かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『悲夢』
2009年 02月 13日 |
ヒヒヒ、ムムム・・・

ある夜、別れた恋人を追って車を運転していたジンは、追突事故を起こすが、それは夢だった・・・。



キム・ギドク監督作を初めて観たというニッポンのオダジョーファンのみなさーん。キム・ギドクの映画は面白いものがたくさんあるんですよー。こんな感じが本領じゃないんですよー。ヴェネチア国際映画祭やベルリン国際映画祭で受賞歴もある世界に名だたる鬼才監督なんですよー。

という擁護はしておこう。でも、そうなの。これまでのキム・ギドクの監督作のほとんど全てを観てきたからこそ、失望せずにはいられない。あの頃の強烈なパワーはどこへ行ってしまったのって。今作は、オダギリジョー主演で話題性ばかりが先行しちゃう感じもあって、あまり期待はしていなかったけれど、実際のところ、どうにもこうにも楽しみどころが少なかったなぁ。ありえない物語展開なのに、ついついその世界にハマり込んでしまうのがギドク映画の魅力なのに、今回は傍観しっぱなしだったような。いつもならとりあえず見守るんだけど、今回は"だからー、時間を決めて交替で睡眠をとるようにすればいいじゃんー"って、何度も思っちゃった。強引さに巻き込まれなかったってことなんだよね。

前作『ブレス』もそれほどでもなかったけど、ボンボンボンボンがめちゃめちゃ面白かったし、終盤でウルっときちゃったりしたもんね。『ブレス』では、韓国語を話せないチャン・チェンが台詞のない役でもったいないなぁと思ったのだけど、今思うと、それが正解だったのかも。今回のオダジョーもチャン・チェンと同じようなポジションが与えられるのかと思いきや、台詞がめちゃめちゃ多くてびっくり。日本語かよ。男が一人だけ日本語で話すという状況は、ギドクの映画だからアリだと思うけど、その台詞の多さが映画の雰囲気を台無しにしちゃっている感じ。『絶対の愛』なんかもそれゆえに好みじゃなかったけど、あれは物語展開の強引さに求心力があったもんね。今作は驚くべき出来事も彼らの苦悩も上滑りしている感じで、ハマれないったら、ハマれない。

自分の夢の中の行動が、現実の世界の他人の行動を引き起こしていたなんて、物語のアイディアはちょっと面白そうなんだけどね。でもさ、ギドクの映画は、対称的なものを描くことで持ち味を発揮するのはわかるんだけど、対称性と掛け合いの面白みはわかるんだけどさ、夢で、現実で、別れた恋人に会いに行ったとか、行かないでとか、ケンカしたりとか、だから寝ちゃだめだーって、ずっとそのネタで引っ張られてもねぇ。せっかく夢という何でもアリの限りない創造の可能性をもった題材を用いておいて、別れた恋人の夢を見てどうこうっていうので終始するなんて、魅力的なストーリーには思えなかったなぁ。"そうきたか!"な驚きがなかったんだもん。映像で蝶を羽ばたかせたところで、独創的な物語の飛翔がなくちゃ、心を動かされないのだよぅ。

でも、そうそう、ロケーションは美しめでよかったかな。韓国伝統家屋がステキで、『うつせみ』のことを思い出しながら、見入ってしまったよ。オダジョーの職業が彫刻の人というのも一見魅力的だったのだけど、印章彫りというのはチマっとしていて、思ったほどに雰囲気アップには貢献していなくて残念。オダジョーはそんなに台詞はしゃべらなくていいから、大きめの彫像なんかを手掛けて、じっくりじっくり彫るシーンなんかがあればよかったのに。オダジョーは敬語でべらべらしゃべるよりも、寡黙に構えていて、ボソッと呟いたりする方が断然いいと思うんだけど。ギドク映画はパッとしない男が主人公の方がいいしね。かゆみにはムヒだし、ウォン安だし。
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by CaeRu_noix | 2009-02-13 23:58 | CINEMAレヴュー | Trackback(6) | Comments(4)
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Commented by kimaguren at 2009-02-15 15:13 x
お久しぶりです。ギドク作品は一応観とかなきゃ~精神で観て来ました。感想はかえるさんと似てると思いますが一応自分の言葉で書きますね。①交代で寝ればすむ事じゃないの~と何度思ったことでしょう②オダジョーが「寝ません!」とどうして言うの?愛が発生したの?それを私が見落としたの?③もし過去作品のように台詞がなかったら、と軽く想像してみたら 結構好みな作品になりそうな予感がしました。 ④オダジョーの職業が後半あのようなシチュエーションで生きてくることや 瞼を貼り付けたシーンなど 笑ってしまいたくなりました。
Commented by CaeRu_noix at 2009-02-16 01:00
kimaguren さん♪
お久しぶりのコメントありがとうございます。
キマグレンさんはきっとご覧になるはずと思っていましたよ。
でしょでしょ。あんなにいちいち寝ちゃだめだーとか格闘しなくても、交替で寝ればいいだけの話ですよね。2人とも9時出勤とかだったら、時間配分をもめそうだけど、この二人は自由な職業で好都合。
2人の間に愛が生まれた過程も説得力をもって描かれてはいなかったですよね。
最初から、そのうちこの二人の間に恋愛感情が芽生えるのだろうと予想がついていたから、そう思っただけに過ぎなくて、『悪い男』みたいな強い描写はなかったかと思いますー。
そう、台詞最小限でやったら、もうちょっと雰囲気にハマれるドラマになっていた気はします。アイディアそのものは悪くないはずなので・・。
ジョーの変な顔は見どころでしたよね。でも、これもね、日本人から見ると、オダジョーが変な顔をするのはあまりにも狙い過ぎな場面で、逆に興ざめしちゃったんですよね。地味な韓国男優がやっていたら、しっくりオモロかったと思うんですけど。
彫刻刀という小道具でキドク映画お馴染みの身体的にイタいシーンが描かれたのはナイスでしたね。おしいー
Commented by mezzotint at 2009-03-24 15:59 x
かえるさま
こんにちは!
やっとこちらでも公開されました。
前作の「ブレス」よりいいと聞いておりましたが・・・・。
う~んそうでもなかったですよね。
初期の作品は観ていないのですが、「弓」なんかは結構良かったと
思います。キム監督、ちょっと低迷気味のようですね。
寝ちゃいけないというのに、私はzzzz状態になりました。
Commented by CaeRu_noix at 2009-03-25 12:05
mezzotint さん♪
「ブレス」よりも本作の方がいいという評判だったのですかー?
ですよね。私はブレスの方が面白かった感じです。
キム・ギドク作品は『リアル・フィクション』以外は全部観ましたが、最近の何本かをのぞけば、軒並み素晴らしいですよー。
『弓』もよかったですよねー。
主人公の台詞が少ないものの方が断然いい感じです・
低迷気味と言わざるを得ない昨今・・・
私は眠くはならなかったのですが、面白みを感じられなくて、中盤はやや苦痛だったり・・・。
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