かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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『ミーシャ /ホロコーストと白い狼』
2009年 05月 21日 |
動物好きな女の子は可愛いけれど、人間ももうちょっと・・

ナチス・ドイツ占領下、“ユダヤ人狩り”で離ればなれになった両親を捜すため、8歳の少女ミーシャは3000マイルを旅する・・・。
原作はベストセラー「少女ミーシャの旅」



少女が野生の狼と交流しながら森の中を旅する物語だなんて、いつもだったらかなり好みなんだけど。自然や旅路に浮かれる余裕は微塵もない過酷な行程が描かれておりました。いつもの好みと違って、本作に限っては、ナチスの魔の手に怯えながら人家で暮らす前半の方が断然よかった。ミーシャはママのことが本当に大好きなのねーっていうのがとても微笑ましかったり、身分証検査があると学校の先生がユダヤ人の子どもたちだけを隠れされる場面に胸が詰まったり。エルネストじいさんとミーシャの交流模様にも心温まり。前半は四つ星感触だったのに。

それが、ミーシャの過酷な旅が始まってからは気持ちが離れ気味。そもそもミーシャがどこに向かっているのかさっぱりわからないままに、どんどん年月が経過し、幾度も国境を越えちゃっていたからビックリ。いえ、強制連行された両親を探すための旅だってことは、映画の紹介で知り得ていたことなんだけどね。8歳の少女が、この戦時下にたった一人で、どこにいるか全く見当もつかない親を探しに、コンパスを頼りに野道をひたすら東へ進むっていう行動をとったことにちいともリアリティを感じられなくて・・・。旅立ったこと自体から信じがたいものがあったのに、こんな過酷な旅を何百日も続けていたなんて・・・。ウクライナまで行ったのかよ。

人間って、目的地も見えないのに、その方向だけを目指してひたすら進むことができるものなんだろうか。たった一人で。8歳の女の子はもっと怖がりだと思うけどな。たった一人で知らない場所にいるだけで怖いのに、真っ暗な夜の森で何百夜も過ごしたなんて。お腹がペコペコで、雪まで降ってきたら、挫けちゃうよ。気力はもちろん、体力の消耗が甚だしいでしょう。こんな状況じゃ、どこかでとっくに凍死か餓死していそうなものだけど。で、これだけ過酷な旅路を生き延びたのに、ブリュッセルに戻ったら病気になっちゃうなんてね。ミーシャの凄絶な旅路にハラハラと胸を痛めるよりも、ウソ臭さに萎えちゃった感じ。

少女が孤独に3000マイルといっても、どんなエピソードを描くかで映画の印象は違ってくるはずだけど、本作は想像以上に、サバイバルな場面にあふれていて、その方向性、スタンスが好きになれなかった感じ。もっとファンタジックにするとか、心温まるエピソードに比重を置くとかっていう手もあるのにね。ドラマチックに見ていられないシーンが続くものだから、嫌気がさしちゃうの。強制収容所から脱走した少年の物語『アイ・アム・デビッド』みたいなものの方が好き。いえ、そんなふうに私の好みがどうこう言っている場合じゃないよ、だって、これって、確か実話ベースなんだよね?ミーシャの苦しさを真摯に受け止めなくちゃ。でも、この脚本、演出はなぁ・・・。うーん。

で、さっき知ったのだけど、これって、出版時は自伝小説という触れ込みだったらしいけど、実はそれは嘘でフィクションでしたって去年著者が告白したそうで。あり得なさに納得。
でも、旅立つ前までの前半部はかなり好きだったよ。ぬいぐるみ仕様の木馬に注目。
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by CaeRu_noix | 2009-05-21 22:13 | CINEMAレヴュー | Trackback | Comments(0)
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