かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『イントゥ・ザ・ワイルド』
2008年 09月 26日 |
旅と人生いう永遠のテーマがショーン・ペンによって描き出されるなんて最高。

1990年夏、アトランタの大学を卒業した22歳のクリスは、1人旅に出る。



男なら、ショーン・ペンのように生きろって感じ。俳優ショーン・ペンも素晴らしいと思うけれど、それ以上に映画監督ショーン・ペンのセンスには惚れているの。本当はあまり気が進まない俳優業で資金を貯めて、やがてこうやって撮りたい映画を撮ってくれるのが待ち遠しかったものだよね。待望の新作は、アラスカの荒野で死体となって発見された実在した若者の物語。孤独に荒野を目指して、ワイルドに生きてワイルドに死んでいったまっすぐな青年の姿をフィルムに刻みつけるなんて、ショーンらしいよなぁって思う。定番ジャンルものの男映画のように、性別での線引きなんてしていないんだけど、女には踏み込めない領域が描かれていると感じられるから、それがまたたまらない魅力になっているんだよね。

男の子はすごいよ。男なら、クリスのように生きてみろって感じ。クリスの勇敢なる行動力は、とてつもなくカッコいいなって思う。知的な読書家でありながら、冒険も実践できるところがクール。結局のところは、クリスはとても愚かな青二才だったということになるのかもしれない。その思想と行動は正しいとは言いきれないし、家族にさんざん心配をかけた挙句、大切な命まで落としてしまうなんて、あまりにも無謀な大バカ者だよなとも思う。でも、そこに自らの教訓を見出す時をのぞけば、これっぽっちも彼を否定したいなんて思わないな。誰しもが楽な方へ楽な方へと向かいがちな享楽の文明社会に身を置く自分から見たら、彼の志はとても崇高だと思えるんだよ。

それでいてやはり、クリス以上に頭でっかちな大人の自分は、若さゆえの無謀行動に歯がゆさを感じたりもする。その思いに共感しながらも、君は少し間違っているよって囁きかけたい気持ちにもなるのだ。そんなふうに、肯定も否定もしきれずに葛藤が押し寄せてくるからこそ、本作は味わい深い映画となっているのだよね。非の打ちどころのない正しき人間ではなくて、誰しもが身に覚えのあるような矛盾に満ちた青臭い若者を真摯に描き出しているからゆえの素晴らしきフィルムなのだ。孤独に突っ走るクリスの姿を希望と不安いっぱいに、夢中で見守り続けながら、自分もしばし心の旅をするのだった。

エミール・ハーシュくんを主役に抜擢したことからして、さすがだなって思っていたけれど、本作での彼の演技は最高だね。なんていい表情をするんだろうって思った。どんなに身勝手な向こう見ずクンでもそんな柔らかな笑みを向けられたら、ただ応援せずにはいられなくなっちゃうじゃない。『スピード・レーサー』のあの乏しい表情は何だったんだろう。とにかく、ショーンという男とこれからの世代を担うエミールくんという男がタッグを組んで、こういう作品をじっくりと作り上げたということもとても嬉しい。『ミルク』の共演も楽しみだな。

それから、ショーンの映画の撮影をエリック・ゴーティエが務めたということも興味深く嬉しいものだった。アルゼンチンから始まる南アメリカ大陸縦断青春の旅を撮ったカメラマンが今度は北米の果てアラスカの大地を映し出すことになったなんて面白いね。どこの土地であろうとも、人間を撮っても、壮大な大自然を撮ってもゴーティエのカメラはエクセレント。大自然の中を旅するシネマという本来大好きなものの魅力を私は大いに堪能。アラスカには一度オーロラを観に行ったのだけど、当然その時は孤独に荒野に放り出される機会なんてなかったから。クリスの旅を通じて、大いなる自然に畏怖の念を覚えつつ、その絶景の美しさに魅せられるのだった。ムースとグリズリーの登場にワクワク。仕留めちゃうなんてスゴイ。そして、星野道夫氏のことを思い出しながら・・・。

最初からわかっていることだったけれど、クリスの末路はやっぱり悲しいものだった。イメージしていた以上に、人との触れ合いの場面が多く登場するドラマだったから、あんなにも人との繋がりのステキさを実感する機会が何度もあったのに何故、という無念さが沸き起こってしまうのだった。でも、彼の終着点は変わらない以上、彼の出会いの物語はやっぱり胸をうつものがあって、厳寒のアラスカの雪をとかすほどにあたたかだった。自立して1人で生きられる男はカッコいいけれど、それだけが全てというのは違うんだよね。人と思いやり合って、感動や幸福を分かち合えることに人生の素晴らしさはあるのだよね。無念さの中で真理はキラリと輝く。最期のクリスと共に僕らも叡智に辿り着くの。


「痛みを感じることは嫌だが、何も感じないよりは痛みの方を選ぶ。」
eiga.comのショーン・ペンのインタビュー記事のこの一文に泣けたし。
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by CaeRu_noix | 2008-09-26 01:19 | CINEMAレヴュー | Trackback(21) | Comments(16)
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タイトル : イントゥ・ザ・ワイルド
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タイトル : イントゥ・ザ・ワイルド (2007)
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Commented by mi10kuma at 2008-09-26 10:13
シリキです。まずは、かえるさんがこの映画に共鳴してくれてとても嬉しいです。この作品、私には今年のベスト1ですし、これからも思い出すことがあると思います。

この作品がどうしてアカデミーの監督賞とか主演賞にノミネートされなかったのか、観終わった後ずっと考えてましたが、「十代の頃観ていれば感動したかも。無謀な馬鹿にしかみえない」といったシラケた感想をいくつかネットでみて、なんとなくわかりました。いまさら文明社会を否定してどうするのか、確かにそうかもしれない。でも、自分にはただ享受するだけの生ではじっとしていられなかった、じたばたあがきたかった。そのクリスの潔さを評価するか否か、この映画は観るひとを選ぶのかもしれません。
そしてショーン・ペンが全力で訴えたかった事は今の消費社会を助長するばかりのハリボテなハリウッド映画を痛烈に批判することとダイレクトにつながって、やはり米国アカデミー賞を穫る事はなかったのかなあと。カンヌだったら評価されたのでは。
Commented by jester at 2008-09-27 13:19 x
かえるさん、こんにちは~

いや~~よかったです!
しかしレビューを必死でかいたのに、アップする前に珈琲いれて見直そうとしたら、全部ぶっ飛んで真っ白。
頭も真っ白になり、書く気が失せました。

やっと気を取り直して、書いたところです。

>エミール・ハーシュくんを主役に抜擢したことからして、さすがだなって思っていたけれど、本作での彼の演技は最高だね。

ほんとに、良かったですね。
最後の激痩せは、CGを使っているとしても、心配になっちゃうほどでした。
ショーンにビシバシやられて走ったんだろうなあ・・・
Commented by とらねこ at 2008-09-27 15:11 x
クリスの無謀さ、愚かさ、全て含めて受け入れる姿勢がこの映画にあるんですよねー。
そこが好きです、ショーン・ペン監督。

途中、警察につかまってしまったヒッピーの人がクリスにいう一言、これが自分にはポイントでした。
「頭でばかり考えるな、悩みすぎる、だけど仕方ないか!それが若さだ、自分の思うようにすすめ」みたいなことをバーで言ってましたね。
これが監督のスタンスかなあと、自分は思いましたです。
いやもう、忘れられない映画になりました。
しばらく映画なんか見なくてもいいや!ぐらいに気に入ってしまいました。
Commented by acine at 2008-09-27 20:28
かえるさん、TBありがとうございました。
かえるさん同様、頭でっかちな自分を感じつつも、ホントね、若さっていいなぁ。
男だったら(もしくはもっと若かったら)、私もこんな旅が出来たら、
こんな風に命を落としても本望だろうなぁ・・・と思いました。
最後は無念だったろうけど、クリス本人もきっとそう思ったんではないかな?
と思いました。
だけど、とてもいい人間関係が作れる人だったのに、自ら世捨て人に
なってしまったのは、勿体ないことだなぁ・・・とも思いました。
彼だったら、きっと文明社会でも充分やってけそうですもん。
だけど、あの草を本で調べたり・・・という部分はちょっと準備不足と
いうか、無鉄砲なわりに、やってることがやっぱり現代人だなぁ・・・とも。
Commented by CaeRu_noix at 2008-09-27 22:26
シリキさん♪
ベストに躍り出ましたか!
本作がシリキさんにとって格別な作品であったことが私も嬉しいですー。
巷では高評価でしたけど、アカデミー賞にはノミネートされなかったんですよね。ま、個人的には、アカデミー賞な作品群って、本当にそれがアメリカ映画の頂点にたつものなの?と首を傾げることも多いので、元々そんなに信頼を寄せてもいないんですけどね。しかし、この完成度は、この年のアメリカ映画の中で屈指のものだと思いまーす。
クリスの思い・行動に共感できない、理解できないという感想も少なくはないでしょうね。(自己責任論のことなどを思い出したり。)大人視点では、彼が正しくないというのは尤もなんだけど、無謀に無垢だからからこそ、心を動かされちゃうんですよね。自分たちがぬるま湯生活にどっぷりだからこそ、彼の行動力は崇高だと思えるのです。良識を振りかざして、実在した若者の生き様を否定するより、その一途さに輝きを見出したいなぁと。
なるほど。ハリウッドは消費社会をあおっているんですもんね。根本的には、ショーンとは相いれないということなのかもしれませんね。
そうだ、音楽も素晴らしくよかったですね!
Commented by CaeRu_noix at 2008-09-28 08:52
jester さん♪
お久しぶりですー。
久しぶりに語らえる作品がタイミングよく本作というのが嬉しいです。
せっかく書いたものが消えてしまったとは大変でしたねぇぇ。しかし、2度も書かれたなんて素晴らしい!
ショーンもさぞ、喜んでくれることでしょう。
いやいやいや、よかったですよねぇ。
エミール・ハーシュくんは『ロード・オブ・ザ・ロックタウン』の時からその実力を発揮していたけれど、本作ではほとんど出ずっぱりでこんなにも見事な演技を見せてくれたから感嘆しちゃいました。
彼自身が本当にワイルドに旅をしているように見えましたもの。
激ヤセにもビックリしましたが、そこまでやってくれてブラボー。
過酷な撮影だったに違いないけど、ショーンのもとでスタッフ・キャストが一丸となってこの作品を作ったということが嬉しいですよね。
Commented by CaeRu_noix at 2008-09-28 08:56
とらねこ さん♪
そうなんですよねー。別にクリスのやっていることを讃えたり、全肯定しているわけじゃなく、ちゃんとその愚かさを認識して、隠さずに映し出しているんですよね。それでいて、そのことを批判的に描くというのでもなく、ありのまま全てを大らかに受け止めている。同情的でもないけれど、視線は穏やかで大らか。そういう姿勢が本当にいいんですよね。ショーン・ペン監督、カッコよすぎー。

クリスが道中で出会った大人たちの言葉もステキでしたよね。はいはい、そんな台詞も心に染みました。自分が若かった時の思いを忘れてしまって、説教せずにはいられなくなる大人というのもいるけれど、若者の可能性を否定せずに背中を押してくれる大人に出会えたのは素晴らしいことです。彼の言葉はそうか、そのままショーンのスタンスなのかもしれませんね。冒険心、やんちゃマインドを忘れないショーン。頭でっかちになるなー。
とらねこさんもそんなにお気に入りとは嬉しいっす。
Commented by CaeRu_noix at 2008-09-28 08:58
acine さん♪
若さって、痛くて歯がゆいけど、もはや失ってしまったものだからこそ(笑)、キラキラと輝くんですよね。
私の最寄り駅には学生さんが多いんですけど、居酒屋の前で集団でギャーギャー騒いでいる奴らを常々目にしてウンザリしているので、クリスのようなたった一人で冒険に出かけるストイックな若者にはやけに感動しちゃうのでした。男の子はこうあってほしいー。
でも、そう、こういう経験をすることは大事だけど、あんなに賢いいい子なのに、社会や人間関係を100%否定するような方向で行ってしまったのが残念でしたね。気づいた時は既に遅しなんて・・・。妥協しない彼の潔さはステキではあるんだけど、やはり命を失うのは無念です。欲望が肥大化するばかりの文明社会にはそりゃあうんざりするけれど、この世界の素敵さをももっと感じてほしかった。
どんなに文明社会が嫌でも現代人には狩猟採集生活は難しいですよね。ワイルドに生きることの過酷さをリアルに伝えてくれたこともよかったです。
Commented by ぺろんぱ at 2008-09-28 12:20 x
こんにちは。
関西では昨日初日で、楽しみにしていた作品です。
しかしこれほどまでにずっしりと来る作品だとは思っていなかった私です。終演後も暫く席を立ちたくなたっかです。

凄く残念な最期を迎えたクリスでしたが、彼なりの真理に到達できた感があり、最後に見た青い空と白い雲の美しさが切なくも救いとなりました。
こんな映画を撮れるショーン・ペンって凄い人なんだと改めて感じた私です。
Commented by CaeRu_noix at 2008-09-29 00:41
ぺろんぱ さん♪
私もとーっても楽しみにしていたんですよ。
何しろ、南部の乾いた大地が舞台の大好きなコーエン監督のアカデミー賞作品がそれほどツボにハマらず、同じく荒涼とした大地が舞台の大好きなPTA監督のアカデミー賞ノミネート作品もココロモチ大好き系とはズレていて、私の期待は寒々しい大地が舞台の大好きなショーン・ペン監督作品に向かうのみだったのでした。そして、裏切られずによかったです。どうせ無謀行動なら、殺人マシーンより石油王よりまっすぐな若者の物語が好きだーってな感じで。

本当に残念な最期を迎えて無念ではありますが、その末路は初めからわかっていたことでもあったし、彼は旅の途中で人との温かな触れ合いをたくさん経験し、気づきも得たことが救いでした。風景の美しさと相まって、悲しみの中に清々しさが感じられたような。
歳を重ねてより一層、ショーンは素晴らしいです!
彼がいるなら、アメリカという国を信じられる気がします。




jesterさんへのレスの中で
ロード・オブ・ザ・ロックタウンなんて、わけのわかんない題名をつくってましたが、もちろん、ロード・オブ・ドッグタウンの間違いっす。
Commented by minori24ctu at 2008-09-29 16:01
かえるさん。返事が遅くなっちゃいました。
ここ一年の中で一番色々考えたのがこの映画だったと思います。
若さゆえ、と言ったらなんですけど、残念な気持ちもかなりあるし、部分的には尊敬したいところもあるし。ショーン・ペンはさすがですね。

最近コツコツとまた見始めた映画、かえるさんの気に入りそうな映画を沢山みましたよ。特にベイルートを舞台にした『caramel』という映画はかえるさん、チェックしておいてくださいね~。日本でも配給が決まったそうなので感想楽しみにしていますね。
Commented by CaeRu_noix at 2008-09-30 07:21
minori さん♪
いえいえー。
なるほど、いろいろ考えさせられましたかぁ。
ただ面白かったーで終わる映画よりも、そういった思考に導いてくれる映画は格段に味わい深いですよねぇ。
クリスの愚かさも認めざるを得ないのだけど、私はこういう勇敢な青年を尊敬はしちゃうなぁ。部外者が安全な場所から批判するなって思っちゃう。
でも、白黒つけられないからこそ、この作品は素晴らしいんですよねぇ。白黒はっきりしたアメリカ映画も多い中、ショーンはさすがっす。

ふっふっふ。『caramel』はチェックしてますよー。このへんの国のが日本で公開されるのは珍しいから、すぐさま目が行きました。それほどに楽しめる作品ってことなのね。来月の東京国際映画祭でも上映されるよう。先取り映画もじゃんじゃん見てくださーい。
Commented by 真紅 at 2008-10-02 19:37 x
かえるさん、こんにちは。TBさせていただきました。
この映画、すっごくよかったですね。。心の旅、まさしく。
『ミルク』は前々からチェックしていたのですが、エミール・ハーシュくん出てるのですか!
知りませんでした。。日本でも絶対公開していただきたいですね。
アラスカから、ロシアって見えました?(笑) それは冗談ですけど、オーロラはご覧になれたのでしょうか。。いいな~。
私も生まれ変わったら男になって、バックパック一つで世界を放浪したいなって思っているんです。
ホント、いい映画でした。
ではでは、また来ます!
Commented by CaeRu_noix at 2008-10-02 23:41
真紅さん♪
人生は旅。旅は映画。映画は人生。クリスの旅はそこで終わってしまったけれど、私たちはまだまだ旅路を行くのです。更なる叡智を求めてー。
『ミルク』にはエミールくんも出てますよ。ジェームズ・フランコにディエゴ・ルナと、私好みなキャストです。さすが、ガスだなって。w こんだけ豪華キャストならば、公開はされるでしょうー。ガス作品は結構ちゃんと配給されてますしね。
アラスカは広くて、私が行ったのはアンカレジあたり(中南アラスカ:南東ブロック)なので、ロシアのロの字も見えませんでしたが、オーロラはちゃーんと見ることができましたよー。ムース(ヘラジカ)には会えなかったけど、犬ぞりには乗りましたー。星もきれいでしたよー。大自然はいいっす♪ 
男の子は一人旅ができなくちゃダメですよね。私は先立つものと帰国後の生活の保障があるなら、女な現世でも放浪の旅に出たいくらいなんですがー。(笑) でも、キャンプ生活はぜったい無理だなぁ。ひっぴーにもなれん。
味わい深ーいイイ映画でしたねー。
Commented by シャーロット at 2008-10-07 23:35 x
>人と思いやり合って、感動や幸福を分かち合えることに人生の素晴らしさはあるのだよね。
うん、ホントそうですね。
そういう事に私自身も気がついたのは結構最近のことだったりしますが;
かえるさんはアラスカにも行っていたのですねー。オーロラも見たんですかっ。そりゃ感動ものっすねえ。そういえば大自然を前にしてエミール君が涙目になっていたのにもらい泣きしちゃった。野生の馬?たちと戯れる姿もとっても印象的でしたよ。撮影は素晴らしかったし音楽もとっても魅力的だったし・・・ご本人の生き様もすごいなあと思いましたが、本作のスタッフの感性にもびりびり痺れました。
Commented by CaeRu_noix at 2008-10-10 07:14
シャーロットさん♪
分かち合ってこそー。人は一人で生きているのではなし。自然とも共生しているのだし。むやみに人と共感しあわないと不安だっていう心理もアレなんですが、自分一人っていうのもやっぱり違うんですよね。一人で行くクリスには共感もできるし、それは違うとも言わずにはいられない、そこんところが絶妙で、テーマとしても素晴らしかったですね。クリスより長生きした私たちは、まだまだこれから多くのことに気づいていくのでしょうー。

大自然をたずねる旅は大好きなのですよ。といっても、送迎つきだったりとか、クリスに対しては恥ずかしい文明人の楽ちん旅行でしたがー。とりあえずオーロラは必見と思っていたので、見られてよかったです。こういうのばっかしは、TVなんかの映像で見るのと、自分の肉眼で見上げた空に360度いっぱいに広がるそれを見るのとは大違い。

この映画のスタッフ、キャストたちはクリスと同じように旅をしたんですよね。だからこそ、こんなに迫力のある素晴らしい映画に仕上がっていたんだなぁと。
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