かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ブラッド・ブラザーズ ― 天堂口 ―』 
2009年 02月 20日 |
青年よ、上海に行って、コートと帽子を身に付けよ。

1930代、中国。病気の母を抱える青年・フォンは、親友のシャオフーとその兄ターカンに誘われて、一旗揚げようと上海へ旅立つ。



魅惑のオールド・シャンハイに香港ノワールの香り漂う。この時代のモダンで華やかで退廃的な上海ものって好きなんだよね。真っ先に思い出すのは、『花の影』のジゴロなレスリー・チャン。ドイルのカメラが切り取る煌びやかな上海とレスリーの笑顔が記憶にある限り、私はこの舞台・素材に憬れ続けるに違いない。そう、ゴージャスな高級キャバレーで踊る女たちと、路地裏で銃撃戦を繰り広げるハードボイルドに生きるギャングの男たちが描かれるなんて、映画的な魅力がいっぱい。というわけで、そんなレトロに芳しい雰囲気を楽しめるドラマになっておりました。ギャングものとしての緊迫感や凄味はもうひとつな感じではあったけれどね。ジョン・ウー製作なんてのをウリにしているというのにそこは残念。

ギャングものはやっぱりもう少し、ダンディズムを感じさせる渋めな大人俳優で固める方が風格がそなわると思うのだけどね。これはこれで、田舎の若者が大都会でビッグになるべく悪に手を染めて、人生を狂わせてしまう物語としては、相応のキャスティングなのかもしれないけれど。それにしてもやっぱり、ついこないだまで田舎で暮らしていた若者が、多少有能だったとしても、ボスをやったくらいでまんまとボスの座についちゃうという展開は、嘘っぽくて安っぽい気がしちゃったなぁ。裏社会の組織って、そんなに簡単なものじゃないよねぇ?それに、リウ・イエにはナイーヴな青年役が一番似合うと思っているので、この役どころはどうしてもしっくりこなくて。ヒゲがコントっぽかったしね。

でもね、主演のダニエル・ウーはよいじゃないか。本当はリウ・イエよりもチャン・チェンよりも年上なのに弟分役に扮しているわけなんだけど、ちゃんとそれっぽい実直な感じが表れていて。ちょっと顔つきがチャン・チェンにも似ていない?でもって、ギャングのボスの右腕のニヒルなチャン・チェンがとってもカッコいいの。ギャングの定番のコートに帽子がよく似合っていて、寡黙だけど眼光は常に鋭くて。いやいや、やっぱり若手ギャングもいいじゃない。サイモン・ヤム世代の渋さもいいんだけど、ここはチャン・チェンありきだ。そんなわけで、見どころはチャン・チェンとダニエル・ウーって感じかな。

そして、チャン・チェンとボスの女でキャバレーの歌姫なスー・チーの二人の関係性にも心ときめき。だって、これって、まるで、『百年恋歌』のアナザー・ストーリーみたいじゃない。最初にスー・チーが出てきた時は、そのヘアメイクは失敗じゃないか、せっかくのヒロインがそんなに深海魚顔でいいのか、と不安になったものだけど、やっぱりチャン・チェンとスー・チーはお似合いだったりするんだよね。危険と背中合わせの2人の恋愛模様がせつないわんーってあたりが最大のポイントでした。本当はたぶん、主人公フォンの立場でハートブレイクにせつなくなるべきなんだろうけれど。ギャングにまつわる場面がやや迫力とリアリティにかけたので、百年恋歌風味なところを中心に楽しんだ感じ。せっかくのノワール風味の上海ものなんだから、もうちょっと完成度を高いものにしてほしかったとは思うけれど、チャン・チェンのカッコよさにかなり満足さ。
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by CaeRu_noix | 2009-02-20 00:47 | CINEMAレヴュー | Trackback(4) | Comments(4)
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やっと見ることが出来ました  ただし 豪華な顔触れの割には内容は芳しくないという 噂も知りつつ 詳しく:Cinema Leaf  とても丁寧に真面目に作った上海ノワールもの だけど 確かにインパクト薄 さらーっと終わってしまうんだなぁ キャスト陣はとても豪華です 台湾・香港・中国の有力若手をずらーっと取り揃えてまして 田舎から上海へ出てきた3人は 兄のリウ・イエ(中) 弟のトニー・ヤン(台) 兄弟分にダニエル・ウー(香) 上海で出会う ボスのホンの片腕にチャン・チ...... more
Commented by RIN at 2009-03-18 21:31 x
ご無沙汰してますー。
ホント、チャンチェンありきの映画でした。
まあ、最初のボス暗殺失敗するか?と言ってしまえばそこで
オシマイなんですけど(苦笑)
>主人公フォンの立場でハートブレイクにせつなくなるべき
うーん、田舎に恋人いましたしね。ハートブレイク度数低めですね(笑)
スーチーは決して正統派美人ではないのに、だんだん見慣れてくるから
不思議です。。。
Commented by CaeRu_noix at 2009-03-19 23:55
RIN さん♪
お久しぶりでーす。
いやー、このチャン・チェンはホントにカッコよかったですねー。
あ、カッコいいんじゃなくて、美しいんでしたわね。
そんなに好み顔でもないと思うのですが、なーんか見惚れちゃうんですよね。
去年、霊なども登場しちゃうサイエンス・スリラーとやらの『シルク』を観たのですが、あれも全般的にはビミョウだったのに、アクションするチャン・チェンの存在感、動作がステキだったので、それだけでかなり楽しめてしまったし。
ここのギャング世界はちょいとゆるかったのが残念でしたけれども。
スー・チーはかわいいんですけど、魚っぽいので、高根の花な美女役っていうのは何か違和感あるんですよね。
でも、そう、そのうち見慣れてきて、チャーミングに見えてくるんですよねー。
Commented by acine at 2009-07-11 21:43
かえるさん、こちらにもお邪魔です♪
そーなんですよね。このキャスト陣で上海が舞台の割には薄っぺらな
仕上がりでしたね。
私も上海ものというと、やはり”花の影”、”上海ルージュ”、”上海グランド”
辺りを思い浮かべるんだけど、どれももっと退廃の香り、男も
女も
匂い立つような映画だったなぁ・・・と。
確かに、イエさん、ヒゲがコントっぽかったかも。思わず吹き出しそうに
なりました(笑)。
確かに、チャン・チェンを始め、皆カッコよかったけど、ストーリーが
昼ドラくらいの軽さでウソっぽかったですね。
ボスに成り上がるのも、あとまた田舎に戻って、ダニエルだって、
もうスー・チーはいいのか?とかついいらぬ心配してしまいました。
うーん、これはストーリー運び&演出にかなり難ありでしたね。
Commented by CaeRu_noix at 2009-07-12 12:31
acine さん♪
ホント、つくづくもったいない映画でしたー。
この時代の上海ものには、むせかえるよなデカダンスの香りがほしいところですよねー。
上海という言葉からは必然的に、ジゴロ・レスリーの微笑みを思い出しちゃう私。
せっかくの豪華キャストだったけど、この若者たちでは、ノワールの迫力に欠けていた気がします。
駆けだしの部分は青春感があってこのメンツでもよかったんだけど、筋金入りのギャングの姿としてはどうも不自然でしたわ。
真面目にやっているのはわかるけど、コントっぽくって・・・。
なんだかんだ言いつつ、チャン・チェンのステキさがあったから、充分に楽しめた映画ではあったんだけど、残念無念でした。
ダニエル・ウーは『新宿インシデント』でもよかったですね。(あれもキャラ・存在がややコントっぽかったけど、演技が素晴らしい)
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