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『夏時間の庭』 L'heure d'été
2009年 05月 24日 |
まぶしい緑。やわらかな光。優しい気持ち。
☆☆☆☆☆

ある夏の日、パリ郊外の町ヴァルモンドワにある一軒の邸宅。母の誕生日を祝うために三兄弟とその子ども達が久しぶりに集まった。



開館20周年を迎えたオルセー美術館の全面協力のもとに製作された本作。オルセー美術館といえばまずは、自分を含めた日本人も大好きな印象派。そんな印象派の画家たちがモティーフを求めて滞在したイル・ド・フランス地方の邸宅が舞台。オルセー美術館の所有する美術品の数々が映し出されることが単に興味深いのではなくて、陽光あふれる田園風景、印象派の絵画の世界に息吹がふきこまれることに感激せずにはいられないの。そして、アサイヤス監督自身も本作を "謙虚な意味で、偉大なジャン・ルノワールへのオマージュ"と述べているということを知り、そのまばゆい美しさにしみじみと思いを馳せるのだった。

私は、美術館という場所がとても好き。でも、その反面、現代人が効率よくまとめて鑑賞するという利便のために、歴史とドラマのある芸術品たちが、室内にズラリと陳列されていることが味気ないなと思ったりもする。絵画に関しては、そういう思いはそれほどでもないけれど、彫像などの立体作品や調度品について、ことにガラスケースに入ったものなどには、一抹の寂しさを覚えてしまうのだった。それが本来あるべき場所にあったら、どんなにかステキだろうにって。そんなふうに思うこともあった私なので、今や美術館で眺められるだけの芸術品が、人の生活空間の中に存在しているという、このアサイヤスのアプローチに嬉しくなった。時代は移りゆき、人のライフスタイルは様変わりし、残念ながらそれは最終的に美術館のものとなる運命をたどるのだとしても、かつてはそんな風に家の一部だったモノの佇まいが何ともステキ。家政婦エロイーズがフェリックス・ブラックモンの花瓶をもらうエピソードにはニヤリを通り越して、その価値をあえて伝えない粋さに胸があつくなった。

イーストウッドの息子カイルがビノシュ扮する長女の恋人として出演しているということがなくとも、次世代に受け継がれるというテーマが描かれていることで 『グラン・トリノ』のことをふと思い出した。(そうしたら、劇場ロビーに掲示されていた切り抜き雑誌記事の映画評にこの二作が合わせて紹介されているものを発見。樋口氏のものだったか?) 銃社会で車社会、血と暴力の国アメリカではあのような劇的さをもって、遺言・継承の物語が紡がれ、こちらは芸術の国らしく、美術品を介してそんなテーマが描かれている。万人の心を強く揺さぶる傑作『グラン・トリノ』に比べたら、何気ない日常を映し出した本作はさほどのインパクトのない小品に過ぎないかもしれないけれど。私にとっては、むしろそのさりげなさが絶賛すべきものであった。『グラン・トリノ』では、イーストウッド扮する主人公が血縁にこだわらずに、民族をこえて息子に贈り物をしたことが感動的であった反面、血縁の息子・孫たちのキャラクターをひたすら否定的に描いていることが今思うと腑に落ちなくもある。片や、こちらの家族はつかず離れずで、めったに会うことはないけれど確執などはなく、それぞれの家族の生活スタイルが尊重されていて、絆なんていう大仰な言葉を用いる必要もないけれど、ただ穏やかに思い出が共有されていることがとてもステキなのだ。

時の移ろいにしみじみと思いを馳せるこの柔らかな感銘には、身に覚えがあったのだけど、これは、2008年の一般公開映画のマイ・ベスト1に輝いた『ホウシャオシェンのレッド・バルーン』 の感触に似ている気がした。まさにそちらもオルセー美術館のプロジェクトによってつくられた映画なんじゃない。ジュリエット・ビノシュ繋がりでもあり。そして、『HHH:侯孝賢』 というTVシリーズでのドキュメンタリーを撮ったアサイヤスも、確か侯孝賢監督のことを評価し、影響を受けているに違いないのだけど、本作はまさに侯孝賢テイストといえるんじゃないかな。従来のアサイヤスのイメージといったら自然光のイメージにはほど遠いものだったから、その二監督の作風に通じるものがあると思ってはいなかったのだけど、こうやって括ってみると自分の感性にすごくフィットする映画であることに確信がもてる。『8月の終わり、9月の初め』(98)『感傷的な運命』(00)、本作と観て、オリヴィエ・アサイヤスを名匠と呼びたくなった。そして、何度でも言おう。エリック・ゴーティエのカメラが好き好き。

侯孝賢の映画に同じく、時間と空間の描き方がとても好きなの。変わらないものと変わりゆくものを時にクールに、時に優しく見つめるその視線がね。ライフスタイルも価値観もグローバル化を感じさせながら様々に変化しているということを、否定するというわけでもなく、でもそこに一抹の寂しさを感じさせるというのが心にくいのだ。ダルデンヌ兄弟作品では"ある子供"に過ぎなかったジェレミー・レニエが立派な父親として外国で暮らしているということが何だか不思議。中国に工場をもつビジネスのやり方に対するアドリエンヌの否定的な台詞も差し込まれつつ、そこに家族の生活があるんだよね。そして、その子ども達はフランスの文化よりもアメリカ文化に染まっているというし。コローの絵を古臭いという子ども達の感性もごもっともだし、おばあちゃんが静かに過ごしていた邸宅で、けたたましくヒップホップを流して大騒ぎするのが現代の若者なのだ。でも、そんな若い世代の彼女の心にも、おばあちゃんと過ごした夏の優しい時間の思い出がきらめいている。素晴らしい余韻に包まれる。

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by CaeRu_noix | 2009-05-24 23:59 | CINEMAレヴュー | Trackback(19) | Comments(18)
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タイトル : 夏時間の庭
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タイトル : 「夏時間の庭」
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タイトル : 夏時間の庭
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タイトル : 『夏時間の庭』 
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Tracked from サーカスな日々 at 2010-07-13 09:27
タイトル : mini review 10468「夏時間の庭」★★★★..
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Commented by KLY at 2009-05-27 02:27 x
こんばんは^^
おっしゃる通り日常を描いた作品でした。でもそれだからこそ身近に
感じられる良さがあります。

>内にズラリと陳列されていることが味気ないなと思ったりもする

これは正しくその通りですよね。母親の想いの篭った机や棚、あれ程
手放したくなかった品々が、美術館に並ぶとそれはもう良くも悪くもた
だの美術品でした。

あの長女にも、ちゃんとおばあちゃんの心は届いていたというのが、
最後の最後に解るところが良いです。心の底から嬉しくなりました。
Commented by CaeRu_noix at 2009-05-27 12:26
KLY さん♪
ありがとうございます。
私は、大事件を描いた映画よりも日常の物語が好きだったりします。
何気ない日常からにじみ出るものにこそ感慨がありますね。^^
本作鑑賞の翌日に『天使と悪魔』を観た私はそのせわしなさに全然!ついていけなかったほどに、本作の時間の流れの気持ちよさに心酔したのでした。

美術館のおかげで、名だたるアーティストの作品を鑑賞する機会を得られるのはありがたいのですが、それらが見られるためだけにただ並んでいるのは味気ないのですよね。あのブラックモンの花瓶に野の花が飾られるってすごくすてきでした。自然光をいっぱい浴びた木製の家具にしろ。(阿修羅像も本当は博物館でじゃなくて、興福寺で、でもガラスケースはなしで見たいものですー。)

コローの絵は古くさいという発言に、あの落ち着いた邸宅で大音響のヒップホップを流したりと、若者世代には、芸術、伝統的なもの、受け継がれるものの素晴らしさなんて理解されないものなのかな・・・と一度は思わされたのに、彼女にはちゃーんとおばあちゃんたちとの思い出を大切に感じていたんだなって、すばらしい着地でしたよねぇ。私も本当にうれしくなって、あたたかな感激いっぱいでした♪
Commented by 丞相 at 2009-05-27 21:24 x
こんばんは。TB&コメントありがとうございました。
私は先日の東京日仏学院のアサイヤス特集で、
『8月の終わり、9月の初め』を見るかどうかかなり迷った挙げ句、
スルーしてしまいました。『感傷的な運命』と同系列の作品だと
いうことで、見なかったのをちょっと後悔しています。
どう考えても『感傷的な運命』は劇場公開されてしかるべき作品だと
思うのですが、やはり上映時間がネックになるのでしょうか。
たしか私が特集上映で『感傷的な運命』のティーチ・インを聞いたときも、
そのような話題があった覚えがあります。

侯孝賢つながりでいうと、時間・空間の描き方も似ていると思うのですが、
私は「音の扱い方」が繊細なところも似ている印象を受けました。
ストーリーはあってなきがごとしなのですが、これこそが映画そのものを
感じるタイプの作品だと思います。
Commented by margot2005 at 2009-05-27 22:30
ヴォンソワ!
オルセー美術館開館20周年記念作品ということで楽しみにしていました。
私も美術館は大好きなんです。オルセーは素敵な美術館ですね。また行きたいと思うのはルーヴルじゃなくてオルセーですね。
主演は美術品ながら、出演陣もとっても良かったです。
ラスト、フレデリクの娘がボーイ・フィレンドを庭に案内するシーンがナイスでした。
Commented by CaeRu_noix at 2009-05-28 00:39
丞相 さん♪
こちらこそ、ありがとうございます。
『8月の終わり~』は、『感傷的な運命』ほどにカッチリしたタイプでもないので、それと同系列というのともまた違う気がするのですが、『DEMONLOVER』系のエキセントリックなものよりはそっち寄りかもしれません。本作が『感傷的』と『8月』の間に位置するくらいかな? いずれにせよ、『8月』は今回初めて日本語字幕付の上映だったので、大いに観る価値のあるものでしたよー。土日の飯田橋も案外といいです。w

そうなんですよ。『感傷的』は内容的には余裕で一般公開していい映画だと思えました。が、そういえば、『CLEAN』がマギー・チャンのカンヌ女優賞受賞で買付価格が高くなったということがありましたから、そこそこのヒットが見込めても、配給会社の計算ではペイできないラインにあったんでしょうかね。

侯孝賢作品といえば、繊細な音づかいが格段に素晴らしいですよね。そして、本作もそうでしたね。アサイヤスといえば、エッジの聴いた音楽を使う人って感じなんだけど、本作では抑え目で身の回りの音、自然音が美しかったですね。感じる映画こそに醍醐味がありますよね。
Commented by CaeRu_noix at 2009-05-28 00:49
margot さん♪
美術館の記念作品だからどうのっていうことでもないんですが、オルセーの美術品が物語に絡んでくるという興味もあって、とにかく美しい映像が期待できそうで、私も楽しみにしてましたー。
ヨーロッパの美術館はそれぞれに個性的でステキなものが多いですが、昔駅だったオルセーはひと際いい雰囲気ですよねー。コレクションも日本人好みのものが多いしー。私もルネサンスものなどより、印象派なんかが好みなので、オルセーがより好きかな。でも、ルーブルには2回行っちゃった。w だって、オルセーは改装中だったんですもの。
わたし的には、主役が美術品だったとは思っていなくて、そういう意味では主役は人間やモノじゃなくて、目に見えないものだったのかも?
そう、俳優たちもみーんな魅力的でした。アサイヤスってキャスティングセンス・演出も素晴らしくいいと思うんですよ。
ラストシークエンスは本当にとれびあーんでしたねー。
Commented by mig at 2009-06-02 11:38 x
こんにちは、
この作品気になっています。
評価高めですね!
今はあまり時間がとれなくて劇場にいけないかもですがDVDで観たいと思ってマス★
Commented by CaeRu_noix at 2009-06-03 00:30
mig さん♪
ぜひぜひご覧になってくださーい。
migさんが面白いと思うタイプの映画じゃないかもしれないけど、私としては、上半期ベスト候補な手ごたえがありましたよー。
オリヴィエ・アサイヤスの監督作って、近年は未公開だったり、DVDスルーだったり、公開されても宣伝力のないハコでひっそり公開だったりという感じだったのですが、今作は宣伝もいっぱいされていてフランス映画にしては注目度が高く、銀座の映画館もにぎわっているみたいでよきことですー。
Commented by rose_chocolat at 2009-06-06 09:29 x
TBありがとうございます。 
きっと「初めに美しきものありき」的な企画から始まったのかもしれませんが、それに見事に一致したストーリーをつくっていたところがよいと思います。
美しいものを美しく見せ、歴史も語り、意味も持たせて。 奥が深くて普遍的な題材。 いい映画でした。
Commented by CaeRu_noix at 2009-06-07 10:58
rose_chocolat さん♪
コメントありがとうございます。
そうですね。最初の企画としては、オルセー美術館の宣伝も兼ねた表面的なものに過ぎなかったのかもしれませんね。
見た目的に美しいものがまずありき。
それがこうやって、映画になることで、美術品という名の物体に物語が見えてくる、人間の歴史と人間関係、人々の心がそこに見えてくるんですよね。
なんてすてきな試みなんだろうって思います。
縦横無尽にその魅力が広がっていく、そういう意味で実に奥深いですよね。
Commented by mchouette at 2009-06-11 09:10
連日おじゃまします。
ミニシアター系作品は東京から順次公開なので、かえるさんのあとを追っかけるみたいにして私も鑑賞しております。
サラリとした中にも兄弟それぞれの思い出との向き合い方なども味わい深くって、ビノシュが他の陶器に目もくれず、あの大皿を宝物みたいにして持ち帰るなんて、すっごく分かる。思い出とつながってるからこそ価値があるんだよね。骨董ってそういうところが素敵なんだよね。
この映画、こんな夏時間のひと時を味わうことだけでも十分劇場に足を運ぶ価値はあるよね。
カイル・イーストウッド君がちらりとだけど出ていて嬉しいサプライズ。
彼はおとうさんのクリント・イーストウッドと出演していた映画で子ども時代の彼を知ってたけど、あのまんま好青年に成長してるわ。
「グラン・トリノ」は泣かされたわねぇ。
Commented by Nyaggy at 2009-06-11 13:06 x
かえるさん、こんにちは♪
ルノアールへのオマージュ、というのも聞いて納得です。
印象派の絵画をそのまま映し出したような空間で、特に緑の眩さと光のコントラストが美しくて。
息子達が帰った後、一人で暗い部屋に佇む母親の様子も、絵画のようでした。

言われてみれば、『グラン・トリノ』と共通するテーマがあるわけですね。
確かにこちらはもっとさり気なくて大仰ではないけれど、かえるさんが
おっしゃられているように、そのさり気なさも魅力だなぁと。
それと、見逃していた『ホウシャオシェンのレッド・バルーン』は、やっぱり
見ておくべきだった~と後悔しています…。
こちらもオルセー企画だったんですね。
Commented by CaeRu_noix at 2009-06-12 08:06
シュエット さん♪
ミニシアター系作品の中でも、メジャーラインなもの、英語圏の話題作なんかは東京大阪同日公開っていうのも結構ありますよね。でも、やはりフランス映画等一連のマイナーなラインは、東京でも単館上映でキッチリと関西の公開日が半月後くらいになっているんですよね。で、私個人的には、そういうよりマイナーな単館系こそが最も好みだったりします。というわけで、これ系の映画についてをシュエットさんと共有できるのはとても嬉しいのです。

こないだルイ・マルの『五月のミル』を自宅鑑賞したのですが、遺産・この家をどうするかという似たような状況が描かれていて興味深かったです。思い出はできることなら、遺しておきたいと思う人は多いはずだけど、相続税や維持費がかかる世の中においては、簡単なことではなくて。そんな中で、金品としての資産価値あるモノに固執することなく、それぞれがそれぞれの思い出を抱きしめているところがとてもよかったですよね。母親の死を悲しむ場面なんかはあえて多くは描かれないというサラッと感がとにかくいいなぁって。
カイル・イーストウッドの出演というのもアサイヤスのセンスを感じさせて、またカッコいいですよね。
Commented by CaeRu_noix at 2009-06-12 08:07
Nyaggy さん♪
「ルノワール+ルノワール展」に去年足を運んだ記憶も色濃く、それに関連した上映企画でルノワール映画を劇場鑑賞したこともあって、そこで描かれていた印象派の絵画のような映像が眩さが蘇ってきました。
陽光に輝く緑がそれはもうステキでしたよねー。
(ルノアールというと喫茶店をまず連想しちゃいますね。(笑)

映画のジャンル・ベクトルは全然違うながらも、『ウェディング・ベルを鳴らせ!』、『グラン・トリノ』、本作に、上の世代が次世代に受け継ぐ遺産・遺言の物語というテーマが見出されたので、それらが混じり合っての感動もあったような気がします。
目まぐるしく変貌を遂げていくこの社会・世界において、変わらない大切なもの、受け継いでいかなくちゃいけないものって、何だろうって。

オルセー企画つながりなのは偶然だと思うのですが、私が受けた感銘のタイプが『ホウシャオシェンのレッド・バルーン』にとても似ている感触だったんですよ。
ビノシュがイマドキ女性を演じているのも共通で。
機会あったらご覧ください。『赤い風船』の後に観るのがおススメ。
Commented by ミチ at 2009-08-31 22:58 x
こんにちは♪
TBありがとうございました。
私もとっても好きなタイプの作品でした。
美術品が贅沢に使われていて「いいのか?」と思うと同時に「これが本来の使われ方よ!」とも思いました。
花瓶は花を生けられてこそ輝きますよね。
価値を知らずに花瓶を貰っていった家政婦さんもイイ味出してました。
Commented by CaeRu_noix at 2009-09-01 23:36
ミチさん♪
ありがとうございますー。
気に入っていただけてよかったですー。
(淑女の皆さんには、どちらかというと劇的ドラマチックな大河ロマンものの方が人気があって、こういう日常を描いた洋画は物足りないと感じられがちなのかなぁって思うことも多いのでー。)
貧乏かつ貧乏症なものですから、高価な美術品を普段使いするのは確かにちょっと迷いを感じてしまいます。
でも、飾っておくんじゃなく、ましてや金庫にしまっておくんではなく、やはり本来の用途どおりに使うというのがステキですよねー。
所詮、ものはいつか滅び、壊れていくものですもんね。
家政婦さんが花瓶を譲り受けるエピソードは最高に大好きです。
彼女が花瓶に挿した花も、これみよがしな高そうな花なんかじゃなくて、さりげない野花な感じで、すごくステキだったなぁと。
Commented by baoh at 2010-02-04 23:23 x
こんばんは。TBさせて頂きました。

ものすごーく良かったです、この作品。光に溢れた映像も印象的だったし、映画の雰囲気を作ってましたね。エロイーズの花瓶のエピソードもじわっときました。去年のフランス映画祭のオープニング作品だったのですね。今年は行こうかなぁという気にさせてくれた作品でした。
Commented by CaeRu_noix at 2010-02-05 08:58
baoh さん♪
すごーくよかったとおっしゃっていただけて嬉しいです。
何しろ私の去年のベストですから。
格調高い美術品が陽光のさす緑あふれる庭ををバックに普段使いされるってステキ過ぎ。
フランス映画祭は、せっかくの映画祭なのに配給されるものが多いのは不満なのですが、見方をかえれは、おっしゃるように、こんな素晴らしい映画がオープニング上映される魅了あるイベントです!
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