かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『8月の終わり、9月の初め』 Fin août, début septembre
2009年 05月 17日 |
きゅーん。



オリヴィエ・アサイヤス特集@東京日仏学院 にて

編集者のガブリエルは、長年付き合ったジェニーと別れ、アンヌと付き合い始める。そんな時、敬愛している友人の小説家が病で倒れる。
(1998年)

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マチュー・アマルリック・・・ガブリエル
フランソワ・クルーゼ・・・アドリアン
ヴィルジニー・ルドワイヤン・・・アンヌ
ジャンヌ・バリバール・・・ジェニー
ミア・ハンセン=ラヴ・・・ヴェラ

ナチュラルな感触のみずみずしい群像劇。時に痛々しく、でも眩くきらめくそのアクチュアリティにキューン。エレガントな『感傷的な運命』(2000)もまた素晴らしかったけれど、それとは全く異なるスタイルで恋人たちの日常がザラつきながらも繊細に切り取られたこの映画もまた格別に好みであった。こうやって過去の作品に出会え、オリヴィエ・アサイヤスという映画作家を再発見し、彼のつくり出すもののステキさに改めて感銘を受ける。

この感触こそが現代のフランス映画の魅力の一つだよなって。だから、好みだといえるのだけど、そして僕は恋をする的に、デプレシャン風味じゃない?マチュー・アマルリックが主演だから、そう思うというのもあるけれど。いつだってモテモテマチュー。それがいたって自然と感じられるほどに、ひと際、マチューの表情をみずみずしくカメラが映し出すの。アサイヤスはとにかく女優の魅力を際立たせる監督だと思っていたのだけど、男優の撮り方だって見事なのだ。他愛もない会話のシークエンスでも、並んで話す2人の横顔をアップでとらえていて、相手に語りかけるごとにマチューがカメラの方を向くっていう瞬間の表情のキラキラ感がとてもよかったり。

この映画を撮っている頃、マチューはジャンヌ・バリバールと、アサイヤスはマギー・チャンとパートナーだったんだよね。なんてことを思うと感慨もヒトシオ。そこにある男と女の感情がリリカルに迫ってくるの。ジャンヌ・バリバールは今では、とことん高慢な女が似合うイメージなのに、こういう普通っぽい感じも繊細に演じられるのだなぁ。片や、どちらかといえば素直なお嬢さんタイプの方が板につくと思っていたヴィルジニーは情緒不安定のちょっと危ない男好きするタイプがハマっていて。アサイヤスのセンス、その采配と演出力に感心。

そして、若き恋人ヴェラの透明な美しさといったら。こういう雰囲気をもった少女をスクリーンに映し出そうという感性が嬉しくて。それが映画に欠かせないもの。15歳の少女とつき合っちゃうなんて、理性的には眉をひそめたくなるようなことだったりもするのに、ヴェラの透明な存在感にアドリアンと共に魅了されてしまうの。そう感じていたからこそ、、ラストシークエンスの素晴らしさにはノックアウト。写真でその姿を知っていたワケあり少女に偶然に出逢うなんてものすごく感動的だよね。ガブリエルの興奮が伝わってきた。それも彼女はもう次の新しい恋を見つけていて、笑顔で歩いているなんて。最高。

人は前に進み、世界は循環していることを感じるの。一つの死があっても、それで全てが消滅してしまうのではなくて、きっと関わった人たちに意味のある何かを遺しているのだよね。
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by CaeRu_noix | 2009-05-17 11:20 | CINEMAレヴュー | Trackback | Comments(0)
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