かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
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「Tanguera タンゲーラ」
2009年 05月 31日 |
タンゴ・ミュージカルの再来日公演に行ってみました。
Bunkamura オーチャードホール。



タンゴ・ミュージカルは世界初という触れ込み。確かに、ミュージカルというのは、そういうタイプの特定の音楽やダンスに括って作られるのが一般的ではないものね。タンゴ・ミュージカルもフラメンコ・ミュージカルもフラ・ダンスミュージカルもサンバ・ミュージカルも阿波踊りミュージカルもまだ観たことがないように。d0029596_1044533.jpg

でも、これ、いわゆるミュージカルというのは少し違っていたね。ミュージカルといえば、多くは物語が明確にあるもので、出演者は歌ったり、踊りながらも物語に沿って芝居をするのが主。台詞も多くて、来日公演の場合はその日本語字幕がステージ脇の電光掲示板に表示されるんだよね。それに対し、この「タンゲーラ」は台詞がなし。登場人物の名前を呼ぶところや悲鳴を上げる箇所はあったけれど、会話、説明的な台詞、ナレーションは一切なし。

だから、一般のミュージカルと同等にストーリーの面白さにも期待をしていた人には物足りないものかもしれない。でも、主役はタンゴ、見どころはあくまでもタンゴだと思っているなら、バレエのステージに近い感じで、ほどよく想像力を刺激する程度に物語性があるこのスタイルはバッチリなのだ。無秩序にただ歌やダンスが披露されるのではなく、それぞれのキャストが役を持ち、物語の骨格に沿って感情をこめて踊る様には惹きこまれてしまうもの。

タンゴな映画は完全制覇しようっていうくらい観まくった私だけど、映像ではなくて、生でタンゴのステージを観るのは初めてかもしれない。『バーン・ザ・フロア』の中にタンゴナンバーも入っていたら、少しだけ観たことはあるといえるかもしれないけど、記憶はなくて。フラメンコに比べると生で拝む機会の少ないタンゴゆえ、生ステージには大いにワクワク。

スラリと長く引き締まった美しいおみ足がリズムにのってステップを踏むの。とてもセクシーなのに、その足さばきはあまりにも素早く機敏なので、そのエネルギッシュな迫力に圧倒されてしまう。こんなにスピーディなのにペアの男女2人の呼吸はしっかり合っていて、情熱に満ちあふれているのに優雅さも感じられちゃう。ひと組のペアをただ見つめているだけでも充分に見ごたえのあるパワフルに華麗なダンスなのだけど、場面ごとに入り組んだり、群舞になったりという様々なバリエーションがあって、それがミュージカルならではの醍醐味になるの。

ワイルドに激しいタンゴダンスなんだけど、機敏な足さばきのステップの次の瞬間にバレエのようにフンワリとしたリフトが入ったりして、振りつけとしても興味深いものがあった。男たちが闘っている場面は「ウエスト・サイド・ストーリー」を彷彿とさせたり、酒場で女たちが踊る場面は「シカゴ」に登場した囚人の女たちを思い出すような下品にほど近いセクシーさを感じさせる猥雑さがあったりと、ミュージカルファン心を刺激する構成にもなっていて。それでいて音楽は常に、北米のミュージカルとは一線を画する哀愁のタンゴ・タンゴ・タンゴ。

国際アストル・ピアソラコンクールにて最年少での準優勝を果たした18歳のバンドネオン奏者三浦一馬によるオープニング・アクトというのも嬉しいパフォーマンスであり、序盤から高揚。タンゴの官能と情熱をめいっぱい堪能。アンコールのラストの盛り上がりも楽しかったよー。

カルロス・サウラ演出の舞台なんかが観たくなってきたり。

公式サイト

<STORY>
20世紀の初頭、フランスからの移民としてアルゼンチンに降り立ったタンゲーラ(スペイン語で「タンゴに生きる女」)の物語。ジゼル:Giselleはブエノスアイレスの港で働く青年ロレンソ:Lorenzoと出会い、恋に落ちる。しかしマフィアのガウデンシオ:Gaudencioに見初められ、ジゼルは悲劇の運命をたどっていく。さびれたキャバレーで踊り、身体を売る事が唯一の残された道だった。彼女をあきらめられないロレンソは裏社会の掟を学び、ガウデンシオに果敢に立ち向かっていく。

シーン1:波止場
 序章:移民の到着 / 移民たちの歌「Promise Land」 / ロレンソと友のダンス
シーン2:長屋
 隣人とのパーティー /  ガウデンシオとジゼルのダンス /  ロレンソたちとガウデンシオたちの対立 /  道端にいる女の歌「Giselle」
シーン3:長屋のパティオ
 ロレンソとジゼルの出会い / ガウデンシオがロレンソを抑止する / ごろつきどもが若い洗濯婦たちを制圧する
シーン4:キャバレーのバックステージ
 ジゼルがキャバレーに来る / 娼婦がジゼルに歌う「Life in a Cabaret」 / マダムがジゼルをガウデンシオに差し出す / ガウデンシオとジゼルのダンス
シーン5:キャバレー
 ガウデンシオとマダムのダンス / 娼婦のダンス / ロレンソとガウデンシオの対立
シーン6:キャバレーの部屋
 ジゼルとガウデンシオの逢引
シーン7:暗い路地
 ロレンソと友が戦いに備える
シーン8:キャバレーの外
 ロレンソとガウデンシオの決闘 / ロレンソがジゼルを救い出す
シーン9:波止場
 ジゼルとロレンソのラブシーン / ロレンソのラストダンス



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by CaeRu_noix | 2009-05-31 10:01 | Art.Stage.Book | Trackback | Comments(0)
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