かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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(映画を見るのにいそがしくてブログはもう)
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『オーストラリア』
2009年 03月 12日 |
歌とダンスがなくても、馬と牛が駆ければ楽し。

第二次世界大戦前夜のオーストラリア。イギリス人貴族のサラ・アシュレイは、夫を捜しに北部の町ダーウィンにやって来た。



『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマンがニコール・キッドマン、ヒュー・ジャックマンを主演に大作を撮るっていうニュースを最初に聞いた時はそれはもうワクワクしたものだった。しかし、どうやらアメリカでは大コケしたそうで、主演したニコール自身も「映画を見てみたら、酷かった」なんてコメントしている記事まで目にしてしまった。そ、そんなにヒドいのかと期待値をぐぐっと下げてみる。そしたらば、バッチリしっかりと楽しめたよ~。

長いのに退屈に感じることはない見ごたえのある盛りだくさんな大河ろっま~ん。でも個人的には気に入ったのはほとんど前半戦なので、後半をザクッと削って120分の映画にできたならとてもよかったかも。自分的な見どころといったら壮大なるその大地、大自然がめいっぱい映し出されていることでしょう。序盤のカンガルーがジャンプしながら走るシーンはとっても楽しくて、ニコール・マダムと一緒に大興奮。だって私がオーストラリアに行った時に見たカンガルーちゃんたちはぐうたらするばかりで跳ねるどころかめったに二本足で立つことさえなかったもの。(『ゼラチンシルバーLOVE』のカンガルーは跳ねてたけどー。)そうやって、野生動物の登場で俄然乗り気になった私。200鞍ばかしの数年間の馬乗り生活をした私としては、大地を疾走する乗馬シーンにそれはもう心踊り。この速度はさすがにしびれるよ。密かに羊飼いになりたい願望のあった私だけど、いやいや牛追いもいいなぁって思っちゃった。土埃をあげてドドドドドーと駆ける馬の群、牛の群も圧巻でワンダフル。

と、しっとりロマンスかと思いきや前半は大自然アドベンチャーなノリだったのが爽快だったの。それから、半分アボリジニの少年ナラも主人公の一人としてドラマの中心に据えられていて、しばしば彼の目線になるところも好みだったな。差別も受けていたアボリジニの人たちだけど、彼らに寄り添って物語が進むのがよいなぁって。ナラはおじいちゃん譲りの特別な力を持っているなんてのもステキ。ナラがおじいちゃんに教わったことを語る場面がお気に入り。ニコラス・ローグのそのタイトルの映画が大好きな私は、「WALK ABOUT」という言葉の登場も嬉しく。大人になる旅なんだねー。その地域ならではの味わいがあって、冒険旅行でロードムービーなところがとにかくツボ。

で、恋愛ドラマ部分に心奪われたという人はいるのかしら?イギリスの高貴な淑女がオーストラリアの無骨でワイルドな男に出会っちゃうっていうさわりのあたりはロマンチックな香りがしたのだけど、いとも簡単に相思相愛になっちゃって、その後はあまり面白みがなかったような気がしたのだけど。ニコールとヒューじゃ美男美女過ぎて、ウマくいき過ぎたら面白くないというわけじゃなくて、あまり共感できるような描写になっていなかったような・・。2人の関係性の変化を描く場面展開も大味な印象だったし、わざとそういう演出にしているようでもあったのだけど、ラブシーンがコテコテ過ぎちゃって、感じ入るようなものではなかったよね。これがミュージカルだったら、コテコテに大仰な過剰演出でもハマるのになー。カウボーイなヒュー様のドローヴァーはめちゃめちゃかっこよかったんだけど、白人貴族未亡人と恋に落ちないでほしかったような。(それじゃあ、物語が成り立たないのだけどね。)

デビッド・ウェナムの存在もすごくよかったけど、あまりにも徹底的に悪者過ぎちゃうところが残念といえば残念。後半はネクタイ姿だったのも寂しかった。みんなカウボーイ・ルックの方がいいじゃない。牛が暴走するシーンほどのハラドキ感はなかったけれど、日本軍の襲来も興味深く。オーストラリアはダーウィンから、その戦争の一場面を眺めたのは初めてのことだったもの。親日家が多いオージーだけど、この界隈の人には悪い思い出が残っていたのかもしれないね。サラが死んじゃったかものシーンは、死なないとわかっていたので何とも思わなかったけど、ドローヴァーがナラたちを助けに行ったところは感動しちゃったり。ロマンス自体には心からの感銘はなかったけど、ナラのおかげで傍観することもなく。

ほいじゃ、次はミュージカルをよろしくー。
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by CaeRu_noix | 2009-03-12 00:33 | CINEMAレヴュー | Comments(8)
Commented by 哀生龍 at 2009-03-12 05:56 x
>ニコールとヒューじゃ美男美女過ぎて
おまけに砂埃塗れで粗野なカウボーイだったドローヴァーが、どんどん小奇麗になって少しずつ飼い慣らされてしまって・・・
この地で生きていくためにサラが歩み寄るように変わって行くのは理解しやすいのですが、ずっとこの地で自分の生き方をしてきたドローヴァーがこんなに簡単に女のために変わるのは・・・ (女のためにって部分を納得したくない、と言った方が正直? 笑)

>ほいじゃ、次はミュージカルをよろしくー。
哀生龍も同じく、ミュージカルをよろしくー。
Commented by cinema_61 at 2009-03-12 17:12 x
試写会の券が当たったので観ました。(でも長過ぎ)
確かにニコールに似合うのはヒューくらい(身長だけでなく)だと思うけど、ヒューのファンである私はB級映画でも「彼女を2度愛したS」の彼のほうが好きです。でも白いタキシード着てニコールとダンスする姿にはうっとりしました。
私は、日本軍上陸の場面が妙に目に焼きついて・・・
「風とともに去りぬ」なども思い浮かべながら「土地」に執着する強い女性を感じました。

アカデミー賞授賞式司会のヒューが、あまりにもステキだった・・・・・。
Commented by CaeRu_noix at 2009-03-13 10:16
哀生龍 さん♪
そうなんですよ。
哀生龍さんの場合はひょっとしたら、女のために男が変わるということがまずネックだった可能性もありますが(笑)、それを差し引いても、カウボーイとしてワイルドに生きてきた男が、いきなり英国貴族の未亡人と同居生活をしちゃうのはどうも不自然でしたよね。
というか、私としては、恋に落ちる描写、その思いが深まる過程が説得力をもって描かれていなかったのが不満です。
本気でサラのことをかけがえのない女だと感じ、覚悟と決意をもって、この女と生きようとしたなら、生き方を変えることもありえると思うのですが、そのへんが場当たり的なままで、仲良く暮らしてみたり、オレは誰の指図も受けないって言ってみたり、へんなの!って感じでした。
女が男に従うのが当たり前の時代だからこそ、男が女によって変わることそのものはいいんじゃないかと思うのですが、野生が飼いならされるという構図には寂しさを覚えてしまう私。
ムーランルージュの、お金が何より大事と思っていた女が、貧乏でも好きな人に心動かされるという変化はそれはカンドー的だったのにー。
Commented by CaeRu_noix at 2009-03-13 10:30
cinema_61さん♪
タダで見られたのはラッキーでしたねー。
秀作ではないけれど、大作であることは間違いないので、たぶんお得度は高いはず。
ヒューとニコールって、本当に絵になる美男美女カップルですよねー。
でも、せっかく身長があって、立ち姿が美しい2人なのに、やたらとクローズアップが多かったのが残念。
もっと全身を映してよーって思ってました。
そうか、私は行かなかったんですが、『彼女を2度愛したS』のヒューはよかったんですね。
本作のヒューもカッコよかったと思うのですが、時に滑稽な感じでしたよね。
シリアス大河ロマンと思いきや、コメディ寄りなタッチがしばしば。
cinema_61さんは白いタキシード姿がよかったですかー。
私はあの服装はちょっと好きじゃなくて、カウボーイルックの方がよかったかな。
素のヒューの方が何倍もステキってことは、本作の演出・演技は失敗?
ともあれエンタメ作品としては見どころいっぱいでした。
そこかしこで引き合いに出されている風共とは作風違うけれどー
Commented by SGA屋伍一 at 2009-03-18 22:08 x
こんばんはっす

>序盤のカンガルーがジャンプしながら走るシーンはとっても楽しくて

カンガルー、いきなり食われてましたけど・・・・
あれはやはり鹿肉みたいな味がするのでしょうか。鹿、食べたことないけど

自分もニコヒューじゃなくてナラくん目線でお話を追っかけてたので、けっこう楽しめました。奈良くんのことを「クリーミー、クリーミー」という嫌味なガキがいましたが、「てめえをスクリームさせてやろうか! ウラア!」と本気で頭に来ました

映画を見た限りでは当時のオーストラリアは「海の近い大西部」みたいな印象でした。でもカウボーイとは言わずに「牛追い」というんですねー 勉強になりました
Commented by CaeRu_noix at 2009-03-20 00:02
SGA屋伍一 さん♪
カエルは鶏肉っぽいそうです。
イン・トゥ・ザ・ワイルド、オーストラリア篇だったら、かんがるーを食べましょうー。

ナラくんには感情移入しちゃいましたよねー。
彼のひたむきな表情はすごくよかったですー。
ニコヒューのクローズアップにはちょっとクドさを感じたのだけど、ナラくんのショットは好きだったなぁ。
ビミョウな部分もありましたが、楽しめる楽しめないでいったら、私もかなり楽しめましたとも。
ただ私は、バズ・ラーマンの『ムーラン・ルージュ』がめちゃめちゃ好きなので、その監督名には格別なものを期待してしまうんですよね。
カンカンカーン!
でもまぁ、とにかく、オーストラリアの歴史に迫った大作映画というものは今までお目にかかったことはない気がするので、興味深くもありましたよね。

カウボーイはオーストラリアでもカウボーイな気がするけど、ウエスタンという言葉はアメリカ限定って感じかしら。
でも、馬の乗り方は、ブリティッシュスタイルじゃなくて、ウエスタン寄りなのかな。
大地はいいですねー。
Commented by とらねこ at 2009-03-23 08:31 x
おはようございます、かえるさん。

しかしアメリカではそんなに評判悪かったんですね~。
『オーストラリア』というタイトルの、オーストラリア映画は、アメリカ人が我先に!と見たい映画ではない、ってことでしょうか。ヒヒ。

かえるさんはきっと楽しまれるに違いない!と馬が走るシーンを見ながら思っておりました。
前編と後編を足して一本の映画にしたんだろうか?という程長かったんですが、きっとバズ・ラーマンにとってはオーストラリアを描くのに、コンパクトに済ますなんて訳にはいかなかったのでしょうか。
Commented by CaeRu_noix at 2009-03-23 23:23
とらねこ さん♪
大コケって、結局どういう状況をさすのかよくわからないっちゃーわからないんですが、とにかく大コケしたそうで。
確かにまぁ、質以前にテーマ的に、アメリカ人がこぞって観に行く映画じゃないでしょうね。
アメリカではアメコミじゃなくちゃ大ヒットしないのかしらん?

そう、毎度単純ながら、動物関係、大自然のスペクタクル描写にはワクワクしちゃう私。
何頭かの馬が普通に走るシーンのある映画はよく見るけれど、これほどにダイナミックな群れの疾走シーンにはなかなかお目にかかれないですからね。
動物は単体でも好きですが、魚でも羊でもバッファローでも群れ映像にはとびきり弱いですー。

風共を意識した歴史大作ですから、この長さは必要だったんでしょうね。

あ、私もブリスベンとゴールドコーストしか行ってなくて、行きたいのは西の方パース、ピナクルズあたりっす。
オーストラリアでは馬に乗ってトレッキング体験もしたんだけど、トロトロ歩くだけでつまんなかったので、この映画みたいに大地を駆けたいなぁと。
とらねこさんは、ラクダやゾウに乗る機会もあるかもしれませんね。

私の有休は1月に今年度分が発生したので、しばらくは安泰さ。
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