かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『崖の上のポニョ』
2008年 08月 06日 |
海に帰りたくなるねー。



オープニングに登場したのが、クラゲという時点で、お気に入り印の予感。海の生物も大好きだー。宮崎アニメの浮遊感が好きなんだよねー。こないだフェリーニ作品を観て、フェリーニの脳内を漂いたいって思ったんだけど、宮崎はやおっちの脳内漂流も心地いいかもしれないなぁ。(アピチャッポン・ウィーラセタクンの脳内もしかり) イマジネーションの海を漂うのってなんて気持ちいいんだろう。

『ゲド戦記』は結局観なかった。ハヤオ氏の監督作品じゃなかったというのもあるけど、何しろ"ゲド"で、"戦記"だなんて、惹かれるものがなかったんだもの。それが、今度は"ポニョ"だよー。破裂音パ行の響きってば大好きなんだけど、それプラス"ニョ"ですよ。「ポニョ」っていう言葉を心に思い浮かべるだけでトローリほのぼのしちゃわないかい?ぽにょ~。手書きアニメーションの柔らかな風合いにマッチング。

でもって、ポニョってさかなだったのね。そこから既に感動。TVは見ないので、前宣伝だとかは全然見ていなかったから、こーんなヤツだったとは驚きつつもワクワク。見方によってはちょっと不気味ちゃんなんだけど、非の打ちどころのない完璧な可愛さをもつキャラクターよりも、このへんてこ加減が愛嬌があってカワイイじゃないかー。つい最近訃報を聞いた赤塚不二夫さんのマンガのキャラに通じるものがある気がした。ウナギイヌちっくじゃない?サカナなのに、人間になりたくて、まずは鳥のような足を生やしちゃうのが楽しいな。そもそも半漁人も好きだしね。

そして、地球の生命の起源、海がそこに広がっているという舞台設定からしてとてもいいよね。海は広いな大きいなーっていうことを自分は日常生活ではすっかり忘れているのだもの。まるで本当は、天動説が正しいと思えるような感覚で、人間の社会生活のある街が中央にあって、ずーっと向こうの端の方に山や海があるようなイメージを無意識にもってしまっているような。だから、当たり前のことだけど、自分の住む地球は青ーい海で覆われているんだよなーっていうことを思い出して、とても気持ちよく水の中を泳ぐ感触を味わうのだった。ソウスケたちが海と共に生きているという感じがとてもいいよね。

そこに広がる海が大らかなのと同じように、主人公たちもとても大らかで真っすぐであることにもエラく感動してしまう。母リサのサッパリ気質がすごく気持ちいの。「そんなことをしちゃいけません」なーんて台詞は一つも言わないんだもん。「ソウスケがそうしたいならすればいいよ。」って、サラリと言っちゃうところがステキだなぁ。ポニョみたいな変な子とはつき合っちゃダメなんてことももちろん言わない。この親子の異質なものを排除、拒絶しないところ、目の前におこったことをスーッと受け入れる姿勢にとにかく心打たれちゃった。水溶性でありたい。

保育園の隣に老人ホームがあるのもいいなぁ。核家族化していく社会だけど、こんなふうに小さな子どもたちがおばあちゃん世代と気軽に接する機会があることも理想的。そして、ソウスケは彼女たちのことも"おばあちゃん"なんて呼び方はせずにちゃんと名前で呼んでいるのがステキだよね。日本社会ほど、固有のファーストネームが呼ばれない場所はないんじゃないかって思うもの。みんなオバサンでみんな課長。個人の人間性を尊重するという意味でそういう呼び方にこだわるのはよいことかも。宮崎監督の世代がそういう視点をもっていることに感激。

もちろんポニョのまっすぐな生命力とパワーにもひたすらジーンとしちゃうのだった。「ソウスケに会いたい、人間になりたい」というまっすぐな強い願いで、ちびっこなサカナの子が手足を生やして人間になるなんてスゴイもの。私の生きる現実社会じゃ、自らの欲望を満たすために、あの手この手で他者を欺いたり傷つけたりするというのが日常茶飯事なんだけどね。そういうんじゃなくて、純粋無垢なエネルギーがそこにあって、それが目に見える可愛いアニメーションで表現されることに自然に感銘を受けてしまう感じ。

心躍り、心洗われー。別段、宮崎アニメファンじゃないし、観ていない名作もアレコレあるんだけど、とりあえず、ハウルに続いて、ポニョも満喫。や、これって、子どもたちのために作ったのかぁぁ。スレた大人もOK。
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by CaeRu_noix | 2008-08-06 15:15 | CINEMAレヴュー | Comments(6)
Commented by mimia at 2008-08-08 19:58 x
アニメーションで号泣したのは何年振りかしら。私もすっかり心、お洗濯されました~♪
そうそう、名前で呼ぶのがよかったよね。私も何が嫌って三人称で「おくさん」って言われるのが一番嫌い。そんな時はちゃんと「名前で呼んで」と言うことにしています。何気ないけれど5歳の子を相手に人間として当たり前のことがきちんと描かれてるとこがすごい。
でもそれよりなにより、何だか海行きたくなりました。もちろんきれいな海!
Commented by CaeRu_noix at 2008-08-09 02:25
mimia さん♪
涙が自然に流れ、流れましたよねー。まるで、ポニョたちの海に流れ着くかのように。涙しちゃうアニメというのも結構ありますが、確かに私も、これほど泣けたのは久しぶりかもです。ハリウッド・アニメは、感動するものも多いけれど、2、3滴で打ち止めなケースがほとんどかな。カンフー・パンダは泣かなかったし。ホント、汚れたココロが洗われましたですー。シオシオ。
日本はホント、奥さん、○○ちゃんのお母さん、オバサン、、、なんて呼び方が当たり前になっていますもんね。勧誘電話の「奥さまでいらっしゃいますか?」はむかつきます。(笑) 「女性陣」とかそういうまとめ方もねぇぇ。「マドモアゼル」ならゆるす。w mimiaさんは名前で呼んでもらうようにしているとはさすがです♪ハヤオ世代はそれこそ、おばちゃんってのが当たり前だったはずなのに、そういう観点をもっていらっしゃることにジーンときましたです。
海行きたいですねー。そちらの方はきれいな海がありそうなイメージです。私は海洋生物になりたいー
Commented by kazupon at 2008-08-10 20:59 x
かえるさん
開店休業みたいになっているウチにご来訪ありがとうございます;;
ゲド・・観なくてよかったですよ。たぶん(笑) 宮崎さんもジブリを
しょってたつ人だから、責任感やいろんなものとやはり反骨精神が
出ている映画になってるなーって思いました。今あるアニメ映画が
ごてごてしてきているので、原点に戻ったのはなんか理解できる
気がします。子供がどう思うのかそれが結構知りたいけど、
子供おりませんし、5歳児の子とかTBしてくれないし(笑)
Commented by CaeRu_noix at 2008-08-12 21:09
kazupon さん♪
いえいえ、充実した夏を過ごされているようで何よりですー。
kazupon さんも書かれていましたけど、これは慌ただしい日々の中で、リラックスして見るのにちょうどよく、ちょっとした癒し効果のある映画でしたよねー。
ゲドはやはり褒めている人はめったにいませんよね・・・。
劇場で見られなかったけど、せめてDVDで見ようと思いつつ、全然気が乗らないのでした。
アニメはどうせなら、気楽に楽しめるものの方がいいですよね。
世界に名をとどろかせるジブリ、宮崎ですから、その責任感やプレッシャーは並大抵のものじゃないと思います。だから、気負って、より複雑に多くのテーマを盛り込んだ小難しい作品になってもおかしくはないはずなのに、とってもシンプルで気持のいい作品が今回生まれたから、さすがだなーて思いました。
そうですね。ゴテゴテしたアニメ、多いですよね。
わはは。確かに5歳のブロガーはいなそう。でも、小学生ブロガーっていそうですよね。ドキドキ。
映画の感想を聞きたいからと、知らない子どもに話しかけたら、あらぬ疑いをかけられかねない社会ですから難しいです。??
子どもたちにも好評ならよいのですがー。

Commented by とらねこ at 2008-08-15 00:13 x
かえるさん、盆じゅーる♪
そうなんですよね。私も、子供が楽しめたのかどうなのか、それがちょっと気になっています。

ところで、ポニョが自ら手足を生やすシーン、あそこ良かったですね!
鳥の足が生えちゃうところ、顔が不気味になっちゃうところ、あの辺りに、はやおっち(w)の天才さを感じちゃいました。
やっぱり、魔法の力は、どっか怖いものなんですよね。綺麗事じゃなくて、不気味な姿を見せ付けるところが良かったです。
目が離れちゃってるあの顔、私ゾクっとしましたよ。千と千尋でも怖いシーンありましたよね、こういうのがたまらないんですよ~。
もののけも好きなんですが、かえるさんはダメでしたか?
Commented by CaeRu_noix at 2008-08-15 10:14
とらねこさん♪
盆じゅーる! 
試写会の時の子供たちの反応が芳しくなったって、読みましたが。
今の子はいろんなアニメを見ていますからね。

なるほど。とらねこさんはそういう大人なとらえ方をしているんですね。
私はねぇ、手足を生やしたりなんだりのシーンには不気味さだとか、魔力の副作用みたいな負の要素はちいとも感じなかったんですよ。ポニョの顔はもともと整った可愛さではないけど、一度も不気味だとは思わなくて、奇妙さがまたカワイイぜ!って感じでした。鳥の足が出ちゃうのもただ、おもしれーって思うばかりだったし。ハヤオワールドは確かに、ゾッとするような怖さも描かれているけど、本作に関しては、私はひたすら気軽くおもしろがっちゃいました。とらねこさんのコメントのレス(ノラネコさんあてだったか)をちらりと読んで、物語を解釈していることに驚きました。なるほど、そういうものなのかぁと。私は5歳児的な楽しみ方をしたのみかもー。
もののけは、観た当時はよくわかんなかったんですよ。基本的に、宮崎アニメのシリアスタッチな人物画が好きじゃないのと(コミカル非人間キャラの造形が好き)石田ゆり子の台詞回しがだめだったということもあり。
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