かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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「LATIN BEAT FILM FESTIVAL’08」  その1
2008年 09月 12日 |
第5回 スペイン・ラテンアメリカ映画祭が開幕!



去年は、ディエゴ・ルナっちが来日したので、当然のごとく駆けつけましたが、今年はガエルくんが来てくれるわけじゃあありませぬ。
でも、やっぱり、ガエルの初監督作品は観ておかなくちゃよねってことで。
何故かもったいぶって、ガエル作品は一回こっきりの上映。
チケットの売れ行きも素早い感じでした。他は全然なのに。
トロント映画祭と日程かぶってなかったら、ガエルは来日してくれたんだろうか?
うーん、どうかなぁ。
トロントから駆け付けたプロデューサーがガエルくんのPC動画なお便りを届けてくれました。
でも、そんなの後ろの方の席からは見えん・・。
まぁ、元気そうです。でも、パパになるのねぇー。

それから、カルロス・サウラ監督ですよ。
何しろ、踊るシネマ好きの私ですから、サウラ作品にはお世話になりましたもの。
フラメンコにタンゴ。そして、今回は「ファド」な映画。
サウラ監督も来日されるというから、せっかくなので観るべしでしょう。
映画上映前の挨拶は聞けなかったのだけど、ロビーでの映画祭ゲスト全員の挨拶の時にお姿を拝見することができました。
情熱的・官能的なダンス映画の演出をするようには見えない知的な感じの老紳士でした。
32年生まれということは76歳ですよ。ステキですー。

というわけで、初日は2本鑑賞。


・『ファド』 FADOS

スペイン・ポルトガル /ドキュメンタリー Site
監督 : カルロス・サウラ
出演 : カエターノ・ベローゾ、カマネ、リラ・ダウンズ

ポルトガル発祥のファド・ミュージックを描くドキュメンタリー。ファドが生まれた文化的、歴史的背景や、ポルトガル領だったアフリカ、ブラジルの黒人たちが与えた影響をストイックに探究する。ファドの女王、アマリア・ロドリゲスを偲び、マリサ、カルロス・ド・カルモ、カマネなど名だたるファドミュージシャンが素晴らしい歌声を披露するだけでなく、カエタノ・ヴェローゾやリラ・ダウンズなど現代音楽のビッグ・アーティストも多数参加している。各曲に合わせた多彩な踊りとのコラボレーションも見逃せない魅力の一つ。



ポルトガルに行って、リスボンのお店でファドを聴いた思い出があるので興味深く。これは、『イベリア 魂のフラメンコ』 と同じような構成、方向性の作品。それぞれの幕ごとに多様なタイプの歌、演奏、ダンス等が披露されるのです。かなり自由にアレンジされていて、それはもはやファドじゃないだろうというものも多数。まさかサウラ作品にラップまで登場するとはね。でも、その多彩な表現が楽しかった。MTVを見ているような気分にもなったり。ファドは本来ダンスはついていないものだと思うのだけど、サウラ作品らしく多様なダンスも同時に見られて魅了されました。斬新アレンジものも楽しいし、そうかと思えば、スタジオのステージが続く中、外のお店のようなところで歌われたストレートなファドの競演は、迫力満点でそれはもう感動的でした。弦楽器の音もすごくいいの。バルト9でよかった。音楽映画好きとしては、満足なものでした。ルシネマで『イベリア』を観た時よりも満喫。魂に響くサウダージ。



・『デフィシット』 DEFICIT

 メキシコ    Site
監督 : ガエル・ガルシア・ベルナル
出演 : ガエル・ガルシア・ベルナル、カミラ・ソディ、ルス・シプリオタ

ある夏の日、政治家の息子クリストバルはメキシコシティ郊外の別荘でパーティーを開いた。集まった金持ちの子供たちを迎え入れる、別荘の管理人一家と庭師のアダム。酒とドラッグの騒ぎの果て、予想外のハプニングが起こるまで、豪華な別荘を舞台に格差社会メキシコの闇が次々と浮かび上がる。事件は起こり、人々は去っていく。金も権力もあり余るところのDEFICIT(欠如)とは何か?一人残されたクリストバルは、真の問題に向き合うことができるだろうか。



このガエルくんの髪形はちょっとヤダなぁとか、初監督作品に主演というのはなぁとか、自ら演出したテンションの高い金持ちのボンボンのキャラっていうのはなぁとか、疲れた夜にその音楽はうるさ過ぎるよなぁとか、初めはスッと入り込めなかったのだけど、次第にその青春のバカ騒ぎっぷりに慣れてきました。あまり評判はよくなかったというのをどこかで目にしたのですが、初監督作品としては、なかなかのものじゃないかなと。多くの才能ある監督たちと組んで仕事をしてきているだけのことはあるんじゃないかな。青春映画好きの私としては、好みのテイストでした。ハイテンション青春もののようで、メキシコ社会の格差が大きなテーマだったりするなんて、やはりガエルくんなんだなぁという感じで。幼馴染の庭師の息子も、『つぐない』みたいに異性だったらよかったのだけど、同性で人種の違う使用人の男が、ちょっといい気になろうもんなら・・・。その差別感情の見え方など、ずいぶんと切実でビターで、ノーテンキな部分との落差に胸をしめつけられますね。一見わかりやすいテーマじゃなくて、あぶり出されていくという感じの描写の仕方がお見事。ガエルくんの出演作の代表作にはもちろん敵いませんが、これはこれで支持したいかな。ところで、劇中のガエルが惹かれる女の子がアルゼンチン人のドロレスという名前なのは偶然?にしても、ラテンの若者はこんなにみんなハイなのか?


と、初日の2作を堪能。その2に続くー。
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by CaeRu_noix | 2008-09-12 23:59 | CINEMAレヴュー | Trackback(1) | Comments(6)
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Tracked from I am invinci.. at 2009-04-07 12:41
タイトル : 太陽のかけら
クリストバル(ガエル・ガルシア・ベルナル)は別荘に友人たちを招き、楽しいひと時を過ごすはずだった。... more
Commented by シャーロット at 2008-09-18 21:42 x
こんばんは。
結局私はこの映画祭は今年は行けませんでしたよ。
もっと上手く調整できればよかったのですが…;
それにしても「ファド」、拝見したら・・・とっても良さ気ですねぇ・・・♪
本気で自分の選択を悔やんだり;・・・一般公開はないですかね?そううまくいかないわよね;
その2を待っておりまーす。
Commented by CaeRu_noix at 2008-09-20 01:19
シャーロット さん♪
うう、残念でした。風呂アぷれいなどもこの時期に重なったのですねぇぇ。
スケジューリングは本当に難しいですよね。
「フランス映画の秘宝」のチケを買った後に、ラテンビートやらロメール特集のことやらが明らかになった時はしょっくでしたわ・・・。
そのたびに無謀な見方をしている私・・・。
でも、今回は朝日ホールとバルト9の連続鑑賞を同時期にやってみて、つくづく会場設備も重要な味わいポイントだなーって痛感しました。
『ファド』はきっと、シャーロットさんには気に入ってもらえると思いますー。ステキな舞踊シーンがありましたのよ。『サロメ』『イベリア』を上映したルシネマで、ひょっとしたら公開される可能性はなくはないですよね。
フランス映画も好きだけど、ラテンな映画もはずせないーって感じで充実のラインナップでしたー。
Commented by 哀生龍 at 2009-04-07 12:47 x
「太陽のかけら」を見てきました。
>ハイテンション青春もののようで、メキシコ社会の格差が大きなテーマだったりするなんて
“もう少し、メキシコの事を知ってから見れば良かったかな”と思ってしまいました。
“格差”がテーマだと分かっても、その大きさや彼ら若者にどんな影響を及ぼしているのかが、あまり重く感じられなかったので・・・
それからメキシコ人にとってのアルゼンチン人って、どんなイメージなのかも知りたいと思ってしまいました。
青春物としては分かりやすくて、悪くは無いんじゃないかと思います。

>このガエルくんの髪形はちょっとヤダなぁ
哀生龍も、かなりあの髪型には抵抗感が・・・(苦笑)
Commented by CaeRu_noix at 2009-04-08 01:09
哀生龍 さん♪
天国の口、終わりの楽園のことを思い出したりしました。
あれも確か、青春模様の背景にメキシコ社会のことを描いていたんですよね。

哀生龍さんのコメとレビューを拝見し、"軽く"重く"のとらえ方が私とは違う気かもって思いました。
それは、常日頃の重大・深刻テーマというわけではなく、ふとしたはずみであぶり出され、キッカケがなかったら、表面化することもなかったかもしれないという感じなのがよかったかなと。
重みでいったら、十分に重いと思うのだけど、目をそらし続けることもできたかもしれず・・。
バカ騒ぎする若者たちの生態が軽薄に見えるからといって、抱えているものが重くないとは私は思わなくて、常に葛藤があって、そのへんの青春の痛み描写はなかなかのものだったと思えましたのです。
重く感じたかは忘れたけど、ヒリヒリ感と居心地の悪さは十分でしたー
観ていて気持ちのいい映画っていうんじゃなかったとは思いますが。
ガエルくんの髪形もかなりブーだったしねー

関係ないんですが、ドイツ映画祭で私が観られなかったティル監督作が今度EUフィルムデーズで上映されるので嬉しく♪
ティルの題材と、ガエルのな題材、どっちがお好き?
Commented by 哀生龍 at 2009-04-08 06:03 x
>"軽く"重く"
多分、格差問題が友人たちにどう影響しているのかを哀生龍が感じることが出来なかったために、クリスと彼の家の使用人だけの“個人的な問題”のようにも見えてしまったから、どれほど社会全体に対して重大な問題・大きな影響を与えている問題なのかピンと来なかったんだと思ってます。
演出の受け止め方が違ったのでしょうか・・・

>ティルの題材と、ガエルのな題材、どっちがお好き?
「裸足の女」「耳のないウサギ」は、どちらも題材的には社会的背景を知らなくても大丈夫な分“映画として楽しみやすい”から好きです。
が、両方とも作りはベタなラブコメで、そのタイプは哀生龍が苦手としているもの。(大体想像できますよね? 笑)
と言うことで、題材はティルですが、映画として好きなのはガエル君の方でした。
ティルの初監督作品「Der Eisbär」(日本未公開)は、かなり好みの雰囲気だったんですけどね・・・
Commented by CaeRu_noix at 2009-04-09 00:09
哀生龍 さん♪
わたし的には、クリスと使用人だけの個人的な問題でも大差ない感じです。
そこにある差別意識がガンなんですもの。
彼だけなら問題なく、同じようなことがメキシコ家庭の5割に起っているなら社会問題として重大だ、ということでなくてね。
(でも、あえてそういうことを映画のテーマに盛り込むということは、限定的に特別な問題ではなくて、ある程度は社会全体に見え隠れしていることじゃないかなとも思えます)
という見方を私はしているので、哀生龍さんのコメントにピンとこないのですが、まぁとにかく、哀生龍さんにはそういったテーマがガツンと響いてはこなかったという感じだったのでしょうね。

>>軽く重くのとらえ方
これはこの映画限定の話じゃなく、言葉の概念の一般論です。
すみません。
重さ・軽さというのは絶対的なものではなく、相対的なものなのか?
人が感じる物事の重さって重力的なのか、質量的なものなのか・・
なんてことを考えちゃいました。物理はわからないクセにー


ティルも監督のセンスはあると思うけど、主演しといてラブストーリーにするっていうのはお前なぁ・・ですよねぇ。w
ガエルくんのちゃれんじの方がくーるだなって思う私。
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