かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ワンダーラスト』 Filth and Wisdom
2009年 01月 29日 |
みんなアーティストでパフォーマー。

ロンドン。ミュージシャンとしての成功を目指すAK、バレリーナ志望のホリー、アフリカの貧しい子どもたちを救いたいジュリエットの3人はルームシェアをしてそれぞれ不本意な仕事をしながら生活をしていた。



マドンナがついに映画監督デビュー。ミュージシャン、パフォーマーとして世界的に成功をしているビッグなマドンナが今更映画監督なんてやらなくてもいいじゃないとも思うのだけど、何しろ彼女はショーン・ペンやガイ・リッチーのパートナーだったわけだから、映画づくりの世界に惹かれちゃうのも当然のことでしょう。それはまぁもちろん、『インディアン・ランナー』や『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』ほどに才能がほとばしるものではなかったけれど、センスのよさが輝く、ユーモラスであたたかで小粋な青春ものでありました。素材からして、イメージどおりに好み系。

マドンナはとにかくユージン・ハッツを主人公に脚本をであて書きして、彼の主演を熱望して働きかけたそうだけど、そんな思いも納得で、ユージン・ハッツというキャラクターの魅力と彼女のご執心ぶりが思いっきりスクリーンから伝わってきたよ。『僕の大事なコレクション』に出演していたユージン・ハッツのキャラと音楽がそれはもうすごくよかったから、マドンナの目の付けどころはさすがだなぁって思ったのだけど、彼の魅力をめいっぱい映し出していたよね。ウクライナ出身でロマでパンクだなんてクール。ホントにそのルックスといい、そのノリといい、いかにもパンクバンドのボーカルならではの破天荒にハジけたカッコよさ。その音楽も『僕の大事なコレクション』で知った時から気に入っていたんだけど、今回は字幕によって、その歌詞が遊び心ありつつも哲学的だったりという味わいがあることも知った。ゴーゴル・ボルデロのLIVEに行きたくなったよ。(フジロックに来てたんだー。)

ミュージシャンで食べていきたいと望みつつも、日銭を稼ぐためにSMなお仕事をこなすAKの姿、そんなAKのアドバイスに従って、ヌードダンサーのバイトにチャレンジするホリーのダンスシーンなんかが、ユーモラスでもありエロティックで少し哀しくもあり、でも何だか煌めいたりするの。こういう場面こそにマドンナっぽさを感じちゃう。それらはファッションとして断片的に表現されているんじゃなくて、原題の「Filth and Wisdom」(堕落と知恵)というテーマに絡み合っているという感じかな。マドンナが文学をも大切にしている人だとはちいとも知らなかったので、AKの言葉で語られる哲学なアプローチも興味深かった。そういうテーマが説得力をもって迫ってきたというんでもないんだけど、マドンナ自身の経験や思いを投影しているというだけあって、真摯な姿勢が感じられたしね。POPに軽やかな語り口なのに、軽薄にはなっていなく、あったかくてチャーミングな初監督作だったな。
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by CaeRu_noix | 2009-01-29 21:10 | CINEMAレヴュー | Trackback(6) | Comments(4)
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タイトル : ワンダーラスト
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Commented by 哀生龍 at 2009-01-29 22:43 x
>彼の魅力をめいっぱい映し出していたよね。
ハッツ目当てに見に行ったので、とてもテンションが上がってしまいました。
“監督”マドンナを語れるほど、彼女のことも他の監督のことも分かってはいませんが、背伸びし過ぎず自分がよく知っている世界を土台にして作られているような肩に力が入っていない雰囲気があって、見やすく親しみを覚える作品になっていたように感じました。

そう言えば、『僕の大事なコレクション』もリーヴ・シュライバーの初監督&脚本作品でしたよね。
ハッツは、次はどんな監督さんの作品に出ることになるのか、興味津々!
Commented by CaeRu_noix at 2009-01-31 01:38
哀生龍 さん♪
そういえば、中学生の時だったかに、ハッツというニックネームのヌボーっとした感じの図体のでかい男子がいまして、ハッツというと彼のことを思い浮かべちゃうので、ユージンって呼んでもいいですかぁ?
予想していた以上に、マドンナはユージンをすごく気に入っていて、彼を撮りたくてしょうがないんだっていうのが伝わってきましたよね。
マドンナの出演作もほとんど観てないけど、『エビータ』は楽しかったかも。withばんでらす
そうそう、その気になればどんな企画だって通せそうなものなのに、無理せずにマドンナ自身にとって身近な題材を取り上げたのは、よかったんじゃないかと思いますー。
初監督作らしい初々しさも感じられ、好感のもてるキュートに楽しい作品でいたよね。
リーヴ・シュライバーって、もとは俳優さんでしたっけ?
(って調べたら、ナオミ・ワッツのぱーとなーなんすね。)
今回のように主演に起用されるなんてことはそうそうなくてもいいと思うのだけど、ユージンがこれからもたまに映画に出てくれたらうれしいですね。
トム・ウェイツみたいな映画とのかかわり方をするミュージシャンなんていいかも。
Commented by こべに at 2009-02-01 23:41 x
いやーん、かえるさんー☆
ゴーゴル・ボルデロのライヴ!参戦したいっす!!
ってワタシも思っちゃったし、フジ・ロックに来てたんだーっ
と知って少しショックだったりもしたけど野外は無理なんで
今度来日するなら室内でライヴハウスだと大喜びデス☆

マドンナの好きな文学はちっともわからないけど、その他のことは
スキなものが全く同じだったので嬉しくって仕方がなかったですー。
マドンナの優しい眼差しを感じながら楽しく鑑賞しましたー☆
Commented by CaeRu_noix at 2009-02-02 01:22
こべに さん♪
ゴーゴル・ボルデロのライヴ、めちゃめちゃ楽しそうでしたよね!
いきたーいって思ったのに、フジロックで来日していたと知りショックでした・・・
まぁ、その時に知っていても、フジロックになんて行く根性はなかったと思いますがー。
次回、来日ライヴをやってくれたら、参戦しましょうねー♪
ノースモーキングオーケストラに通じるものもありー

マドンナの好きなもの、共通点多かったですかー!
私も映画に登場したものたちはどれもいいなぁって思えるものでしたわ。
バレリーナ志望でストリップショーに出ちゃうなんてエピソードは映画的にもバッチリだと思ったし。
音楽があって、文学があって、世界平和のことも気になって。
散りばめられたものが輝いていましたよねぇ。
そんなわけで、私も楽しくハッピーでした♪
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