かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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「イタリア映画祭2009」
2009年 05月 08日 |
「イタリア映画祭2009」(4月30日~ 5月5日有楽町朝日ホール)の鑑賞メモ 8+1



『ソネタウラ-“樹の音”の物語』  Soneta`ula
監督:サルヴァトーレ・メレウ(Salvatore Mereu)

-1937年、父が誤って逮捕されたため、12歳にして父の後を継いで羊飼いとして働くことになったソネタウラ(樹の音)というあだ名の少年は、18歳の時に人生を大きく狂わせる事件を起こしてしまう。サルデーニャ山岳地帯の大自然を背景に、懸命に生き抜こうとする少年の半生が壮大に描かれる。08年ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品。-

サルデーニャの羊飼いだなんて、素材・映像的にはとても好みでした。
ちょっと長かったけど・・・。


『見わたすかぎり人生』 Tutta la vita davanti
監督:パオロ・ヴィルツィ(Paolo Virzi`)

-優秀な成績で大学を卒業したが、正社員の職にはなかなか就けないマルタ。ようやく見つけたのは、コールセンターでのパートタイムの仕事だが、そこには厳しい競争原理が導入されていた。-

伊映画祭はいつもシリアスな作品が多い感じなので、こういう笑えるエンタメはすこぶる楽しい。主演のイザベッラ・ラゴネーゼもチャーミングで、興味深い現代的なテーマがテンポよく面白おかしく描かれているのがよろしいです。


『イル・ディーヴォ』 Il divo
監督:パオロ・ソレンティーノ(Paolo Sorrentino)

-7期に渡って首相を務める一方で、裁判にかけられ物議を醸した戦後イタリアを代表する政治家の一人、ジュリオ・アンドレオッティ元首相を題材に、イタリア政界の裏側を描くソレンティーノ渾身の一作。2008年カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。-

伊映画祭はいつも奇をてらわずシンプルなつくりの作品が多い感じなので、こういうメリハリのある演出、スタイリッシュ映像のものはすこぶる楽しい。ソレンティーノ、好きです。


『赤い肌の大地』 La terra degli uomini rossi
監督:マルコ・ベキス(Marco Bechis)

-ブラジル南部の農園で、慰留区に閉じ込められ、貧困や自殺者の増加に苦しむ先住民は、先祖の土地に移り住むことにする。だが、そこは今や入植者の所有地。先住民と入植者の間で争いが生じるが、その一方で交流も始まる。2008年ヴェネチア国際映画祭コンペ部門出品。-

先住民の物語というのは結構好きなんだけど、イタリア映画祭で見せられても・・・。


『パ・ラ・ダ』  Pa-Ra-Da
監督:マルコ・ポンテコルヴォ (Marco Pontecorvo)

-チャウチェスク政権崩壊から3年、ルーマニアのブカレストには、ストリートチルドレンがあふれていた。盗み、売春、ドラッグ、喧嘩といった問題が絶えない日々。パリから来た道化師のミルーは、サーカスを組織することによって、劣悪な環境から彼らを救い出そうとする。08年ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品。-

ストリートチルドレン×サーカスなんて題材的には好みなんだけど、イタリア映画祭で見せられても・・・。


『ミケランジェロのまなざし』Lo sguardo di Michelangelo [2004年 15分]
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ (Michelangelo Antonioni)

巨匠アントニオーニの短編の併映をグラッチェ。
ルネサンス期の芸術家ミケランジェロの彫刻を見つめる映画監督ミケランジェロという構造が感慨深いのです。アントニオーニの映像でとらえられた彫刻がこれまた美しくて。


『プッチーニと娘』 Puccini e la fanciulla
監督:パオロ・ベンヴェヌーティ (Paolo Benvenuti)

1909年、トスカーナ地方で、ジャコモ・プッチーニはオペラ「西部の娘」の作曲に取り組んでいた。その矢先に、彼との浮気の容疑をかけられたメイドのドーリアが自殺する事件を新解釈したプッチーニ生誕150周年記念作品。2008年ヴェネチア国際映画祭特別招待作品。

期待通りの美しい映画。会話がないということだったから。ひらすら淡々と進むのかと思ったら、思ったより人物の輪郭が濃くて、ドラマティックな印象でした。音楽以上にショットが心に響くのでした。


『運命に逆らったシチリアの少女』 La siciliana ribelle
監督:マルコ・アメンタ(Marco Amenta)

シチリアの少女リタは、マフィアのメンバーだった父と兄を、内部抗争で失ってしまう。復讐に燃えるリタは、17歳の時に危険を顧みずマフィアの実情を検事に告発する。だが、その日からリタの命は狙われ始めるのだった。08年ローマ映画祭都会のアリス部門出品。

実話ベースゆえのドキドキ痛ましいものでした。


『ゴモラ』 Gomorra
監督:マッテオ・ガッローネ(Matteo Garrone)

暴力と血と金に塗れたナポリの犯罪組織「カモッラ」の実態と、マフィアの掟に従わざるをえない市民の実情が、並列的に語られる5つのストーリーとともに、仮借なくまざまざと映し出される。2008年カンヌ国際映画祭グランプリ。

東京国際映画祭の上映時に観ていたら、他の映画が個性的だったために本作はさほど印象に残らなかったような気がするのだけど、本映画祭での鑑賞となったおかげで手ごたえがありました。日常感のさりげなさの中、要所要所がキマっていたなと感じられ。いくつかのエピソードでは少年がフィーチャーされているのが惹かれるポイントでもありました。


時期のせいか主催者と宣伝のせいか盛況なイタリア祭。朝日ホールのイスは相変わらず疲れるし、眠くなってしまったものもあったけれど、全般的には楽しめました。他の映画祭に比べると、突出したものに出会う比率が低いというのはいつものことながら、『ゴモラ』とか『イル・ディーヴォ』とかが観られてよかったし、アントニオーニやベンヴェヌーティ作品の美しさにはウットリしたし。イタリアにまた行きたくなりますねー。パレルモの商店街を懐かしく思ったりー。
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by CaeRu_noix | 2009-05-08 23:59 | CINEMAレヴュー | Trackback(2) | Comments(6)
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「Puccini e la fanciulla 」...aka「Puccini and the Girl 」2008 イタリア ドリア・マンフレディにタニア·スクイッラーリオ。 ジャコモ·プッチーニにリッカルド·J·モレッティ。 エルヴィラにジョヴァンナ·ダッディ。 フォスカにデボラ·マッティエロ。 ジュリアにフェデリカ·ケッツィ。 監督、原案、脚本にパオロ·ベンヴェヌーティ。 作曲家として成功を収めたプッチーニは家族と共にトスカーナの湖畔の町トッレ·デル·ラーゴの屋敷に住み、新...... more
Commented by シャーロット at 2009-05-09 14:15 x
お疲れ様でした。
やはり3日はもうちょっと早く予定をたてておけばよかったー;;
なんか時期的に大盛況ですよねー。
そうそうシリアスで上映時間も結構長かったものが多かったような…肩が凝ったり首が凝ったり。でもなんだかんだと言いながらもいつもの年より観ていたかも。思ったより堪能出来てしまって嬉しかったのでした。…というのも、今年は音楽の方をあきらめたから、なのかw
それにしてもラフォルジュルネも大盛況・・・
かえるさんもこんなに見ていたのねー。またどこかでお会いしませう♪今度はびあ4杯ワイン1本ww
Commented by CaeRu_noix at 2009-05-10 01:55
シャーロットさん♪
3日は残念でしたー。
イタリア映画祭って、岩波ホール付の人たちみたいな感じで、上映作品の好みなんかと関係なく、通うことが定着している層が増えている感じで。
実直にシリアスな映画は基本的には好きなんですけど、映画祭の連続鑑賞の中では、あまり魅力を感じないんですよねー。
なんか個性的なインパクトを求めてしまうかも。
まぁ、今回は全体的なラインナップはよかった方かもしれません。
ラフォルジュルネは合間の無料演奏を聴こうと思ったのに、全然時間が合わず、チケとった有料もの1回きりで終わりました。
イタリア映画3本、ビール、ビール、カクテル、イタリア映画3本、ワイン、ワイン、カクテル、バッハコンサ、イタリア映画2本、ワイン、ワイン、ワイン、アジア映画2本、ワイン、ワインな連休ー
本数はまぁまぁ観ましたが、こんな調子なので、朝一の回は敬遠。
ええ、今度はコーヒー1杯程度ではなく、ビア、ビア、ワイン、ワインな時間をもうけましょう♪
Commented by マダムS at 2009-05-10 20:43 x
たくさんご覧になりましたね~! たくさんのアルコールと共に♪
ル・シネマ付、シャンテ付、岩波ホール付・・ で朝日ホール付なーんて、
通うことが定着してきたわたくしですが(笑)今年は長編5本しか観れず残念です。。 
そーね、イタリア映画祭では私もイタリアが舞台の作品を求めちゃうかな。 「運命~」も実話ベースでしたか! 映画の内容と関係なく、シチリアも行ってみたいー!パレルモ!ストロンボリ!サルデーニャもっ!
すみません、他所様のところで騒いで。

ところで ブログ4周年のお祝い出遅れましたが、オメデトウございます。
最近すっかり鑑賞ペースが落ちてしまってなかなかお邪魔出来ませんが、新作の感想これからも楽しみにしております。
Commented by CaeRu_noix at 2009-05-11 22:08
マダムS さん♪
観ました、飲みましたな四連休ー。
やはりマダムといえば、仏&伊映画祭ですよねー。
マダムといえば(笑)、開会式とトークイベントのお人でしたが、今回は平日には行かれなかったんですよね。
でも、鑑賞作が全部かぶった私に言わせていただくと、その中では、マダムの鑑賞作は的確なセレクトだったんじゃないかなと。
イタリア舞台じゃない映画は、初めから承知で選んだのですけど、例によって・・・なシリアストーンでありまして、感銘は低めでしたのよ。
イタリアといえば、きらめきの観光地なんだけど、今回観た映画ではそういう意味での魅力的な風景はあまりなかったですよね。
パレルモに二泊した私にはなつかしい風景はあったんですが。
アルベロベッロ舞台の映画はないのかしらん。チステルニーノとか。
イタリア旅行は何度でも行きたいですよねー。

お祝いコメントありがとうございますー。
ブログを始めた初期の頃にやり取りしたマダムに、今もなおコメントいただけるのは嬉しいことですー。
私の方は3、4年前より鑑賞数が増えるという有様ですが・・・
マダムもどうか、ご無理なさらず、休み休み、映画もブログもゆったり続けていってくださいましー。
Commented by たかこ at 2009-05-12 17:37 x
彼が捉えたミケランジェロの彫刻の映像、美しそう~。まだギリ生きておられたアントニオーニのお仕事をご覧になったのですね!
わたしは不覚にもイタリア映画祭のHPを見るのを怠ってました。。

映画祭、楽しまれたようで何より♪
かえるさんも長生きしてくださいネ。
Commented by CaeRu_noix at 2009-05-13 00:08
たかこさん♪
『ミケランジェロのまなざし』っていうタイトルだけでウットリしちゃうんですが、その映像はそれはもう美しかったですよー。
映画に登場する彫像ってかなり好きなんですけど、これは映像で見る彫刻の史上のベスト3に入りますな。
その後しばらくしてこの世を去ってしまうことを知っている私たちが彼のその姿を見るのも感慨深く、天使の存在を感じちゃうんです。
アントニオーニの映画って、どっちかというと翳りを感じさせるものが多いんだけど、遺作なエロスの短編とかこれとかに関しては、神々しい光のイメージなんですよね。

そうそう、そんな彼の映画が見られるなんて、イタリア映画祭も侮れませんね。
そうよね、たかこさんは映画祭はいちいちチェックしないですよね。
アントニオーニのもやるよーってお知らせすればよかったわね。
いつも自分のスケジューリングのことばかりで頭がいっぱいでごめんちゃい。
わせだで夏物語やっているよー。w

おかげさまで映画祭、満喫できました。
たかこさんも栄養とって体を鍛えて、長生きしてくださいね。(笑)
私はあまり長生き願望はないんだけど、やりたいことが限りなくあるうちはまだまだ死ねませんよねー。
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