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「フランス映画祭2009」
2009年 03月 18日 |
恒例のフランス映画祭ー。



規模は縮小化する一方で、かつての華やかさを思うとこの地味さは寂しい限りではありましたが、鑑賞した映画自体はどれもよかったです。
にしても、せっかくこの機会にしか観られないような映画が上映されるのに、シアター数がほぼ1つというずいぶんと不親切なスケジュールで、本数が少ない割には、観たいものもれなく鑑賞することが困難というのは残念ー。
「フランス映画祭2009」

今年の団長は、日本でも知名度の高いジュリエット・ビノシュだったわけですが、オープニングにはいつも行けないし、日仏とユーロの挨拶つき作品はチケット取れなかったし(だからって出待ちだけしようとは思わないし、高価なダンスの舞台を観たいとも思わなかったし・・)、結局生ビノを拝む機会は得られずー。そんなわけで、わたし的なゲストの目玉は、監督クリストフ・オノレと女優アンヌ・コンシニでありました。舞台のついでとかじゃなくて、映画祭のために来日してくれてめるしーめるしー。オノレ監督のお話を生で聞くことができ、アンヌのチャーミングな笑顔を間近で見ることができたのは感激!ゲストは誰でもいらっしゃってくれたら感謝したいのですが、フランス映画祭なのに、スペイン人のダンサーさんやら、ネイティヴアメリカンさんやらの姿があって、純然たるフランス映画界のフランス俳優があまりにも少ないのですもの・・・。というわけで、『華麗なるアリバイ』はずいぶん先になるけど配給予定があるから今回は観なくてもいいかなぁって当初は思っていたのだけど、アンヌ・コンシニに会えるなら今回鑑賞せねばってことに相成りー。

そんなわけで、2010年公開予定の『華麗なるアリバイ』(仮)以外は、日本で配給される予定のないものを鑑賞ー。さすがの私もホラーナイトっていうのはいろんな意味でちょっとちょっと、、だったので、ジュリー・デルピー監督作に臨むのは断念し、計6本鑑賞しました。イマイチっていうのはなくて、観たものはどれもよかったです。とりわけ印象的でお気に入り度が高かったのは、『美しい人』と『西のエデン』かな。

鑑賞作の個別レヴューは後日時間があったら、あと1、2本くらい書くかもしれないけど、書かないかもしれないので、とりあえず鑑賞メモ+ぷち感想を。

『美しい人』 LA BELLE PERSONNE ドラマ

監督:クリストフ・オノレ
撮影:ローラン・ブリュネ
出演:ルイ・ガレル、レア・セイドゥ、グレゴワール・ルプランス=ランゲ

サインする監督の写真もアップした個別記事は→コチラ


『コード』 LE CODE A CHANGE 

監督:ダニエル・トンプソン
出演:ダニー・ブーン、パトリック・ブリュエル、エマニュエル・セニエ、クリストファー・トンプソン

フランス映画祭常連のダニエル・トンプソンのコメディな群像劇。神様、大人の世界ならではのブラック・ユーモアにあふれていて、とても面白かった。冒頭の主人公が婦人科の診察台で脚を広げている状態で会話するショットからして、ベテラン女流監督らしいつわものぶり。夕食会に集う友人知人たちは総勢10人以上の賑やかさなんだけど、フランス映画好きにはお馴染みの顔ぶれが楽しくて。痛く毒々しいエピソードもサラリと笑いに包んで描写するパワーに感服。妹の歳の差ダーリンと父が知らずに意気投合しちゃう場面とか心温まるユーモアも心にくく。


『顧客』 CLIENTE 

監督:ジョジアーヌ・バラスコ
出演:ナタリー・バイ、エリック・カラヴァカ、イザベル・カレ、ジョジアーヌ・バラスコ

ナタリー・バイ扮する50歳バツイチのジュディットは、パトリックという男の上顧客という物語。ネットのサイトを通じての体の関係を求める出会いが描かれていて、『ポルノグラフィックな関係』を思い出す設定。が、体から始まったものが次第に・・・、とコトは単純には運ばず、彼の妻が絡んで複雑になっていくというのがおもしろく。イマドキならありふれた設定のようで、なかなかない物語展開だったので引きこまれてしまった。ナタリー・バイって本当はもう60歳くらいだなんて、ビックリする美しさ!姉役を演じた監督は、ネイティヴ・アメリカンの俳優ジョルジュ・アギラは監督のパートナーだそうで、劇中でもごちそうさまって感じで。


『シークレット・ディフェンス』 SECRET DEFENSE 

監督:フィリップ・ハイム
出演:ジェラール・ランバン、ヴァヒナ・ジョカンテ、ニコラ・デュヴォシェル、シモン・アブカリアン、ラシダ・ブラクニ、オレリアン・ウィイク

テロリストと諜報部員の戦いを描くアクション・スパイ映画。ハリウッド映画みたいな題材、テイストで、こういうのをフランスで作ると微妙なケースもあるんだけど、これはちゃんと面白かったな。ハリウッドものと同じく、今スパイ映画というと敵はやはり中東の組織で、フランスらしくゆかりの深いレバノンなのね。雇われたばかりの女子学生がそんなに重要なミッションを務めるなんてありえないような気もするんだけど、それゆえの危なっかしさがハラハラ度を高めてくれた感じ。若い女子が主人公なのに、観客が共感を覚えるようなキャラクターにはしていない非情なクールさがいいかも。人間性を捨てるスパイという生き方の内面に改めて興味を抱き。


『華麗なるアリバイ』(仮題) LE GRAND ALIBI 

監督:パスカル・ボニゼール
出演:ミュウ=ミュウ、ランベール・ウィルソン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ピエール・アルディティ、マチュー・ドゥミ、アンヌ・コンシニ、モーリス・ベニシュー

アガサ・クリスティーの小説「ホロー荘の殺人」が原作のサスペンス。
サスペンスとしては普通に面白く。犯人は誰かとか、トリックとかにはそんなに興味はもてないんだけど、男と女のやり取りや、集う人々の間に流れる不穏な空気やらが見どころでした。テデスキはいいなぁ。マチュー・ドゥミがカッコよくなくなってたのがちょいと哀しく。

d0029596_12431624.jpg☆トークショーの進行役は、映画評論家の梅本洋一氏でありました。梅さんったら、ああ見えても、フランス留学経験者なんですね。話の振り方が六本木シネマズ会場らしからぬいかにもなもので。目の前にいるボニゼール監督よりも、ドワイヨンやデプレシャンの演出に興味があるのさ的な姿勢がありありなのは、なんか失礼じゃないかなぁと思えたんですが、通訳を介すればたぶんそんな感じには伝わらないと思うのでまぁいいのかな。そりゃあ、わたし的にも、アンニ・コンシニには『クリスマス・ストーリー』の話の方が聞きたいけれどさ。デプレシャンは地面に這いつくばるの?あら、ステキ。片や、ボニゼール監督は真面目な方で、アンニ・コンシニが冗談まじりに言ったシーンの撮り直しのことを、真顔で懸命に弁解しちゃうところには心配になりました。梅とボニの出方には、なぜか観客の私がハラハラしちゃう有様だった中、美しいアンヌ・コンシニのユーモアにあふれた朗らかに余裕ある態度には、和まされるのでした。本当にチャーミング。


『西のエデン』 EDEN A L'OUEST ドラマ

監督:コスタ・ガヴラス
出演:リッカルド・スカマルチョ、ジュリアンヌ・コーラー

現代の「オデュッセイア」たる映像叙事詩。密入国を目論む者たちであふれるエーゲ海に浮かぶ貨物船。エリアスの放浪の旅の物語。旅もの、ロードムービーで、移民の物語というのは思いきりツボなのだけど、語りくちがテンポよくて、スリリングな臨場感にあふれていて、思いのほかガッツリ心掴まれた。状況説明はほとんどないままに、放浪・逃走の旅が始まって、流れ流れていくんだけど、序盤からすぐさまエリアスに同化するように、めくるめく展開をハラハラドキドキと体験することになった。巨匠の確かな手腕に感心。全てはユーモアにあふれていて、エリアスと一緒に多様なカルチャー・ギャップや袖擦り合う人々の人情に出会って波瀾万丈の旅を満喫。せつない最後のマジック。素晴らしいなぁ。


運営スタイルには不満は尽きないながら、映画には満足。フランス映画、大好きー。
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by CaeRu_noix | 2009-03-18 12:33 | CINEMAレヴュー | Trackback(4) | Comments(10)
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Commented by margot2005 at 2009-03-18 23:06
こちらにもお邪魔を...
上記私も全て観ました。
「西のエデン」はスゴく!!良かったです。
「シークレット・ディフェンス」もスタイリッシュなフランスのスパイもので楽しめましたね。
Commented by BC at 2009-03-18 23:24 x
かえるさん、お久しぶりです。

東京ではフランス映画祭が開催されているのですね。
昨年までは大阪でも細々と開催されていたけど、
今年は大阪では開催されないのが寂しいです。。。

上映作品はセンスの良い作品が多そうですね。
特に『華麗なるアリバイ』(仮題)は興味あります☆
Commented by CaeRu_noix at 2009-03-20 09:49
margot さん♪
『西のエデン』は素晴らしかったですよねー。
フランス映画って、シネコンが似合わないものも多いのですが、これは大きなスクリーンで臨場感いっぱいのに体験することができてよかったですー。
『シークレット・ディフェンス』もそう、私好みのすたいりっしゅな作りで血が騒いじゃいました。
年末に観たすぱいもの『ワールド・オブ・ライズ』にはあまりノレなかったのに、こちらはドキドキ楽しめちゃいまして、フランスでもこういうのがちゃんと作れるんじゃんと嬉しくなりましたー。
そんなわけで作品的には充実していた映画祭でしたー
Commented by CaeRu_noix at 2009-03-20 09:53
BC さん♪
お久しぶりでーす。
そうなんですよ。去年はまでは大阪会場もあったのに、とうとう今年は六本木会場のみ(それも日中は1スクリーンのみ)の開催となってしまいました。
せっかくのお祭りなのに寂しいですよねー。
『華麗なるアリバイ』の監督は来日中に京都に足を運んだそうで、そんなふうに京都観光を望むゲストだっているんだから、大阪会場あった方がいいのにーって思いました。
年々スポンサーの数も減っている感じで予算的にとても厳しいのでしょうけど、あまりにも寂しくなりすぎ・・・。
『華麗なる~』は配給されることになっているので、興味がありましたら、ご覧あれー。
Commented by シャーロット at 2009-03-20 19:32 x
ぼんそわ~
アンヌ・コンシニはホントチャーミングですねえ・・・
こういうお姉さん?になりたいw
映画も何気に豪華俳優陣?テデスキの来日もちょっと期待はしていたのですが; 映画は楽しみにしてまする。

やはり「西のエデン」は良かったのですね~。
見たかったな;;
Commented by CaeRu_noix at 2009-03-21 00:01
シャーロット さん♪
アンヌ・コンシニ、好感度あっぷあっぷですよー。
アンヌって、年齢こそビノシュより上だったりしますけど、映画界の第一線で活躍するようになったのがまだこの数年に過ぎないせいか、お高くとまっている感じが一切なく、全くもって気さくな雰囲気を醸し出してました。
知的な品のよさを保持しながらも、カラっとフレンドリーなんですもの。
これ以上のものはないというくらい理想的な印象でしたわん。
そういうお姉さんになりたーい。
サンドリーヌ・ボネールになりたーいって思っていた私だったけど、アンヌ・コンシニにもなりたーい。
って、思うのは自由ーってことで・・・。;
テデスキは、一昨年の諏訪監督の主演作の時でさえ来てくれなかったんだから、このくらいの役では当然来ないでしょうねぇ。w
主演のルイ・ガレル、来いよー
『西のエデン』は旅もので移民ものなので、私はすこぶる好きなテーマでした。
シャーロットさん好みかどうかはわかりませんが、とりあえず素晴らしくよい映画でしたよー。
巨匠作品なのだから、配給されたらよいですねー。
Commented by moto at 2009-03-25 10:02 x
毎年観れなかったんですが13日たまたま休み取っていたので『コード』だけ観れました!
とてもフランスらしい映画で久しぶりにいい映画観たぁ!って思えました♪


Commented by CaeRu_noix at 2009-03-25 12:17
moto さん♪
おお、今年は行かれたのですね。よかったですー。
フランス映画って、近年は配給されるものが本当に少なくなっているので、映画祭ではかなりの秀作に出会えるのですよねー。
楽しんでいただけて何よりでした。
Commented by Minita at 2009-03-26 22:48 x
かえるさん、こんばんは~!
私は「美しい人」「コード」「顧客」「未来の食卓」の4本見ました。
どれもありそうでなかなか出会えない作品で、とても楽しかったです。
「コード」はあの消化に悪そうな夕食会が楽しかったですね~。
そして、冒頭のあのショットはインパクトありました。!
患者に脚ひろげさせたまま、私用電話なんてやめましょ~・・・・。
「顧客」は話は面白かったのですが、
マルコ役の男優さんが、田中健を若くしたみたいでどうも好みではなかったのが、いまひとつのれなかった原因のようです・・・(汗)
「西のエデン」は見られなかったのですが、かえるさんのコメントを読んで、見なかったことを後悔しました・・・。
来年はもう少し見やすい上映スケジュールだと嬉しいですね。


Commented by CaeRu_noix at 2009-03-28 00:08
Minita さん♪
4本ご覧になりましたかぁー。
『未来の食卓』も興味深いですー。
13日の3本はどれもフランス映画らしい映画でしたよねぇ。
あらすじ的には珍しくもないのだけど、味付け方がいかにもフランス的で味わいがありました。
『コード』のシニカル、ブラックな笑いもたいそう面白かったですー。
そう、あのショット、脚を広げたまま、ごくごく日常的な調子で語らっちゃうもんだから、画的にはすごく可笑しかったですー。
ベテラン女性監督にしか撮れない画だと思えましたわん。
『顧客』の彼は正統派のイケメンではなかったですよねぇ。
でも、それゆえのリアリティがあったかなぁとも思えます。
あの彼は『西のエデン』にも出演していたので、結構活躍している俳優なのかしら。
『西のエデン』はいわゆるフランス映画系ではないんですが、社会派巨匠監督が撮ったゆえの確かな手ごたえのあるものでしたよー。
ホント、皆が観たい作品を観る機会がもうちょっと増やせる配慮あるスケジュールを組んでほしいですねー。
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