かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ある公爵夫人の生涯』 The Duchess
2009年 04月 17日 |
充実のコスチューム・プレイ。ダイアナというより落ち着いたマリーなところがツボ。

18世紀後半のイギリス。貴族スペンサー家の17歳の娘ジョージアナは、デヴォンシャー公爵のもとに嫁ぐことになった。



アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞しているということで、きらびやかな衣装を中心に、美術的な映像面がすこぶる楽しみだった本作。物語的にはまた、『ブーリン家の姉妹』と同じような、世継問題の重圧に苦しむ女のドロドロ愛憎劇かなと思っていたのだけど、イメージしたほどにドロドロもしていなかったような。重苦しい嫌な気持ちに囚われるというのでもなく、ほどよくドラマティックな見ごたえのある豪華コスチューム・プレイに仕上がっており。

スペンサー家というのはダイアナ元王太子妃の生家の祖先になるそうで、本作の主人公の公爵夫人の境遇がダイアナ元王太子妃の境遇と重ね合わせられて宣伝されていることに気づいてビックリ、ゲンナリ。確かにね、このエリザベスが絡んだ奇妙な三角関係からは、カミラララーの存在を思い出すこともできるよね。アナつながりの美しくて聡明で人気者なファッションリーダーであったジョージアナとダイアナは、同じ穴のムジナってことはないけど、共に偕老同穴とはいかず繋がり?まぁ、何にせよ、ダイアナとダブらせてより興味をそそるように宣伝されているとは後で知ったこと。

で、そんなことよりも、私としては、ジョージアナの境遇って、『マリー・アントワネット』と同じじゃないかーっていうところが惹きこまれるポイントだったの。ソフィア・コッポラばりにカラフル、ポップな描写がされていたら、もっとツボにはまったかもしれない?でもやはり、イギリスの物語は格調高くしっとり正統派な演出が最適だろうね。そんな独特の味付けはなくても、マリーとジョージアナの結婚生活の実態、その心情と関心事をダブらせて興味をもっちゃった。次から次へと登場する華やかファッショナブルなドレスの多彩さといい、頭の上にこんもり高く盛り上がったヘアスタイルまでもマリーと同じだぁって、ワクワクと目はスクリーンに釘付け。

時代的には『プライドと偏見』とも同じような頃なんだけど、あちらは田舎舞台で幾分素朴なドレスだったのに比べ、屈指の裕福さを誇る貴族の公爵夫人が社交界で身にまとうものといったら、それはもうハイセンスで色とりどりに煌びやかなんだよね。そんなわけでフィクションの物語の田舎と比べるよりも、国は違えども、実在の人物で時代も同じであるマリーとジョージアナの結婚した年代がほとんど同じことが後で確認できて感激。公式サイトによりますと、2人は友人としてのつき合いがあって、いくつかの互いの共通点を見出していたらしい。

ソフィアのマリーはひたすらおしゃれや遊びに耽るばかりだったけれど、こちらのジョージアナは政治にも関心をもって、聡明に意見を述べ、党の応援でも才覚を発揮していた。ファッションの最先端をいく煌びやかな存在でありながら、政治的な部分でも影響力を示していたというは何ともカッコいい。夫の真っ当な愛情を受けることがなかった不憫な夫人ではあったことも事実なのだろうけれど、一方では毅然と自身の生き方を見出していった強く自立した女性だったのだなぁと心打たれるのだった。

キーラには果たしてコスプレが似合うのかがいつも半信半疑なのだけど、キリリとした生き様を見せてくれるこの役どころはピッタリだったかも。すごく嫌な奴かと思いきや、彼なりに生きづらさを感じて不器用な男である公爵の人間味を垣間見せてくれるレイフもやっぱり上手いなぁって思った。でもね、希望の星のチャールズ・グレイばかりは他の人の方がよかったなぁ。『マンマ・ミーア』の時も何故この男がヒロインの相手役なのかがわからなかったんだけど、ドミニク・クーパーって欧米人から見たら魅力的なのかな?もっと端正な爽やか青年ルックスの人を希望。人間関係は意外とシンプルだったので、キャスティングの不満点は1点のみ。長編劇映画はこれが初だという監督ソウル・ディブの撮り方には充分にセンスを感じたし。監督は初だけど、撮影が『ホテル・スプレンディッド』と『いつか眠りにつく前に』を手がけた人ということで納得の仕事ぶり。めくるめくコスプレ歴史劇のゴージャス感を大いに満喫。
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by CaeRu_noix | 2009-04-17 07:24 | CINEMAレヴュー | Comments(4)
Commented by cinema_61 at 2009-04-24 21:36 x
こんばんは。今日観てきました。
想像以上に格調のある作品で満足!
おっしゃるとおり主役の3人が適役なのに、ドミニク・クーパーはミスキャストだと思いましたよ。
衣装が素晴らしく、タイムスリップした気分になれました。
Commented by CaeRu_noix at 2009-04-25 22:08
cinema_61 さん♪
これは劇場鑑賞必須ですよねー。
私としても思った以上に、センスよくしっかりと作られた映画だったので、しっかり楽しめました。
山高ヘアーが燃えちゃうシーンとか映画的なキメ方は押さえられているなーって思えました。
野外での徒競争シーンの初まりからして素晴らしいと思ったんですよ。
なのに、その冒頭の場面で、主人公のキーラが好意を抱いているらしい彼が映った時、この人じゃー胸キュン度が半減だよなぁってガッカリしました。
ドミニク氏はちょっとね・・・ってのをcinema_61 さんにも賛同していただき嬉しく。
若手のイギリス俳優にはいくらでももっとステキな人がいると思うのだけどなぁ。
衣装はホントーにステキでしたよねー。もう一回見たいくらい。
Commented by 真紅 at 2009-04-27 15:25 x
かえるさーん、こちらにもお邪魔します。
私も、ドミニク・クーパーって謎でした。『マンマ・ミーア!』でも・・・。
もうちょっとパンチのある俳優さんに演じて欲しい役どころでしたね。
ちょっと印象が弱かったです。顔が好みじゃないだけ、という説もありますが(汗)。
コーン・ヘッズみたいな頭がすごかったですよね。。マリーさんを思い出しました。
ではでは、また来ます~。
Commented by CaeRu_noix at 2009-04-27 23:18
真紅 さん♪
こちらにもありがとうございますー。
やはり!ドミニク・クーパーはOUTですよね・・・。
そう、『マンマ・ミーア!』でも、せっかく主演格の若い男性は限られた貴重な存在なのに、よりによってなんでこの人がヒロインの相手役なのー?!って不思議でした。
でも、あちらはメリル様からしてミスキャストだったので、キャスティングのことはもう仕方ないやっていうレベルでした。
しかーし、こちらは主演陣はかなり素晴らしい配役なだけに、彼のキャスティングばかりが悔やまれますー。
まぁ、そう、演技力がどうこうっていうことじゃなくて、ルックスの問題なんですがー。
ジム・スタージェスくんとかさー。マカヴォイくんだとつぐないと同じになっちゃうか・・
公爵夫人のヘアースタイルもゴージャスにそびえたっていてすごかったですよねー。
コーン・ヘッズちっくですねー。ヘドヘッドにも負けませーん。
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