かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『WALL-E ウォーリー』
2008年 12月 17日 |
SF映画よりもミュージカルでしょ。



ピクサー作品って、これまでひとくくりにしていて、監督は誰かなんて、知らないで観ていた。でも、今回は、このアンドリュー・スタントン監督作品が格別にツボなんだってことを認識。それまでのピクサー作品のmyベストは、『ファインディング・ニモ』 だったのだけど、あれはスタントンが監督だったんだねって、納得。そんなわけで、最新作、『WALL-E ウォーリー』は、ニモに匹敵する、心揺さぶる極上映画だったよ。

その前の短編『マジシャン・プレスト』もめちゃめちゃ楽しくて、心が高揚しちゃった勢いで、ウォーリー世界にも瞬間的にハマっちゃった。人っ子一人いない荒廃した地球上で、ひっそりと一体のロボットが単調なごみ処理作業を繰り返している。その風景にソコハカトナイ寂寥感をおぼえ、黙々と働くロボちゃんの姿が愛おしくて仕方なくなるの。

最寄シネコンでは吹替版しかやってなくて、そちらで妥協してしまったのだけど、何しろ主人公がほとんど話せないロボットなのだから、味わいにそれほどの遜色はなかったと思われたし。そのシネコンの一番大きなハコでかかっているうちにレイトショーに足を運んだ。"見やすいのは後方のお席ですが"という窓口従業員の言葉を遮り、前方ブロックへ。後方ブロックはそこそこ混んでいたけれど、前方は人影まばらで、誰よりも前寄りの列に座り、他の人が視界に入らない状態に。人の気配を感じることなく、大画面に広がる荒んだ光景を目の当たりにしつつ、ウォーリーの姿からにじみ出る孤独感をめいっぱい共有できた気がするの。

人間というのは本当に身勝手な生き物だよね。地球を傷つけまくって、こんだけゴミだらけにしちゃった末に、住めなくなったらひょいと脱出しちゃうなんて。そんな未来もありえそうに思えるほどに、既に21世紀の地球も廃棄物の処理から何から問題だらけなわけで、現実世界の人間たちの有様を皮肉るようなシュールさにドキリとして、SF映画ならではの味わいを噛みしめるの。それを言葉の説明ではなくて、ただひたすらスクリーンいっぱいに広がる風景によって表現していることがこの上なく素晴らしいと思う。今回はCGじゃなくて、実写なの?とおマヌケなことを思うほどに、完璧な映像世界。ピクサーはすごい。

後半にでてくる人間たちの姿も哀しくて、べらぼうにシニカル。科学技術の進歩に伴って、楽ちん便利を合理性を追求し続けたら、人間たちは本当にこういう姿になりかねないかもしれないなぁと。メタボだって、それが平均値になったなら、もう誰も気にしないのだろうし。でも、ピクサーは人間を見限ったわけではなくて、ちゃんとちゃんと気づかせてくれるところが温かいよね。僕らはきっとやれるのだ。

無機質な映像が最高。それゆえに、無性にグッときてしまったのは、劇中に何度となく登場したミュージカル映画の存在。人間を信じていないかのような展開を見せていた物語の中で、その映像によって、人間の温かさを感じることができるの。人と人が手をつなぎ、心躍らせながらステップを踏む姿の素敵さを、ウォーリーと共に味わうの。ウォーリーが映画の真似をして、ダンスをしたり、イヴと手をつなごうとするところは可愛くていじらしくて、最高に大好きなシーン。1本のミュージカル映画がロボットくんの心を動かすなんて、心にくいよね。その映像作品が、名作には数えられてはいない古きミュージカルだったりするところがオツなんだよね。『ハロー・ドーリー!』で恋の高揚感を感じとって、イヴと一緒にはしゃぐウォーリーの姿がまためちゃめちゃ可愛くて。

ピクサーの切り口はやっぱりワンダフル!
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by CaeRu_noix | 2008-12-17 10:06 | CINEMAレヴュー | Comments(10)
Commented by acco-chan-I at 2008-12-18 21:43
かえるさん☆
こんばんは!
ホントに愛らしく、素敵な作品でしたね。
台詞が少ないのに、ちょっとした仕草だけで、細やかな感情表現が!
ところどころ、涙腺緩めでございました。( ̄∇ ̄*)ゞ
La Vie en roseの使い方も、素敵でしたね♪
Commented by CaeRu_noix at 2008-12-19 22:55
acco さん♪
コメント、ありがとうございますー。
ホントにホントに、ウォーリーが愛らしくてたまりませんでした。
レトロなウォーリーもラブリーだし、ハイソな香りのイヴも魅力的で。
そのキャラクター造型とのびやかな動きが素晴らしかったですよねー。
そう、ちょっとした目の動きや動作で感情が伝わってくるんですよね。
台詞なしでこんなにも豊かに表現できちゃうなんてすごいなーって。
私もアニメのロボロボごときに涙涙でありました。きゅーん。
La Vie en rose を実感できる世界でしたねー。
Commented by umikarahajimaru at 2008-12-27 21:19 x
こんばんは。
私の場合、近くのシネコンは吹き替えのみだったので、わざわざ銀座で字幕版を観たんですが、これだったら、吹き替えでもいいかって感じでしたね。まあ、吹き替え版のウォーリーたちがどんな台詞まわしをしているのかは知らないのですが。
冒頭部分をはじめ、音楽には日本語字幕は一切ついていませんでした。ついててもいいんじゃないかと思いましたが。吹き替え版もオリジナルをそのまんま流してるだけだったでしょうか。
Commented by CaeRu_noix at 2008-12-28 19:39
umikarahajimaru さん♪
そうなんです。吹き替え版でも遜色ないかも、と思わせる台詞の少なさでしたよね。
人間たちが話す印象は違うのかもしれないけど、ウォーリーたちの発声の仕方なんかはオリジナルに忠実であったと信じたいですー。
少なくとも違和感はなかったですよー。日本語看板にはあったけど・・。
音楽というのは歌詞のあるものということでしょうか?
たぶん何もなかったかと。(違ったらごめんなさい)

『バーニー』も後で拝見させていただきまーす♪
Commented by st at 2009-01-01 22:34 x
さて、皆さん評判がよろしいようなので
安心してぶったぎってもいいかな?

まあピクサーだから悪くはないけれど、
ウォーリーもイヴも船長もなかなかいいけど(あのゴキ・・)
まあそれはともかくストーリーの展開が納得いかない
すごくいまいちというか強引すぎ・・
あのオートもねえ・・・
おもわずHAL~HAL~(スタッフゥーみたいな調子で)
と叫びそうに 
まあその他宇宙船でのもろもろ・・・

ということでピクサーが初めてwランク外~~

PS
あのマジシャンの短編最高ですw

ハロードリーってありましたっけ?クレジットになかったような・・
アームストロングの他の曲があったような
一番のお勧めはワットワンダフルワールドです~(アームストロングがうたわないとワットワンダフルワールドと思いませんw)



Commented by CaeRu_noix at 2009-01-03 11:41
st さん♪
あら、ウォーリーはイマイチでしたか?
私はピクサーのmyベスト3には確実に入るくらい好きだなー。
ストーリー展開は強引といっちゃー強引なんだけど、アニメでSFだから、そんなに不自然さも感じず、面白く見られたんだけどなぁ。
なんでそうなるの?と疑問を持つ余地なく、物語の進み方を興味深く見つめてしまった感じ。
オマージュにあふれているのも楽しいじゃないですか。

アームストロングの「La Vie En Rose」でしたよね。
「ハロー、ドーリー」ではアームストロングの出演部分はでてこないけど、繋がりがあるということで。
他の曲もありました?

『マジシャン・プレスト』もすごく楽しかったですよねー。
でも、ポニョもダメなんて、アニメの好みはあまり一致しませんな。
Commented by SGA屋伍一 at 2009-01-07 20:41 x
かえるさん、こんばんは。今年もよろしくおねがいいたしまする

アンドリュー・スタントンさんは『トイ・ストーリー(1・2)』『バグズ・ライフ』『モンスターズ・インク』にも脚本で参加されてます。単独じゃなくて共同ですが
脚本の方はチームプレイがメインのお話が多いんですけど、監督になると、1対1の結びつきの方がメインになるのかな? そんな微妙な差が面白いですね
自分はこのセリフなしのコンセプト、サイレント喜劇を意識してるのかと思ったんですが、ある本に「『エイリアン』を参考にした」とあり、ちょっとビックリしました

今回の背景はホント、実写かと思えるほどの出来栄えで、これまでのピクサーとはまた違う印象を受けました。ディズニーから出るの出ないの、少し前までごたごたしてましたよね。ひとまずその問題が落ち着いたせいか、「よっしゃここから仕切りなおすぞー」という意気込みが感じられました

>マジシャン・プレスト

ピクサーの前説って底意地の悪い短編が多いですけど、このお話は最後にニンジンが食べられてホント良かったなーって思いました(笑)

Commented by CaeRu_noix at 2009-01-08 01:31
SGA屋伍一 さん♪
今年もよろしくお願いします。
よろしくよろしくという気持ちは山々なのだけど、伍一さんとは映画の趣味があまりにも違うですものー。
その点、ピクサー作品なんかは共通の話題なってよいですよねー。
アンドリュー・スタントンさんはバグズ・ライフの監督でもあったのはこないだ認識したのですが、他にも脚本参加をしているのですね。
ちなみに、アニメ作品の監督の仕事ってなんかよくわかりません。編集的なこともやるのか。声優さんの演出などをやるから、監督という名になるのか・・・。
そうですね。サイレント喜劇的でありましたよねー。
『エイリアン』も関係はしているでしょうけど、それがメインというわけじゃなかろう・・・。
かなり多くのものにオマージュをささげているみたいですよね。
そういえば、ピクサーの独立問題ってどう決着したんですっけ?
私たち的には、よい作品を作り続けてくれればそれでよいのですがー。
マジシャン・プレストも途中まではかなり意地悪でしたが、最後はめでたしめでたしで朗らかな感動がありましたねぇ。テンポが抜群でした。
Commented by Minita at 2009-01-16 21:08 x
私の今年の映画始めはこの作品だったのですよ~♪
楽しくて心あたたまる素敵な映画で、今年も幸先いいぞってことで(笑)

アニメーション映画はあまり見ないので、ピクサー映画のこのクオリティの高さには度肝をぬかれました~!!
どうしてロポットなのに、人間以上に感情豊かでこんなに愛らしいのでしょうね~!もう、宇宙遊泳のシーンは美しくて、楽しくて、大好きです。

「ハロー・ドーリー!」は知らない作品だったのですが、
かえるさんが書かれているとおり、他に名作なミュージカルはいっぱいあるのに、
あえてこれ!ってところが面白かったですね~!
Commented by CaeRu_noix at 2009-01-17 13:38
Minitaさん♪
これが今年の映画初めだなんてワンダフルでっす。
Minitaさんはアニメはあまりご覧になりませんかー。
私はアート系のアニメは大好きなんですよね。
ベルヴィルとかミシェル・オスロ作品とか。
チェコアニメやロシアのアニメも大好きなのです。
そんな私はそれほどにピクサー贔屓でもないんですが、やっぱりピクサーはすごいやなぁって感動してしまうのです。ハイクオリティ!
宇宙遊泳のシーンはホントにハッピーになれましたよね。
アニメのロボにこんなに同化しちゃえるなんて不思議な幸福感で私たちも宇宙を飛んじゃってる気分。
ハロー・ドーリー!づかいもラブリーでしたね。当時はどちらかといえば失敗作だったそうですが。
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