自分好みであろうすうぇでぃっしゅをスルーして新作のこちらを観て来ましたが、ほんと動く4コマ劇場でしたね^^
古い食器を壊して死刑宣告されるエピソードなんて、すごいブラックなのにでもやっぱりとぼけてたり。
交わらずバラバラな光景がかえって新鮮だったりして、なかなか不思議な味わいの作品でしたー。『散歩する惑星』は未見なのですがかえるさん的にはいかがでした?
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-20 21:27
sally さん♪
すうぇでぃっしゅもべらぼうにステキな映画でしたよー。
まぁどっちかといったら、上映回数の多い新作の方を観てしまうのが人の常ですけどね。
テーブルクロス引きのシーンも笑えましたよねー。予想通りの失敗だし。
『散歩する惑星』も確か基本的には同じようなスタイルなんですよ。同じようなシチュエーション、同じようなエピソードがあったような気がします。ただ、記事に書いたように、私の薄れた記憶では、前作の方がシュール寄りだったような・・・。白塗り老人の不気味さが際立っていたというか。(笑)
でも、どちらもぞれぞれによくて、今回はミッケを愛する女子のキャラがやたらかわいげがあったし。あのロイ・アンダーソンだから、私もすかさず新作を観ようと思った次第だしー。
機会ありましたら、散歩もぜひー。
Commented by mchouette at 2008-05-23 00:56
かえるさん、こんばんわ。
なんかいいですよね、この作品。このなんともいえず、ちょっと外れたユーモラスな間合い。なんかツボにはまりますよね。
監督のデビュー作の方は、残念ながら時間が合わず観れなかったんですよ。その代わり「散歩する惑星」目下入手中です。
Commented by CaeRu_noix at 2008-05-24 01:47
シュエットさん♪
なーんか、いいですよねー。
正直、途中ちょっと眠くなったりもしたのですが、今振り返ると、ああ、もう一度観たいよーって思ってしまうのです。
大爆笑はしないのですが、始終クスクスニヤニヤ笑えちゃうんですよね。
おお、さすがです。「散歩する惑星」も堪能してくださいー
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