かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『七夜待』
2008年 11月 21日 |
全面的にしっくりとはこなかったけど、東南アジアへの旅がタイムリーということで、雰囲気を堪能。

30歳の彩子がスーツケースを持ってタイにやって来てタクシーに乗る。



『殯の森』のカンヌ映画祭グランプリ受賞の功績があったからか、主演のハセキョーがアイドル格な存在だからなのか、本作はシネコンも含めた複数館で封切られていたことに少し驚いたのだけど、やっぱり内容的には、シネマアンジェリカあたりでひっそり単館公開するのにふさわしい河瀬直美作品であった。いかにも即興的に撮られたという感じのストーリー性の乏しい映画。明らかに万人受けはしないタイプ。そういう私は河瀬作品との相性は悪くないと思う。こういう感覚わかるなぁって思う。でもね、ちょっと違うよなーとも感じた。共感する部分はあるんだけど、彼女が描こうとしているものがなのか、結果的に出演者たちが表現したことがなのか、よくはわからないのだけど、映し出されたものが自分の心を捉えるまではいかなくて、首をかしげながら理性的に眺めてしまう自分が常にいた。『殯の森』のように強く心揺さぶられたりはしなかったかな。嫌いじゃないんだけどね。

鑑賞時に東南アジアへの旅を控えていた私としては、勝手に興味深く見られる側面もあり、同時に、旅には自分なりの経験や思いがあるからこそ、こんなのいかにも作り話だよなぁっていう違和感も拭えず。しょせんほんの7夜の物語なんだから、こんなものかもしれないけど、その短さの割には、撮られている物語の時間の経過はもっともっと長いように感じられた気がするの。7夜という時間の流れ方がしっくりこなかったからか、エピソードの積み重ねや主人公たちの変化も不自然に感じられたのだよね。ドキュメンタリータッチでありながら、不自然というのはネックなのだよな。河瀬監督は、ならまちの人々を描くことに関しては天下一品だけど、旅する人や異国で暮らす人の描き方については、私の感覚にはマッチしきらなかったという感じ。わからなくはないんだけどね。

ホテルに行きたかったのに、森の中にタクシーが向かったという状況から何だかよくわからないんだけど、だからって何かされたわけでもないのに、荷物を置いてその場から逃げようとするのからして、その行動がさっぱりわからない30歳。予約したホテルに戻ろうとはしないのか。無計画な旅だったにせよ、当然のごとくそこに何日間も居ついちゃうなんて、ありえなーい。でも、タクシーに乗ったらわけのわからない場所に連れていかれてパニくるという場面には、あり得なくはないのでドキドキしちゃった。異国でも日本語でしゃべりっぱのハセキョーに自分の姿を重ねちゃって傍ら痛かったり。その後の旅行中、ホーチミンの空港から乗ったタクシーで、あのハセキョーみたいじゃん自分・・・って思ったことがあったりもして、デジャヴなカンカクをもたらすタイムリーな映画だったのだ。でも、森の中の癒しの場に連れて行かれることなんてやっぱりお伽話なんだけど。

物語的にはビミョウなのだけど、神秘的な香りの漂うタイの森の中の住居はとてもいい雰囲気で、映像的にはスクリーンで味わっておきたいものだったかな。雨がよい感じだったもの。ドキュメンタリータッチな部分については、そーんなに映像のよさを感じたわけではないんだけど、ラストの川下りに関しては、カロリーヌ・シャンプティエの撮影に大満足。これだよねー。

船ですよ。川ですよ。水辺ですよ。アジアはねぇ。トンレサップ湖でボートに乗って、すごく楽しかったよー。
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by CaeRu_noix | 2008-11-21 19:39 | CINEMAレヴュー | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from まてぃの徒然映画+雑記 at 2008-11-21 21:31
タイトル : 七夜待
河瀬直美監督が地元・奈良を離れて撮った最新作。タイを訪れた彩子(長谷川京子)は、言葉が通じないまま何とかタクシーに乗り込みホテル名を告げるが、うとうとして目覚めた場所は森の中。身の危険を感じて民家に逃げ込むが、そこからゆったりしか時間が流れ出す。アマリ...... more
Commented by umikarahajimaru at 2008-11-21 23:58 x
おかえりなさいませ。
近場だということだったので、最初は韓国か香港あたりかと思い、2つ前の記事に「ラッチョ・ドローム」とあるのを見て、「旅のスタート地点はインドってことなの?」と思ったりもしたんですが、東南アジアだったんですね。写真はカンボジアでしょうか?
Commented by CaeRu_noix at 2008-11-22 02:24
umikarahajimaru さん♪
ただいまです。ありがとうございますー。
フライト時間が数時間の場所はわたし的には近場なんですー。
香港、韓国はいつでも行けそうな気がして行ったことがないんです。
ラッチョ・ドロームは、まぁ、ボン・ヴォヤージュなので、どこ行きの時にでも使いますかな。w
というわけで、正解です。『トゥームレーダー』のことは全然記憶にないんだけど、このへんで撮影していたらしいですねー。
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