かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『東南角部屋二階の女』
2008年 10月 07日 |
非商業的な映画には幸せがある。

取り壊し寸前のアパートに住むことになった3人。



西島×加瀬共演っていうのは嬉しいじゃないですかっ。サラーリ。

カセといえば、加瀬亮に決まっているんだけど、そういえば、昔は加勢大周だったんだということを思い出した大麻で逮捕のニュース。関係なし。あひるボートを漕ぐ加瀬っちも、ブランコを真剣に漕ぐ加瀬っちもよいよ。

西島といえば、ユーロスペースだよねー。なのに意外にも、にしじ主演作がユーロでかかることはあんまりなかったんだよね。ここへきてようやく最もふさわしい上映館にて。今年は全然お会いできずで寂しいな。フィルメックスにはいらっしゃるかな。

さて、映画。スタンダードサイズのスクリーンに映し出されるキメの粗い映像。思いっきり自主映画みたいなんだけど、他でもないユーロスペースには馴染んじゃうんだよね。(旧ユーロの方がよりハマるかも?) 手の届きそうな感じのナチュラルな質感が心地よく。まったりと映画に入り込めるのだ。80年生まれの新人女性監督らしい初々しさ。でも、キャストはこんなに豪華で、スタッフもベテランで。熟した部分と青い部分が混じり合っているバランスがよい感じ。

2人の男と1人の女の物語。舞台がパリだったら、カフェでマジソン・ダンスを踊ったり、ルーブル美術館内を全速力で走ったりするわけなんだけど、若者たちの暮らしが閉塞感に覆われた現代の東京では、家賃格安の古めかしいアパートで共に暮らし、お庭でバトミントーン。バトミントンもいいのだけど、最も羨ましかったのは、香川京子さんが女将さんなこじんまりした小料理屋で、右に西島、左に加瀬をおいて、一杯やるっていうそのヒトトキ、いいなぁーって、映画の内容とは関係ないところで、そのシチュエーションに幸せを見出し、妄想に走るー。

西島はやっぱり横顔がステキだ。冒頭のシークエンスから、出会った男女がベンチで休むということになり、初っ端から横顔ショットがきまるのだ。絶対、撮りたいと思うよね。わかる、わかる。初対面の親しいわけじゃない男女ゆえに、並んで座ることもなく、互い違いに逆向きで腰掛けるんだけど、そんな横顔ショットがまたオツなのだ。というわけで、新人監督ちゃんの目の付けどころに共感。

この監督の師であった黒沢清監督は、リストラされて追い詰められた苦悩の日々を送る中年男を描いているっていうのに、こちらの物語世界の若者ときたら、いとも簡単に会社を辞めてしまうから面白い。若者は身軽なのだ。毎日に行き詰っていても、ふわーん、くるっと生活をチェンジできるのだね。そして、ドラマが生まれるのだ。更新料よりも、移転の諸費用の方が高くつきやしないか、とも思ったりするけれども。変化と出会いは必要なのだよね。

フワフワと宙ぶらりんな彼らが、地に足のついた人生の先輩たちに出会って、少しだけ別の角度から人生を眺めることもできるようになる。何が変わったわけじゃないけれど、少しだけ心が軽くなる。こんなもんかな。こんなもんでしょ。でも、捨てたものじゃないかも。ちいともドラマチックでも何でもないけれど、じんわりと温かい物語。東南向きの部屋にも射す西日。どっちを向いていても、お日様は照らしてくれるのだ。西島の西?

映画も好みなタイプだったけど、舞台裏に思いを馳せての嬉しさあっての好感度だったかも。

貼ってあった雑誌のインタビュー記事にまたジーン。にしじーがね、たくさんの映画を見る理由について。そのたびに価値観が崩されるから、ってなことを言っていた。そうなの、そうなの、同感!私も同じ。同志ー♪
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by CaeRu_noix | 2008-10-07 23:59 | CINEMAレヴュー | Trackback(2) | Comments(2)
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Tracked from 晴れたらソファで何を見ようか at 2008-10-10 23:24
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Commented by moto at 2008-10-10 23:28 x
レビュー拝見してうまいなぁと感心してしまいました。
どうしても触れちゃいけないと思いつつ、触れないと書けなくて僕の日記は全くもって参考にならないのですけどTB頂きます。
Commented by CaeRu_noix at 2008-10-11 00:42
moto さん♪
お久しぶりです。どうもですー。
ええ?触れちゃいけないけど、触れずには書けないことってなんでしょうー?
私のはただのフワフワレヴューです。
鬱積したものも描かれていた映画だったのに、今思い出すと日向の心地よさばかりが感じられるのでした。
光の具合がすごくいい感じだったのですが、この撮影監督は青山真治作品や「美しい夏キリシマ」、「萌の朱雀」などなどをとっているたむらさんなんですよね。
新人監督さんの作品だからって、侮れませんよねー。
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