かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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「ドイツ映画祭2008」 
2008年 11月 03日 |
ドイツ映画祭で3本鑑賞。



今年はドイツ映画祭なくなったの?
って、春頃に話題にしていたのだけど、ちゃーんと開催されました。
ただ今年は、いつものように朝日新聞が主催じゃなくなって、会場も開催時期も期間も変わってたのでした。
上映作品数が減ったのは寂しいけれど、開催時期が休日が主になったことと、会場が好環境のバルト9になったことはよかったなって。
去年なんて、観たい作品はあれども、平日昼間の上映ばかりだったりして全然観られなーいっていう状況でしたもの。
当初あまり惹かれる作品はなかったものの、せっかくの休日開催バルト9だーと出かけてみました。
3本鑑賞。

『カリガリ博士』と『巨人ゴーレム』をツィンマーマン演奏付で観るというのも気になったのだけど、ファミマでチケット買おうとしたら、前から二番目くらいの席しか表示してくれないのでやめちゃった。
シネコンで演奏付サイレント体験というのもちょっと興味があったのだけど。
ティルの監督作やダニエル・ブリュールくんも観たかったんだけどー。

Horizonte 2008

『クララ・シューマンの愛』 Geliebte Clara →『クララ・シューマン 愛の協奏曲』
監督:ヘルマ・サンダース=ブラームス(Helma Sanders-Brahms)
出演:
クララ・シューマン・・マルティナ・ゲデック
ロベルト・シューマン・・パスカル・グレゴリー
ヨハネス・ブラームス・・マリク・ジディ
ドイツの音楽家ロベルト・アレクサンダー・シューマン(1810 - 1856)と妻クララの物語。
シューマンの奥様も音楽家だったなんてことは知らなかったし、シューマン夫妻と青年ブラームスに交流があったことも全然知らなかったのでとても興味深かった。いえ、そんな風に落ち着いた状態でインタレスティングだったわけでじゃなくて、序盤から大迫力でオーケストラの演奏やピアノの調べが迫ってくるから、感情がかき乱される。ただ音楽の素晴らしさに圧倒されるばかり。音響のよいシネコンで聴けてよかったなぁ。シューマンの曲なんて、ショパンの曲などに比べるとあまり馴染みがなかった気がするのだけど、シューマンもブラームスもとても心に響くものだった。旦那様の演奏を聴いて、料理人のおばあちゃんが涙するシーンには、思わず共鳴。酒浸りでもいいよ、音楽の天才ならばーって思っちゃう。クララの献身にも感動。近頃のドイツ映画ではお馴染みのマルティナに、フランス映画でお馴染みのグレゴリーがシューマン役。そして、ブラームスを演じる青年がなかなかステキだなぁって思っていたのだけど、『焼け石に水』の彼だったなんてビックリ。俳優陣もとてもよかったし、音楽の迫力・魅力によって、ドラマも味わいのあるものでした。ラフマニノフの映画みたいな例もあるけど、音楽映画はやっぱり最高ー。これって、本国ドイツより一足先のお披露目なのね。BRAVO!400席あるスクリーン6が満席だったもよう。


『ウェイブ あるクラスの暴走』 Die Welle
監督:デニス・ガンゼル [Dennis Gansel]
 2008年ドイツ映画賞銅賞受賞。
ある高校で、"国家の形態"をテーマとする一週間の特別授業が実施される。教師ライナーが担当を命じられたのは、「独裁制」のクラスだった。
「独裁制」の本質を追及する、実話に基づいた衝撃的作品。
"独裁制"について、生徒たちが話し合い思考する過程が一番興味深かったかな。クラスが団結して暴走を始めるあたりは1人1人の行動にあまり説得力を感じなかったかも。『es [エス]』のことも思い出したのだけど、あれも終盤の荒れ方が当然の成り行きには見えなかったし。こちらは暴走というほどに暴走はしないのだけど、これだけ自由を謳歌している今時の高校生が統制されることに喜びを見出すのかなぁっていうのは半信半疑。主人公のカロの行動と、銃を持ち出した彼の行動が両極端すぎた気もして。と展開には乗りきれない部分もあったけれど、独裁制についての考察は面白いものだった。ロックな音楽ガンガンで青春の暴走テイストなカンジがよかった。


『HANAMI』 Kirschblüten /Cherry Blossoms
監督:ドリス・デリエ Doris Dörrie
出演:ハンネローレ・エルスナー、ビルギート・ミニヒマイル、ナディヤ・ウール、入月絢
 2008年ドイツ映画賞銀賞受賞。ベルリン国際映画祭コンペ出品。
小津安二郎の『東京物語』(1953)から着想を得て撮った一本。バイエルンの田舎に住む老夫婦が都会に暮らしている子供たちを訪ねるが、厄介者扱いをされてしまう。やがて、日本に行くことを夢見ていた妻の願いをかなえるべく、夫は妻の着物をトランクに入れて桜の季節の日本を訪ねる。
ドイツのおじさんも日本のおじさんも同じなのかなぁ。そういえば、日本人とドイツ人の気質は似ていると言われていたし。ルディが新宿の街をさまようシーンで、『MON-ZEN』のことを思い出した。と思ったら、この監督の作品だったのか。『アム・アイ・ビューティフル?』もそうだったのか。知らない監督だと思いきや、これまでに2作観ていました。それらの2作も心温まる作品だったと記憶しているけれど、本作にはガッツリとやられてしまいました。何しろ、『東京物語』な物語ですから。涙なしでは見られません。身につまされちゃうリアルがあふれているの。長年連れ添った夫と妻の関係性だとか年老いた親と大人になった子供の家族の関係性だとか。日本人もドイツ人も同じなのねぇ。それでいて、日本の文化や風俗もとても美しく、時に猥雑に面白おかしく切り取られていて。さすがにこれはTVじゃ見られないボカシの入らない歌舞伎町潜入は衝撃的だったなぁ。桜もミスター富士もビューティフル。ロールキャベツなシーンも大好きだなぁ。ダニエル・シュミットの撮った大野一雄に惹かれてから、「舞踏」にも興味津々だったから、踊る場面にも感銘。笑いの織り交ぜ方がまた絶妙で。そして、夫婦の愛と、桜のように儚い生の輝きに心揺さぶられるばかり。
ダブルの意味で、東京物語。これは日本人的に楽しみポイントがたくさんあるし、同時に普遍的なテーマが描かれているし、多くの人に見てもらいたい作品なので、一般公開してください!

というわけで、結局ドイツ映画祭も満喫。
朝日ホールじゃできないこと。バルトはビール飲みながら鑑賞できてよいよ。
来年はまた朝日なのかぁ。
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by CaeRu_noix | 2008-11-03 23:58 | CINEMAレヴュー | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from ヨーロッパ映画を観よう! at 2008-11-13 00:05
タイトル : ドイツ映画祭2008...「クララ・シューマンの愛」
「Geliebte Clara」...aka「Clara」2008 ドイツ/フランス/ハンガリー クララ・シューマンに「善き人のためのソナタ/2006」のマルティナ・ゲデック。 ロベルト・シューマンに「譜めくりの女/2006」「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜/2007」のフランス人俳優パスカル・グレゴリー。 ヨハネス・ブラームスにフランス人俳優のマリック・ジディ。 監督、脚本にヘルマ・ザンダース・ブラームス。 19世紀半ば、度重なる演奏活動の末デュッセルドルフに移住して来たロベルトと...... more
Commented by シャーロット at 2008-11-06 16:00 x
ぐーてん。
クララ・シューマン・・・よかったみたいですね~
やはり見たかった;;音楽ものをシネコンで見るのは、意外といいのでしょうね♪
で、ツィマーマンはパスでしたか;・・・バルト9で生演奏というのはどんな感じなんでしょうね。興味ありますけど・・・
ドイツ映画祭も個人的にはもっと豪華に開催してほしいなーと思いつつ。
HANAMIも縁がある事を祈りまーす。
ビール飲みながらHANAMI見ました?w
>ダニエル・シュミットの撮った大野一雄に惹かれてから、「舞踏」にも興味津々だったから、踊る場面にも感銘。笑いの織り交ぜ方がまた絶妙で。そして、夫婦の愛と、桜のように儚い生の輝きに心揺さぶられるばかり。
・・・おお、あのシュミットの撮った大野一雄っぽいのでしょうか。それは気になりますー。
Commented by CaeRu_noix at 2008-11-07 00:28
シャーロット さん♪
ドイツ映画祭といえばシャーロットさん!でしたのにー。
クララっちはそんなに楽しみでもなかったのに、思いのほか感銘を受けましたよー。
音楽ものは無条件にシビレマス。
音の質のよさは私にはわからないのだけど、とにかく音響がよいので、ガンガン気持ちにも響いてくるという感じで、シネコンはベターでありました。
ツィンマーマンは、疲れている時以外なら、たぶん素晴らしいに違いありませんがー。
そう、ビール飲みながら観たのは、ぴんぽーん 『HANAMI』です!
主人公のおじさんがビールを飲むシーンもよく登場したので、お付き合いできて嬉しかったです。(笑) ソーセージもおいしそうでしたー。
こちらは素材-アイテム、テーマのそれぞれがツボでありました。前衛的な舞踏っていうのも映画の中で観るなら、とても好きかもー。流派などは知らないけど、本作に登場していた若い舞踏家さんも白塗りで斬新な感じで興味深かったですよー。配給せよー
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