かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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ジャック・ドワイヨン!! + 座談会メモ
2008年 09月 11日 |
今月はジャック・ドワイヨンに注目。



東京日仏学院では、「ジャック・ドワイヨン特集」が開催中。
そして、日仏交流150周年イベント 「フランス映画の秘宝」 でも、ドワイヨン監督の最新作『誰でもかまわない』 が上映され、来日したドワイヨン監督のお話を聞く機会も設けられました。

残念ながら、私はスケジュールが合わず、今回の『誰でもかまわない』は観られないのですが、座談会を拝聴することができました。
映作品を選定したシネマテーク・フランセーズ館長のセルジュ・トゥビアナ氏と、映画評論家の蓮實重彦氏、映画監督のジャック・ドワイヨン氏と青山真治氏が登壇して、興味深い座談会が開催されたのです。

詳しい内容は、南波克行氏のブログ「Incidents(偶景)」に紹介されています。

と (@ぴあ) より↓
「映画が成長すればするほど“映画の記憶”は消え、DVDやテレビなど映画に対するアクセスが増えるほど、映画は隠された芸術になりつつある」と問題提起され、「DVDはあってもフィルム上映にアクセスするのは難しい状況ですが、映画史の中には隠された秘宝が多く存在します。若い観客たちとこの秘宝を見つけ出す歓喜の瞬間を分かち合いたい」という意義のもとに開催されたこのたびの特集上映「フランス映画の秘宝」
「他国でも同様だと思いますが、フランスでも映画はテレビ局の所有物になってしまいました。どのテレビ局も21時に放映できるような娯楽映画を望みます」
自身を“マージナル(周辺・境界線上に存在している)作家”と語るドワイヨン監督にトゥビアナ氏が「エリック・ロメールや、ロベール・ブレッソン、そしてジャック・ドワイヨンらマージナルな作家たちの特徴は、古びない、耐久性のある映画を作っていることです。私たちは彼らの映画を伝えていかなければなりません。」


そうなんですよねぇ。今回のドワイヨン監督の新作は久しぶりに撮られた映画だったのだけど、やはり娯楽には遠いところにある映画作家の作品は作られることが困難になっているのですね。アート系の映画も尊重されているかのように見えるおフランスですら、今やそういう状況だなんて、なんだか悲しいですね。でも、だからこそ、このステージで熱く語ってくれた四方のような存在がとても貴重なものだと実感できるのです。映画に対する真摯な思い、それが時にウィットに富んで楽しく語られて、聞いていてワクワクしてしまうような何とも意義深いお話でした。映画が消費されていく中で、秘宝と呼べる映画がまもられ、伝え続けられることを願ってやみません。

このたびの座談会のキーワードは、"マージナル"。そして、ハイパー・マージナル!

映画祭においての外国の映画人のお話を聞く機会というと、通訳が必要なせいか、今一つ突っ込んだ話が展開されないことが多い気がするのですが、このたびはさすがのハスミンセンセーのクレバーさが輝いていました。それぞれのゲストを尊重しつつ、観客たちを退屈させないユーモア・機知に富んだ素晴らしい進行でしたね。面白かったー。


新作は観られない代わりに、日仏の「ジャック・ドワイヨン特集:女たちに愛されたかった少年」にて鑑賞した作品メモ。

『ラ・ピラート』
1984年
出演:ジェーン・バーキン、マルーシュカ・デートメルス、フィリップ・レオタール、アンドリュ・バーキン
アルマという女を巡り、その同性の愛人キャロル、キャロルが連れてきた謎の少女、アルマの夫、夫の依頼で女たちを追う「ナンバー5」と呼ばれる男が織りなす愛の駆け引き。カンヌ映画祭正式出品。

ドワイヨンの撮ったジェーン・バーキンが見てみたかったのだ。こんな役をやらせていたとはビックリ。きっと、イヴァン・アタルはシャルロットにこういう役をやらせることはできないだろうなぁなんてことを思いつつ、雰囲気は好みながら、その人間模様は謎に包まれたままだった妙なドラマでした。真剣?

『家族生活』
1985年
出演:サミ・フレー、マラ・ゴエ、ジュリエット・ベルト、ジュリエット・ビノシュ
後妻とその連れの娘の間に挟まれ、疲れた男エマニュエルは、先妻との間にもうけた実の娘との週末の面会に出かける。父と娘とが旅を通してお互いの愛を獲得するまでを描くロード・ムービー。娘役は、脚本家のジャン=フランソワ・ゴイエの娘が演じている。

ロードムービーだし、人間関係とそこにある会話、空気感が素晴らしくて、とても気に入りました。サミ・フレーがとっても魅力的。娘ちゃん役は脚本家の娘だそうですが、素晴らしきナチュラルさ。父ったら、セクシーで、義理娘ビノシュが暴れちゃうのも納得。

『恋する女』
1987年
出演:マリアンヌ・ドゥニクール、オレル・ドアザン、エヴァ・イオネスコ
9人のパリジャンヌたちがその中の一人の誕生日を祝うために季節はずれの避暑地ノルマンディーに向かう。彼女たちは通りがかりのアメリカ人青年を誘惑する恋愛ゲームに興じるが、最後には一人が本当に恋をしてしまう。

女子たちの恋愛談議から心つかまれ。かなり笑えちゃうシーンもたくさんで、お茶目さんな作風を見られたという感じ。80年代ファッションは(常にオサレなイメージだった)おフランスでも、微妙かもという発見もありつつ。恋の成就にも友情にもキューンと楽しく。馬作戦おもしろすぎ。


ジャックのことを私は何も知らなかった。ドゥミ、リヴェットに続いて、ドワイヨンを再発見することができたのは収穫でした。何しろ、監督作品をほとんど観たことがなくて、ドワイヨンといえば、『小さな赤いビー玉』と『ポネット』でしたもの。思いっきり間違ってましたね。

ドワイヨンはそういえば、諏訪監督の『不完全なふたり』に出演していて、その時はそのつながりがわからなかったんだけど、今思えば、諏訪作品で描かれている男と女のドラマというのは、ドワイヨン映画のソレにとても似ているじゃないですか。青山監督のみならず、諏訪監督もドワイヨンに影響を受けて、ああいう作品を作ってきたのかもしれないなぁということに今更気づくわけでした。

ドワイヨン映画の男と女の会話、ぶつかり合う感情は、繊細でスリリング。とてもリアルで、時に奇妙。なんてことはないシチュエーションなのに、とても惹きつけられるものがあります。フランス映画らしさにあふれているという感じ。例えば、『家族生活』の主人公は父親と小さな娘だっていうのに、そこには男と女の駆け引きがあったりするから、ものすごく興味深かったです。素晴らしい演出。

ここのところ、シャルロット・ゲンズブールが英語圏の映画によく出ていて、心惹かれることが多く、興味は広がって、両親の出演作の『ガラスの墓標』などを観たのでした。そうやって、ジェーン・バーキンにも興味をもったりしたので、ドワイヨンにもちょうど関心があったばかりなのでした。彼の作品を観て、あのジェーン・バーキンがセルジュの後に選んだ男なんだということに納得してしまえるような男女の物語の名手なのです。インナーのボーダーがおしゃれなパリジャン。
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by CaeRu_noix | 2008-09-11 07:41 | CINEMAレヴュー | Trackback | Comments(2)
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Commented by たかこ at 2008-09-17 00:06 x
まだ読んじゃまずいかなと思ってたのですが、わたしが観れなかった日程の始めの方の作品のことが書かれていて、ありがたかったです。メルシー、メルシー♪
自分にはジェーン&セルジュから知ったドワイヨン。でも『ポネット』は観に行かなかったのでした。あとプポーの『15才の少女』の監督ということだけで、結局未見だったんです。
なので、今回の特集は嬉しいです!
座談会、おもしろかったようですネ。ドワイヨンおしゃれでカッコイイぱりじゃ~ん
Commented by CaeRu_noix at 2008-09-17 08:07
たかこさん♪
いや、そんなに大したことは書いてないので、ザラッと読んでくださいまし。
おお、たかこさんは若プポーものばかりでなく、他にもあれこれご覧になったのねぇー。素晴らしい。
そう、ドワイヨン作品の男と女のらぶげーむっぷりはたかこさん好みのエッセンスがある気がしていたのですよ。
うーん、他のも観たかったー。でも、あと、「少年たち」に行くかも。
そうそう、ジェーン&セルジュから、必然的にジャックのことも気になりますよね。といっても、私はその当時は、そういう人間関係を知らなかったし、興味ももっていなかったけど。今更、気になるジャックとジェーンとセルジュとシャルロット・・・。
早々にプポーを使っていたというのもさすがでござる。
ホント、素晴らしい特集です。わたし的には日程がもうちっと・・・。日本語字幕をもうちっと・・・、と思いつつ。
フランス映画の恋愛ものは、朝日ホールなどよりも、日仏えすぱすいまーじゅがしっくりハマれるなーって。
座談会も楽しかったですよー。その世代の日本人男性でボーダーが似合っちゃう人っていないんじゃないかと思うんですが、さすがのおされぱりじゃーん!
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