かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『アンダーカヴァー』 We Own The Night
2009年 01月 23日 |
アクションシーンも人間ドラマもガッツリ。

1988年、ニューヨーク。名門警察一家に生まれながら、父の後を継ぎエリートコースを歩んできた警官の兄ジョセフとは異なり、ロシアンマフィアと繋がるナイトクラブのマネージャーとしてアウトローに生きる弟ボビーがいた。



デビュー作『リトル・ オデッサ』(94)がヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞という実力を持つジェームズ・グレイ監督作。本作で兄弟を演じるホアキン・フェニックスとマーク・ウォールバーグは、前作『裏切り者』に出演した際にジェームズ・グレイの才能に惚れ込んで、再び共に仕事をすることを熱望したという。ホアキンは更に次作にも出演しているんだよね。(更には、ブラピも目をつけたのね。)そして、そんな本作は、(一般的にはそうでもないみたいなんだけど)一部の系統の人たちの評価が上々だったので、個人的にはそんなに必見のジャンルでもないのにもかかわらず、とにかく気になる注目のジェームズ・グレイ映画であった。ジェームズ・グレイって、大体名前がカッコいいしね。

そのセンス、手腕はなるほど納得にクール。スコセッシなんかが歳をとりつつある今、今後はアナタにまかせたいっていう感じ?『ディパーテッド』で感じた物足りなさをふと思い出しながら、こういう徹底したスリルあふれる重厚な大人ドラマが見たかったのだよって思った。邦題に使われているアンダーカヴァーって、潜入捜査のことなのね。冷酷無比の殺し屋はいくらでもいるっていうロシアン・マフィアのやり口は底なしに恐ろしく、ボビーの潜入のシークエンスはとってもスリリングで、ライターを不審に思われたその時のドキドキ感ったらなかったな。雨の中のカーチェイスもそれは手に汗握る見ごたえのあるものだった。見せ場になっているキメのアクション・シーンは決して迫力だけで押している感じじゃなく、画的にカッコいいから惚れ惚れしちゃうのだった。裏切り行為をした仲間をボコボコにした夜の塀とシルエットがまたステキだったし。

この骨太ドラマの引っ張っていくホアキンの存在感は素晴らしいよね。本当に俳優業をやめちゃうの?もったいない。アクションシーンも気迫にあふれているのだけど、ホアキンったらたら、ラブシーン上手だし。冒頭でプエルトリコ女とクラブの控え室にしけこむ場面からしてゾクゾク。ホアキンの劇画顔はまるで好みじゃないのに、ラブシーンが情熱的でクラっとしちゃった。初っ端から、男女の濃い目のからみシーンというと、『その土曜日、7時58分』とかぶるものがあったんだけど、最初だけじゃなくて、映画全体の重厚感と描かれている物語内容から何度もそれを思い出すことになった。父と息子、兄弟の確執というのは、大人になってからはなお、厄介なものなんだなぁと。どちらも社会的には兄の方が成功しているというパターン。

それでいて、『その土曜日、』では確執が取り返しのつかない悲劇を生んだやるせないドラマとして幕を閉じてしまったのとは違い、こちらでは、悲劇が転機となって、主人公に新たな道が開かれるという救いのある物語だったので、安堵感がもたらされた。完成度の高い映画は結末がどっちに運んでも手ごたえはあるのだけど、今回は、はみ出し者だった主人公が正義に目覚めちゃうという筋書きに素直に心打たれてしまったな。その反面、少し時間が経つと、正義のポリスが悪のマフィアを追い詰めるというあまりにも真っ当な物語展開が少し残念にも思えたりして・・・。善玉悪玉の役割がせめぎ合う『アメリカン・ギャングスター』のような物語の方が私はより好みかな。とはいえ、ジェームズ・グレイのお手並みには満足。ホアキン、やめないでー。
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by CaeRu_noix | 2009-01-23 23:59 | CINEMAレヴュー | Trackback(2) | Comments(0)
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