かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』
2009年 04月 14日 |
トイレはオアシス。吐き出そう。

美人のママと豪邸に暮らすチャーリー・バートレットは成績優秀なのに、高校の退学を繰り返していた。



現代人のココロのモンダイが描かれつつも笑えてハートウォーミンな学園もの。ウェス・アンダーソン作品っぽいテイストかなーって思っていたんだけど、それほどのビビッド感はなく。でも、通じるものはあるかなーって思える風変りな面白さがありました。飄々としたチャーリー・バートレットくんは一見捉えどころがない感じで、共感度の高いキャラではないんだけど、なんだかんだいって憎めないカワイイ奴。学校という社会の縮図的な場所で、うまく生きていくことは本当に大変だってことはよくわかるから、正しきこととは言えないチャリー流の世渡りだって応援せずにはいられない。

高校生の生態は世界共通の部分もあるのだろうけど、アメリカならではのエピソードが興味深かったな。そう、アメリカは高校生であろうが何であろうが、悩みごとときたらセラピー、カウンセリングなシーンにつながるのだよね。精神分析されて、挙句は、ちょろっと症状を聞いただけで、いとも簡単に薬を処方してくれるとは。それはもちろん、虚構の物語ならではの誇張なのだろうけど、日本では生まれない物語設定にちょっと驚きつつ、精神医療の問題点も垣間見るようで。そりゃあ、頭は切れるが心にゆとりのないチャーリーが、それを利用してビジネスしちゃうのも必然かもね。薬を商品に転用し、セラピーの方法をも学校での商売道具にしちゃう学習能力の高い聡明?なチャーリー。

学園ものの青春ドラマとしてはよくあるパターンなあらすじだと思うのだけど、ノーテンキ一辺倒路線じゃなくて、現代人のヤマイ感を節々に感じるところが面白かったんだよね。『イカとクジラ』ほどに極められてはいないにせよ。飄々高校生のチャーリーの不安定さも、在校の女子高生の父親でもある校長先生の憂鬱も似たようなものという感じで。心の奥の蟠りが晴れないまま、自分に自信が持てないままに、日々をうまくやり過ごすことにいっぱいな姿が痛々しい。よりによってチャリーがつき合う相手が校長の娘だなんてのはドキドキしちゃったし。ロバート・ダウニーJrが校長先生でお父さんだなんて、最初は違和感を感じたのだけど、哀愁の滲む銃を持った酔っ払い姿はあまりにもハマリ役。

校内に監視カメラを設置するっていうくだりもリアリティのある今日的なもので印象的だったな。犯罪防止をにらんで設置を決める学校側の判断もごもっともと思える現代であり、そこまで来てしまうことにはやっぱりゾッとしてしまう哀しき監視社会。だから、カメラをぶっ壊すべくみんなが一丸となって大暴れしちゃう展開には、一抹の不安感をも感じつつ、とりあえず爽快。未熟な高校生の悪だくみは、時には常軌を逸脱したものになるから、侮れないっちゃー侮れないものだけど。みんな何かに欠乏しながら、それでもどうにか踏ん張って生きているのだから、もっと信頼してあげようねって。大人もティーンエイジャーもそれぞれにタイヘーンなのだ。
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by CaeRu_noix | 2009-04-14 23:59 | CINEMAレヴュー | Trackback(7) | Comments(4)
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Commented by 哀生龍 at 2009-04-16 05:56 x
>悩みごとときたらセラピー、カウンセリングなシーンにつながるのだよね
色んな映画で、中高生が精神科医に当たり前のようにかかる、ホームドクターとして馴染みの精神科医がいると言うのを見るにつけ、日本でも気軽にカウンセリングしてもらえたら、中高生が起こす事件が減るんじゃないかと思って来ました。
が、この映画を見て、簡単に精神科の薬が手に入る(この映画は大袈裟に描いているとは思いますが)のは、それはそれで怖いなと・・・

>みんな何かに欠乏しながら、それでもどうにか踏ん張って生きているのだから、もっと信頼してあげようねって
まず疑って入るより、まず信頼してあげよう。 裏切られることが多い世の中だけど・・・(涙)
Commented by CaeRu_noix at 2009-04-17 07:34
哀生龍 さん♪
ソファーに横たわって自分を語る精神分析のシーンは映画的にはすごく面白いなぁって思うけど、果たしてどれほどの効果があるのか、日本人の私にはよくわかりません。でも、それほどに一般化しているってことは、効果が認められているからなんでしょうかね?薬でウツな気分が晴れるならそれはそれで素晴らしいって、アメリカ映画の2,3を見た時に思いましたけど、やっぱり基本的には薬とかむやみやたらに医者にかかることに抵抗のある私だったり。とにかく何でも今は(健保の負担率がかわってから)医療費の高さを痛感するので、日本で歯科内科ほどにポピュラーになっても、皆が気軽にカウンセリングとはならない気もしますー。精神科にかかるのはお金持ち特権になるかも。あ、日本人は精神科医より占い師が好きなのかしら?すぴりちゃる系なんかが流行るよりは科学に基づいた精神科がポピュラーになるのがいいのか?中高生の場合で考えると、保健室の先生が多機能的になればいいのかも。
薬出しまくりっていうのはホントに怖いです。製薬会社の策略なんてのもあるのかも。チャーリーみたいに嘘の症状を言って薬を余計に手に入れる人って実際にいそうですよね。
Commented by rose_chocolat at 2009-06-08 09:09 x
再度お邪魔します。 ソリストの記事が目に付いたのですが、同じロバートものでも個人的にはこちらの方が好きで、しかも鑑賞されている方が非常に少なく(!)、嬉しさのあまり思わずTBさせていただいちゃいました。

チャーリーが自分の居場所を懸命に作っていく様子ってすごくいじらしかったです。子供たちが生きていくのって今は本当に大変なんですよね。違法スレスレ、あるいは違法?なんだけど、それが支持されてしまうあたりもまた現代の子たちなのかなと思いました。
ロバートのキャラもここではすごくナチュラルで、最近極端な設定が多かった彼の素の表情が垣間見えて、とても素敵でした~。
Commented by CaeRu_noix at 2009-06-09 00:10
rose_chocolat さん♪
これは先日倒産しちゃったワイズ・ポリシーの配給作品なんですよねぇ。封切られた中では最後の作品って感じでしょうか。だから、もはや、広告宣伝に力が注がれていた感じでもなくて、一般的な映画ファンでは、観た人が少なかったんでしょうかね?
アメリカ製のヒューマン・ドラマとは相性の悪い私も、アメリカの青春ものは大好きなので、こういうのは外せません。

どこのコミュニティでもうまく生きていくのって大変ですよねー。
でも、学校という場所はとりわけサバイバルが困難な場所だって思います。
これはコメディであったけど、そういうしんどさも伝わってきたのがよかったですよね。
チャーリーの学校生活とても興味深かったですー。
主演ではなかったけど、ロバートものとしてはこちらの方がハマり役でしたよねー。
最初は、女子高生の父親で校長先生だなんて似合わないなぁと思って見ていたのですが、後半に思いきりお似合いの場面がありましたよねー。
そうですね。トロピック・サンダーみたいなのもハマり過ぎだけど、ナチュラルな姿も見たいですよねー。
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