
去年のカンヌ映画祭の時から、1年間待ち焦がれていたペドロ・アルモドバルの新作がやってきた。これって、TOHO系で堂々拡大上映されているんだよね。鬼才と呼ばれていたアルモドバルの作品がいつの間にそんなにポピュラーになったの?ハリウッドで顔の売れたペネロペが主演だから?『オール・アバウト・マイ・マザー』もすぎおが宣伝していたおかげだかで、結構な話題作になっていたのかもしれないけど。ともすればヘンタイちっくな、毒気を含んだ問題作を生み出してきたアルモドバルだから、決して万人受けはしないイメージ。だけど今作は、ちっとも否定的な評判が聞こえて来ず。
そして、それも納得。好きな人にはやっぱり好きな独創的でブラックの入ったヴィヴィッドなその世界は健在。それでいて、近年のややシリアスタッチのウェットな語り口とは少し違った感じで、もっと昔の作風に近いような、湿度の低いカラッと明るいユーモラスな仕上がり。太陽が輝くラマンチャの青空とそこに吹く風のようにさわやかにカラリ。血が流れて人命が絶たれることも描かれているのに、暗い気持ちになったりはしない。朗らかに笑えて、温かな感動がもたらされる、風変わりでエネルギッシュなステキな作品なのだった。
ペネロペがスペイン映画に戻ってきたことがとっても嬉しい。ハリウッド映画で外国人女優に与えられる役といったら、お飾りヒロインがほとんどだったもの。ラジー賞にまで輝いちゃったものね。そんな経験を経て、女優は男優の相手役という位置づけでは決してない、母国の巨匠?アルモドバルの作品で、母親の役で主演することになったなんて。女優ペネロペの母国のアルモドバル映画への「ボルベール〈帰郷〉」そのものも一つの大きな見どころ味わいどころになっているじゃない。キュートなペネロペちゃんは、いつのまにやら母親役が板につく女優になったのだねと感心しつつ、護るべきもののある母親の凛とした強さ、たくましさを魅力的に演じきってくれた。
もちろん他の女優達の存在感も欠かせない。カルメン・マウラが19年ぶりでペネロペたちの母親役で登場というのも嬉しいじゃない。酸いも甘いも噛み分けて、到達すべきはオモシロオバサンな道なのかも。主人公とその他のわき役という位置づけではなくて、深い絆と複雑な関係性がからみ合っての、女たちのかしましいアンサンブルがとてもイイのだ。その核になっている母と娘の関係というのが二世代に渡っているところが味わい深いよね。娘が自身も母親になることによって、昔とは違う角度から、母の思いを感じられるというような変化もあったのだろうな。そんなふうに女たちそれぞれの人生が重なり合って、ハーモニーを奏でている感じが素晴らしい。
たくましい母、ライムンダ。わけありで何だかコミカルなイレネ。そんなふうに母性が描かれるからアルモドバル作品には心うたれてしまうの。だって、なんだかんだいっても一般的にはやっぱり、ひたむきに世話好きで家庭的で清らかに優しいお母さんというのが理想的な象徴みたいなんだもん。夜なべをして手袋を編んでくれた母さんが実在しなくなろうとも、母性はそこにアリっていう神話は崩れていないんじゃないかな。東京タワー的に面倒見のよい献身的な母こそが極上の母という理想は健在のような気がする。だから、こんなふうに、倫理道徳的には問題アリのエピソードによって、聖母のイメージにはほど遠くても、崇高な母性を体現できるっていうことが感慨深いの。人間の世界は、決してきれいごとだけでは済まないということを見据えた上で、なおもこの上なくステキな母親の姿がそこにあるのだ。女性性が恋愛の対象ではないアルモドバルだからこその女性観・母親像なのかな。
決して娘には死体の始末を手伝わせない姿に心うたれたな。どうせ、殺しちゃったんだから、遺棄の助っ人くらい大したことじゃないでしょうなんて妥協はしない徹底ぶりがカッコイイの。ウジウジ悩まず迷わずに突き進む潔さが気持ちいいのだ。弱音を吐かずに、不安や恐れを表さずにキビキビ働くたくましき母。そのライムンダが一息ついて、タンゴの名曲「ボルベール」を歌うシーンは感動的。初めはてっきりフラメンコを歌うのかと思った。そんなふうにタンゴの曲が歌われるなんておもしろいな。彼女の思いに重なる詞と、彼女の感情が込められた哀愁のメロディ。口パクなのが明らかでも、心震えてしまう。

ユーモアの切り口ももちろん品行方正じゃなく個性的で楽しい。おならのニオイで母親の存在を察知するなんて最高。克明なアルモドバル印。いちいちベッドの下に隠れるイレネの姿も微笑ましいし、ロシア人のふりをしよう作戦も面白すぎる。危機的な状況が、面白おかしく描かれると、何だか勇気づけられるというか。そうやって、気楽に柔軟に困難を乗り越えて行けばいいのだよなって思わせられる。笑いの中に、たくましく生きる力の輝きが見出されるのだった。
いつも、解き明かされた謎の意外性にうならされるのだけど、今回はわりと読めてしまった部分が多かったかな。本当の父親じゃないという台詞で、本当の父親の見当がついてしまうというのは、アルモドバルに染まりすぎ? そんなこともあり、個人的には今作は、物語展開に驚かせられつつもそのテーマに深い感銘を受けた『トーク・トゥ・ハー』 と 『オール・アバウト・マイ・マザー』を超えはしなかったかな。といっても、もともとお気に入りで平均値の高いアルモドバル作品なので、充分に感慨深くて満喫。VIVA!ラテン魂。
ライムンダ・・・ペネロペ・クルス
イレーネ・・・カルメン・マウラ
ソーレ・・・ロラ・ドゥエニャス
アグスティナ・・・ブランカ・ポルティージョ
パウラ・・・ヨアンナ・コボ
パウラ伯母さん・・・チュス・ランプレアベ
パコ・・・アントニオ・デ・ラ・トレ
『グロリアの憂鬱』
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楽しみにしていたペドロ・アルモドバル期待の新作 その時々で 男か女をどちらかをテーマにしてるけれど 前作: とことん男が中心 今回:とことん女が中心 どっちの世界を描かせても 何とも達者で上手いのに 座布団10枚! 今回も 一体どこでそんなに 女の生態を掴むんだろう?と 感心するくらい 全く違和感のない世界を 描ききっている 女から見ると 全くピンと来ない は?そんな訳ないじゃない・・・!!! 疑問だらけの男性監督も決して少なくない中・・・ アルモドバルの女の実体&女心の...... more

女性では無いので、女性視点で共感っていう事も無いんですが、 ペネロペ・クルスを中心とした女優逹のバランスの素晴らしさに感嘆。 流石に、昨年のカンヌで主演女優逹が、女優賞に同時受賞するだけあるなって納得。 タイトルも、VOLVERの意味が、"帰る"という意味以外に、 "繰り返す"という意味を持つ事を知って、この話、その物だって実感。 変な邦題をつけられていなくて、本当に良かったです。 という事で、この作品、感覚的に非常に好みの作品で、 今年の前半に観た映画の中で、Bestな作品とな...... more

VOLVER ライムンダ(ペネロペ・クルス)は美しく働き者で、激しい気性の女性。三年前に 両親を火事で亡くし、姉のソーレ(ロラ・ドゥエニャス)や一人娘のパウラ(ヨアンナ ・コボ)らと墓参りを欠かさない。失業... more

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私はフラメンコを習っている。なので、フラメンコの曲か何かを探しているとき、偶然このボルベールを歌うペネロペの動画を見てしまった。その時は映画のシーンだとは思わ... more


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*公式サイト 2006年/スペイン/120分 監督:ペドロ・アルモドバル 出演:ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス、ブランカ・ポルティージョ、チュス・ランプレアヴェ 張り切って行ってまいりました「ボルベール<帰郷>」{/heart/} 前売り券を手に入れられなかったので、「一体どれだけ混んでいるのだろう?」と、どきどきしたのですが、そんなに混んでもいず、好きな場所を選べたのでよかった〜。 扱われている題材、事件はこの上なく重く暗いのだけれど、それ...... more

もう一度、人生を愛するために・・・。 久しぶりのペドロ・アルモドバル作品。『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』 に続く最終章『ボルベール〈帰郷〉』。 両親を火事でなくし、故郷にひとり残る最愛の伯母を心配しつつ、一人娘と失業中の夫を懸命に支えるライムンダ。 そんな彼女に、娘パウラの起こしたある事件が降りかかる。 必死にそれを隠そうとする最中、更に伯母が亡くなったという知らせが舞い込む。 一方、葬儀に行けないというライムンダの代わりに、伯母の隣人アウグスティナと共...... more

映画の中で起こっている状況の不均衡さが面白い!“ 20年なんてあっという間 人生の中の一瞬のできごと そしてまた生きて 思い出にひたり その思い出にまた泣く ”... more



ボルベール(2006 スペイン) 原題 VOLVER 監督 ペドロ・アルモドバル 脚本 ペドロ・アルモドバル 撮影 ホセ・ルイス・アルカイネ 音楽 アルベルト・イグレシアス 出演 ペネロペ・クルス カルメン・マウラ ロラ・ドゥエニャス ブランカ・ポルティージョ ヨアンナ・コボ チュス・ランプレアベ 本当の意味での世界の巨匠と言える...... more


(2006年/スペイン) 【物語】 過去に火事で両親を失ったライムンダ(ペネロペ・クルス)と 姉のソーレ(ローラ・ドゥエニャス)は、故郷ラ・マンチャで一人暮らしをする 伯母の世話を隣人のアグステイナに頼むのだが。。。... more

(原題:VOLVER)2006年スペイン 昨年のカンヌ映画祭は、主な出演者である6人の女優すべてに最優秀女優賞を捧げたという! ペドロ・アルモドバルが贈る女性賛歌三部作最終章・・ 公式サイト スペインやメキシコの映画を観た後って、いつも部屋のインテリアやお洋服の原色鮮..... more

女たちの逞しさ、生命力を感じさせてくれる作品です。 ライムンダは、失業中の夫の分まで働き、夫と娘の3人の生活を支えていました。けれど、彼女が仕事で家を空けている時、15歳の娘、パウラが、自分に関係を迫ってきた父親に抵抗し、勢いあまって殺してしまいます。娘を守る... more

筆者の mambotaxi という名前はアルモドバルの映画の中の役名から拝借しているものだ。 著作権侵害かもしれんなあ、と思いつつ、日々使わせていただいている。 アルモドバル映画を敬愛してのことだが、そんな監督の新作がやっと登場。 レビューを書く時間が取れず今に至るが、公開すぐに観た。 このところ、男性主人公の映画が続いていたが、やっと本領発揮と申しましょうか、いわゆる「女性映画」というものを創ってくれた。 これこれ、こういうのが観たかった、と胸をなでおろす。 「ハイヒール」を思い出します。...... more

2006年/スペイン 監督/ペドロ・アルモドバル 「男たちよ、ひざまずきなさい」 徹頭徹尾の女性賛歌。そして、見事に男性不在の映画である。本作に出てくる男はみな、女性の手により葬られる。彼らが殺される理由、それは女性への尊厳を欠いているからだ。つまり、「女性に敬意を払わない男どもは死んじゃいなさいっ!」ってこと。全くアルモドバルには参るなあ。ここまでストレートな表現だと、額面通り受け取っていいのだろうか、と思わず勘ぐってしまう。 主演のペネロペ・クルスのナイスバディ、とりわけ...... more

”Volver”監督・脚本=ペドロ・アルモドバル。撮影=ホセ・ルイス・アルカイネ。音楽=アルベルト・イグレシアス。挿入歌”ボルベール”(作曲=カルロス・ガルデル)☆☆☆☆★★... more

巨匠 ペドロ・アルモドバル監督の原点にしての最高傑作 7月17日、東宝二条シネマにて鑑賞。ペネロペ・クルス主演の《ボルベール》、そういえば、ペドロ・アルモドバル監督の「トーク・トゥ・ハー」は鑑賞した。眠り続ける女性2人のお話だったなあ。アカデミー賞脚本賞を受賞している。 そして「オール・アバウト・マイ・マザー」では、アカデミー賞最優秀外国映画賞を受賞にくという素晴らしさだ。そんなペドロ・アルモドバルが待望の最新作が「ボルベール」、この作品とともに、驚くべき「告白...... more

「ボルベール」 都心の数館のみの上映で気になっていたけど、女性向きということで敬遠していました。でも男性からも、よかったと聞き観光ついでに、初六本木ヒルズの映画館へ☆ ボルベール(BOOK)原題:VOLVER監督・脚本:ペドロ・アルモドバル 出演:ペネロペ・クルス...... more

ペネロペ・クルスの出る映画は1999年に製作された映画「裸のマハ」以来。フランシスコ・デ・ゴヤの絵画「裸のマハ」を題材にした映画だというのと、ペネロペ・クルスが出るというのが目玉の、わけの分からない映画だったように思います。基本的に「濃い」感じで、トム・... more

「ボルベール<帰郷>」 2007年 スペイン ★★★★★ 母親と娘の2代に渡る母子愛の物語。 マドリードで働き者のライムンダ(クルス)は、失業中の旦那と15歳の娘パウラ (コバ)と3人暮らし。 姉のソーレ(ドゥエニャス)と共に故郷の墓参りに帰る...... more

男はみんなろくでなし。ここまではっきり、そう描いていただけると、男としては非常に気持ちが楽になるというか、肩の荷が下りると言うか。それで、女のみなさんが、強く美しく愛を持って逞しく人生を生きていってくださるなら、いや、殺されても幸せですよ、ほんと。 っていうか、ちょっと殺されるまえに旅に出ます。他の女のとこかもしれないけど、気にしないで。僕、ろくでなしだから。 スペインの映画は大好きだ。相変わらずスペインに行ったことはないのだが。暖かい国の映画は、どこかおおらかだ。日本だと陰湿になりそうな悲劇...... more

『ママ、話したいことが ヤマほどあるの。』 コチラの「ボルベール<帰郷>」は、6/30に公開になる"巨匠アルモドバル監督の、原点にして最高傑作"であり、"故郷ラ・マンチャを舞台に、タンゴの名曲「VOLVER」にのせて贈る、哀しくも可笑しい女たちの人生賛歌――。"....... more

スペイン・マドリッドが舞台。失業中の夫の分まで働く、ライムンダ(ベネロペ・クルス)。 一人娘は思春期真っ最中。 その娘が夫を殺してしまう。 夫が「本当の父親じゃないんだから」と関係をせまったのだ。 死体を、ちょうど鍵を預かった隣のレンストランの冷凍庫に隠す。 そして、オーナーの了解を得ないまま、レストランを開く。 私は久しぶりに映画館で映画を見ながら、 生まれ変わったらベネロペ・クルスになりたい!と思う女の人って多いのではないかな? なんて考える。 すごくメリハリがあるんだ。...... more

飯田橋ギンレイホールにて鑑賞。 ベネロペクルスものは気になってみてしまいます。前に「赤いアモーレ」を観たのですが、 こちらはさっぱり意味不明でした。 今回は監督の女三部作の最終章! 女達流した血とともに花咲かす!だっけ?広告でみたコピー。 極道の女?みたい。でも痛快! ベネロペ演じる主人公は失業中の夫の分まで働く精力的な女性。 娘は「本当の父親ではないから」と関係を迫られたため父親を刺し殺してしまう。 その死体を隣の空きレストランの冷凍庫にいれ保管することにした母。 ある日映画クルーからレストランで...... more

'07.10.06 『ボルベール(帰郷)』@ギンレイホール 2本目。こっちの方が見たかった。ペネロペ・クルス主演、ペドロ・アルモドバル監督の映画。母子3代に渡る女性の因縁と絆の話。 「失業中の夫の代わりに家計を支えるライムンダ。彼女の留守中、娘のパウラが自分は実...... more



{/kaeru_fine/}今月の頭頃からWindows Updateが急に出来なくなったマイパソコン{/pc2/}{/face_hekomu/}。 普通に対応しても解決しなかったので、昨日助っ人として友人を召喚しました{/face_nika/}。 友人がネット情報と格闘しつつ、すげぇ難しい操作をして何とか解決{/face_fight/}。 横で一部始終を見てたけど…この対応はプロじゃないと無理だね{/face_ase2/}(その友人はプロ)。 同じ症状が出ているアマチュアの方、ご愁傷様です{/fac...... more

原題:Volver 真夜中寝ている父親を刺し出血性ショックで死亡させた15歳中3少女の進路希望は薬剤師、またも勉強しろ!のプレッシャー?・・これは女性賛歌の物語・・ 墓石も綺麗に磨いて、こんなにお墓場が華やかで賑やかなんて初めて見る、ライムンダ(ペネロペ・クルス)... more

べド口・アルモドバル監督(「オール・アバウト・マイ・マザー」)の作品。展開は結構ハチャハチャでコメディであり、殺しや出生の秘密、胸の谷間などがまぶされつつ、カメラ・アングルも意外にオチャラケも混じってる。が、馬鹿だなあというより、家族の繋がりや母性など女性の強さも感じられる作品で、単にコメディを観たというより、「いい」作品を観たという満足と余韻が得られ、カンヌで評価されたのも頷ける作品でした。フラメンコ(アレンジでのタンゴ)の歌など哀愁溢れる音楽も印象的。公式サイト<第59回カンヌ国際映画祭>主演女優...... more

妹のオススメ映画です。 ブログ でも褒めてましたね。 失業中の夫の分まで働く、気丈で美しいライムンダ。 ところが彼女の留守中、 夫が15歳になる娘・パウラに肉体関係を迫り、 抵抗したパウラは勢いあまって父親を殺してしまう。 愛娘を守るため、ライムンダは事件の... more
ペネロペはハマリ役でしたね!
庶民的な母親役なのに、あの目をひく美しさも違和感がありませんでした。
母性の神話…っていうくだり、なるほど、と感心しました。
確かに、普通は母性を描くっていうと、聖母的な感じが多いですね。
おならのシーン、私も大好きです。ロシア人作戦も。
今回は、かなりコメディ要素が多かったですね~。
全体として、しっとり~ではなくて、カラっとした印象です。
個人的には、とてもお気に入りの作品となりました。
細やかなところまで、しっかり見られてますね~。感心!
ほんと割り切ったカラっとした切り口は気持ちよかったですよね。
旦那もまんざら悪い人じゃなかったんだろうけど、途中からスッパリ
忘れられてて、最後にチラっとまた。あぁいう辺りも絶妙ですね。
そして、え?お母さん、○ーレイ?とドキっとしたり、トランクやベッド下に居られたり(笑)。
とにかくこの映画は女優達のコラボが最高でしたね。みんなが持ち味
違って、でも協力し合い、ぶつかり合い・・・清々しかったです。
そして、ペネロペは素晴らしかったですね~!私がアカデミー会員なら
彼女に主演女優賞をあげたかったです。
アルモドバル監督、「トーク・トゥ・ハー」が挫折中なので、
しっかり1本観たのは初めてですが、気に入った作品となりました。
その「トーク・トゥ・ハー」、レンタルした時に、観る気分じゃなかったのが、
挫折の理由なんですが、気分がのった時にちゃんと観たいと思って、
DVDは入手してるんですけどね・・・
そういえば、あんまり母の視点は意識しませんでしたが、
かえるさんのレビューを読ませて頂いて、そういえばって納得しました。
感覚的に気にいった作品でしたので、「トーク・トゥ・ハー」だけでなく
アルモドバル作品を鑑賞しようと思います。
この作品、TOHOのシネコンで鑑賞しましたが、
そういえば、「あなたになら~」も同じシネコンで鑑賞。
「あなたになら~」はあっという間に、1日1本体制・・・
この作品も、早くも1日3回になってました(苦笑)
エキサイトはTB不可なんですね~^^コメントで失礼します。
最近シネコンが増えたおかげで、前ならミニシアターに早くから
行って整理券貰わないと観れないような映画が、割と簡単に
観れる機会があって、自分みたいに移動が多い人間はうれしい限り
です^^コレも結構地方で観ました。^^でもおもいっきり子連れ
というか赤ちゃん連れて入ってる母娘がいました。映画がコレ
だったので許す(笑)
でもかえるさんが前2作を超えてないって書かれてるように
アドモバルにしてはサラって作ってる映画に思えました。
それもまたよし。最近おもーい映画がちょっとしんどくなってる
んでアハハって笑って楽しめる映画だった意外にも嬉しかったです。
こちらにもありがとうございます。
ペネロペが15歳の娘の母親役なんて、不思議な気もしつつ、とってもハマっていたので驚きました。チャーミングなペネロペはもともと好きだったんですが、今回はホントにいい女でしたよねー。
「ローサのぬくもり」というスペイン映画も大好きなんですが、そちらはまさに静かに優しく見守る母の物語なんですよ。なんだかんだいって、そういう母を求めている人は多いんじゃないかと思う中、アルモドバル映画のコミカルでたくましい母達には注目です。
最近はしっとり重めのタイプが多かったので、カラッとしていてビックリ。でも、この方が皆に受け容れられやすいかもしれませんね。円熟しつつ、昔の作品のよさも取り入れた感じでよかったです。
ありがとうございますー。いやいや、細かいところは結構忘れています。でも、アルモドバルの映画って、いつも語りたいことがとてもたくさんあるんですよねー。よかったところを全部書いていたら、なかなか書き終わらないんで、とりあえずしめましたが、後で他の方の感想を読んで、あ、それもあった、これもあった、って思ったりしましたよ。
サツジンオヨビシタイイキまでやっちゃっているのにカラッとした感じが残る元気になれる映画だったりするのがおもしろいですよねー。お母さんの柔軟さ(体も含め)はおもしろすぎー。
実質的には、ペネロペが主演なのに、去年のカンヌで6人の女優に女優賞が贈られたのも納得。コラボがあってこそのものでしたよねー。かけ合いも楽しかったです。そしてそうそう、アカデミー賞もペネロペでよかったんじゃないかと思いました。ヘレン・ミレンもうまかったですけど、このいい女ぶりは格別!
気に入られてよかったですー。
「トーク・トゥ・ハー」はヘヴィーな内容ゆえに賛否両論なんですよねー。女性では嫌悪感を感じてしまった人も多かったのです。私は非常に感銘をうけて、2003年のベスト1に選出したほどなんですが。二度観に行ったんだけど、DVDは買ってません。浸ってじっくり観たいけど、何度も観たいわけじゃないタイプだったのかな。mar さんも集中してじっくりご覧になる機会がありましたらどうぞ。コミカル度は低めですが、アルモドバルらしいネタがちりばめられているし、カエターノ・ヴェローゾやピナ・バウシュもステキです。
アルモドバルもアルモドバルで、女性は強く高潔なものという理想がありすぎるんじゃないかという人もいるのですが、私は従来の献身的聖母の理想像よりおもしろいと思うんですよね。
アルモドバル作品はヘンタイ度の高いものも多いけれど、個性的でおもしろいですよー。
ミニシアターっぽい作品はやっぱりすぐに縮小しちゃいますね・・。
ごめんなさいー。TB受け取れない状態にもかかわらずコメントありがとうございまーす。
おお、地方でご覧になったのですかー。ヴァージンシネマズがTOHOになって、邦画に力を入れるばかりだったら悲しいところでしたが、こういうスペイン映画が、みなさんの足を運びやすい劇場でかかるというの嬉しい効能があってよかったですー。赤ちゃんを連れてきちゃーマナー違反ですよねー。でも、確かに、このテーマの映画に限っては許したくなりますよね。赤ちゃんは娘じゃなくちゃダメ♪
そうなんですよ。近頃のアルモドバルからすると、ちょっと意外な肌触りでした。でも、そのカラッと感がよかったですよねー。笑いにもあふれておりました。オールアバウトやトークは、オールタイムベストに入れたいくらいのmy感動作なので、個人的にはそこにはいたらずだったものも、私ももちろん気に入りましたよー。
TB復旧してますね!成功してうれしいです~。よろしくお願いします。
かえるさまのレビュー、いちいちうん、うん、、と頷きながら読ませていただきました。
女性として生きることに私は結構懐疑的(男だったらよかったとずっと思っていたのです)だったのですが、この映画には勇気をもらいました。
なんか、もう冷静に観られなかったです。母親との関係も、同姓だからこそ難しかったり許しがたかったりする部分もありますよね。。
『オール・アバウト~』以前のアルモドバル作品は未見ですので、探してみようと思います。
ペネロペ、綺麗でした!ではでは~。
早速ありがとうございます。
ようやくようやくTB復活しましてよかったですー。
はい。彼女達のたくましさには勇気づけられましたー
おおお、女性として生きることに懐疑的だったりするというお話もちょいと興味深いです。私はまぁ生まれ持った性についてどうのってことはないですけど、女性特有の性質にはかなり嫌いなものもあって、ちょっとした局面で女ってやだなーって思うことはしばしばありました。だから、こういうふうに、大らかにコミカルに、女性のステキさを描き出してもらえるとホントに心の深い部分に響きますね。そういうふうにちょっとした価値観をひっくり返してくれるような映画が大好きなんです。
アルモドバルの旧作もぜひぜひお試しください。おばちゃん主演ものシリーズも結構好きです。『グロリアの憂鬱』、『神経衰弱ぎりぎりの女たち』、『私の秘密の花』など。『ライブ・フレッシュ』のペネロペも鮮烈でしたー。
TB&コメントありがとうございました!
かえるさんがあげてくれた、トニー・ガトリフ監督の『ベンゴ』!
私も映画館で衝撃を受けて、フラメンコを習い始めたので、
なんかちょっぴりご縁を感じちゃいました。
アルモドバル監督、「オール・アバウト」と「バッド・エデュケーション」で疲れ果て(笑)、「トーク・トゥ・ハー」は未見のまま。これをみたら、やっぱりほかの作品もみたくなりました!
でも忙しくなりそうですね。
ペネロペらしさっていうのもこの作品では出ていたのでしょうかね~
母国語を話すというのは一番自然な演技ができるのしょうし。
そんなに彼女の出てる作品を見てるわけではないのですが、庶民的な女性の美しさみたいなすごくパワフルで、かつ女らしさある仕草も感じられたし、とっても素敵でした。
私はペネロペ自身が歌ってるのかと思っちゃった;口パクだったんですねー
本当、本当、賛否両論のはずのアルモドバル作品が、こんなにまで一般的に受け入れられたのが、正直、嬉しいような、歯がゆいような、って気持ち、分かる気がします。
『トーク・トゥ・ハー』、これが私好きなんですよね~。「これが嫌いな人に用はない」、ってぐらいの傲慢さで、好きです。
おっしゃる通り、母の力強さを描いた作品だった分だけ、表現方法も分かりやすく感じられましたね。
ですが、私は、この作品に関して言えば、時間が経ったらもっと好きになる作品、という気がしています。
きっと、自分が母親との別離を経験したり、女性としての人生に深みが増すに従って、心の中で懐かしく感じる映画になるのではないか、と思うのです。
モーパッサンの『女の一生』という本を読んだことがあるのですが、上流階級の女性の一生が皮肉的に描かれたフランス文学だったんです。
それを読んで、女性の一生って、何て虚しいのだろうって悲しくなったことがあります。
このアルモドバルの赤い映画の女性讃歌は、モーパッサンと対極で、とても前向きでひたむきな女性が描かれていて、すごく好きだなって思いました。
きゃー♪そうなんですかー。
tomozo さんはガトリフの『ベンゴ』がきっかけでフラメンコを習い始めたのですね。それは感激です!ご縁を感じます。嬉しいです。あの衝撃は今でも憶えていますもの。その音楽の情熱にただただ圧倒されて涙が流れましたもの。帰りにサントラ即買い。あのリズムはたまらなく魅惑的です。がんばってくださいー。
アルモドバル作品は毒気があってヴィヴィッドなので、確かにちょっと疲れるタイプかもしれません。苦手な人は苦手でしょうし。ハマるとクセなるんですけどね。
そうそう、『私の秘密の花』はホアキン・コルテスなんかのダンスシーンがあったんですよ。そういうのは観ると楽しいかもしれませんー。
おかげさまでー。
ペネロペらしさというのはよくわからないけど、本作では最高にペネロペの新天地の魅力が引き出されていたと思いますー。小悪魔ちゃん系のイメージだったペネロペがやり手の母親役なんて意外でしたがあまりにも適役でしたー。イタリアの『赤いアモーレ』なんかの時もよかったのですけどね。私は、ついこないだ、ペネロペの出ている92年の作品『 ハモンハモン』をDVDで観たので、やっぱりスペイン映画のペネロペが一番と思うのと同時に、時を経ての彼女の成長にも感無量ってなカンジでしたー。
歌のシーンは、声が結構違っていたし、微妙に口の動きと声の響き方とに違和感があるように見えたのですよ。でも、本人が歌っているように見えるほどにウマい演出だったのかもしれないですね。『神童』の声楽のシーンよりはだいぶナチュラルでしたかな。

あんなに華奢でも肝っ玉母ちゃんぶりはご立派!男に頼ることなく自らの力で娘を守ろうとする母親役がこんなにハマルとは驚きですが、オープニングの彼女がまくしたてるようにしゃべるスペイン語からハマリまくってしまいました。
情熱の赤、血の赤・・・全てが絵になるスペイン発のアルモドバル作品はやっぱ最高っすね!
イレネ母さんをだいぶ後々まで亡霊だと思っていたおばかな私です;;
日常の光景と、非日常的な光景が同じ視線で描かれているのが不思議だけどカラッとした印象になるのかな~と感じました。
ペネロペの歌は口パクだなぁ~って私も思っちゃったけど(笑)
とっても魅力的でしたね♪
ヴィヴィッドな色彩もですけど、インテリアでも花のタイル(?)とかが妙にかわいくて・・・印象に残ってます。
おら!チュッ★チュッ★チュッ★
そうなの。たくさんの人がご覧になり、好評なのは嬉しいのだけど、ちょいと複雑な気持ちもあり。
きゃー、とらねこさんも『トーク・トゥ・ハー』、絶賛派なのですね。嬉しいです。わかります、その傲慢さ。これを受け入れられないのも理解できると言いながら、わからないなんてどうかしているわ、どうかこの深みに到達してよーっていう思いが渦巻くのでありました・・。
本作は、ヘンタイ度も少なく、サラッとコミカル仕立てだったのが受け入れられやすかったのかなと思いました。母の愛や母の強さというテーマも普遍的だから、広く感動を呼びやすいのでしょうね。なるほど、時間が経つごとにより好きになるタイプかもしれませんね。観終わった時はアッサリ感を感じたものの、その好感触な味わいは今も衰えず。女性としてのmy人生に深みが増すかはどうかはあやしいところですが、年齢と経験を重ねるたびに、この映画をより好きになるかもれませんよ
モーパッサンですかぁ。フィクション・ノンフィクション問わず、女の人生の虚しさ(人間の人生の)を思って、寂しくなることは多々ある私にとっても、こういう柔軟な前向きさには希望がわきますぅ
ありがとうございます。びばびば。
ペネロペちゃんのようなカワイ子ちゃん顔の華奢な女が肝っ玉母ちゃん役っていうのがとっても粋だったなぁとつくづく思います。フツーの男性監督だったら、男とのからみを入れようって思うのでしょうけどね。そこはさすがのゲイまいんど?いくらでも女を武器に男の手を借りられそうな容姿・魅力をもっているので、全部自分でやっちゃうたくましさがホントにステキ!(イタイイキ行為をステキと言っていいのかはともかくー) まくしたてるスペイン語の響きっていうのもまた気持ちがよいですよね。やっぱりアルモドバルはやめられないっす。フラメンコものや闘牛ものもまたやってほしいですー。
わーい。ありがとうございます。
イレネ母さんは、最初は幽霊が出るという噂とともに見え隠れしていましたからねぇ。ボーレイさんだとしたら、ファンタジー?? 私はアルモドバル作品にボーレイさんが登場するとは思わないのでそういうのはなかったんだけど、逆に謎が読めすぎてしまったというか。死んだはず人はきっと死んでいないとか、行方不明の人はきっと死んでいるとかパターンが見えちゃうのがいけませんでした・・・。
何が起こっても、当事者の受け止め方・姿勢一つでカラっとするものなのでしょか。非日常的な出来事も確かに同じようなトーンで描かれていましたね。
アルモドバル映画のインテリアやファッションはいつもステキなだけど、今回はヴィヴィッド系の色味ばかりじゃなく、ブルーなスペインタイルのカワイさも目を引きましたよねー。
>人間の世界は、決してきれいごとだけでは済まないということを見据えた上で、なおもこの上なくステキな母親の姿がそこにあるのだ。
うんうん、その通りですよね。 母親の愛情っていろんな形があるんだと思うんです。通り一辺では決して語りつくせないっていうのかな。
アルモドバル監督の作品に出てくる女性はみんな、平凡な人生を歩んでいるとはいえないけど、だからこそある意味、究極の姿を描くことによって、その愛の形が際立ってくるというか、そんな監督の視点には、毎回脱帽させられています。
「ボルベール<帰郷>」というタイトルがとても好きです。
そのうち時間が経って、自分の置かれた環境が変化して見直したら
また新たな発見ができそうな作品ですね。DVD、買っちゃおうかな(笑)
ではでは、またおじゃまさせていただきますっ♪
すっかりオカンの風格でした。って、カオリさんは、「オカン」という言葉は普段づかいしないですよね。私もそうですが。でも。なるほど、こういうたくましい母は、日本語だと「オカン」という呼び方がぴったりくるのかな。
<お飾りヒロインがほとんどだったもの
上同感でございます。
ハリウッド映画で、例えばニコちゃんと共演の「コレリ大尉のマンドリン」なんかもうどうしようもない駄作でしたもの。
ママ役のカルメン・マウラはドパルデュー映画で観たことありますね。
ママ、姉ソーレ、他みな素敵な女優さんでしたわ。
“ボルベール”の歌のシーンは、ペネロペ踊ってくれるのかなぁ?なんて期待しましたが...
ペドロ・アルモドバル苦手でも観れる映画かもですね?
しかし、こんなに重くて暗い話なのに、からっとして観終わって胸が熱くなりました。「母、娘、女」の全てがいとおしく、また切なくて・・・。
ペネロペも勿論だけれど、ここに登場する女性達はみんなたくましくって、可愛くって素敵でした~。
訪問ありがとうございます。ウェルカムでっす♪
そうなんですよね。愛情というものにしても、多くの目に見えない思いは、実に多様なんですよね。全く通り一辺ではないものなのに、時には型にはめられて判断されることもあったりする世の中・・・。だから、あえてちょっと屈折したカタチで、こういう愛もあるんだと描き出してくれるアルモドバル作品には、正統派のものとは違った格別の味わいがあるんですよねー。決して紛れもなく清らかで正しいだけのものは描かず、倫理道徳的に疑問を感じてしまいそうな域、生理的に嫌悪してしまいそうな域に接触。でも、そう、それによって、その愛の形が際立ってきたりするんですよね。見事です。
タイトルもとてもいいですね。歌のタイトルをそのまま使い、劇中でその歌詞が提示されるっていうのも粋なやり方でした。そして、"帰郷"という言葉が、実に多様に解釈できるところが素晴らしい。どなたかが、そんな"子宮に帰ること"と書かれていました。再見したら新しい発見がありそうですよね。DVDは買いっかも。
またよろしくお願いしまーす。
コレリ大尉のマンドリンは素晴らしい素材の作品だったのに、その仕上がり具合はいただけなかったですよね。ニコにラブスートリーをやらせてはいかーん!とその時強く思いましたよ。あんなんで脱がせられたペネロペは可哀想でした。バニラスカイのペネロペはさすがにキュートだったけど、後はペネロペのハマり役だった作品って思い浮かびませんー。スペイン映画に戻ってきてくれてホントによかったです。
カルメン・マウラはドパルデュー映画に出ていましたか。 溺れゆく女にも出ていたんですね。私はやっぱり初期中期のアルモドバル作品で馴染みがあります。みんなステキな味のある女優さんですよねー。
そうそう、トークなどが苦手な人もこれはOKな感じです。
特別鑑賞券がどこも売れ切れだったんですかー。何でしょうね?もとの発行数が限られていたんでしょうか。残念でしたね。都内はともかく、シネコンは封切り直後でも結構空いてましたよー。
暗くて重ーいエピソードばかりのはずなのに、カラッとしていて温かかったですよねー。感動で胸が熱くなりましたねー。主人公が母と娘の両方であり、三世代が描かれるという構成がとてもよかったですよね。それぞれの立場、思いに寄り添って、多重に響いてきましたです。6人の女性(プラスわき役の人も)みんなそれぞれにステキでしたよねー。
ペネロペはやっぱりスペイン語での演技が一番ですね。
水を得た魚のように生き生きとしていました!
>倫理道徳的には問題アリのエピソードによって、聖母のイメージにはほど遠くても、崇高な母性を体現できるっていうことが感慨深いの。
世間一般の良母とされているものより、はるかに強い母性を感じましたね。でもラスト、....化けて出るぞ~。オトコにはそんなエネルギーないかもしれませんが(笑)
おおおおお~、TBが復活している~。早速、試してみました。無事に送信できてた・できてた。
>酸いも甘いも噛み分けて、到達すべきはオモシロオバサンな道なのかも。
あああ~っ、そうなのかもしれないですねぇ。私も、こんなカラッと明るいオバサンを目指してみたいと思いました。酸いも甘いも噛み分けてきたからこそ振舞える、太陽みたいに明るいカアチャン。
本作では改めてペネロペの魅力を実感できました。次回も是非、母国語でっ。
ペネロペはスペイン語が最高ですねー。活き活きしていました。
ハリウッド映画の大作ってなぜか常にヒロイン役のキャスティングのセンスがかなり悪いし、女優の輝きを引き出そうという演出がうまくされることはめったにないので、ペネロペに限らず、もったいない使い方をされたものが多かったですけれど。さすがのアルモドバルは、女優を愛し、信頼しているんだなーという感じでした。
いわゆる母性というと、見守り包み込む優しさなどが象徴的だと思われる中、ここではカラリとした強さとたくましさでそれが表現されていたのがポイントでした。
ホント、出る幕のなかったオトコには、化けて出るエネルギーはなさそうですね。
不都合をおかけしていました。水曜日からTB復活しましたです。
オモシロオバサンを目指しましょうー。まずはロシア人なりきり作戦から今のうちに練習しておきましょうー。いや、日本人はロシア人に見えないからダメか・・。モンゴル人のふりをしましょうー。
私はホントはおばちゃんの図々しさというものが好きではなくて、お上品なオバサンになりたいと思っていたものですが、いろんなヒューマンドラマな映画を観るにつけ、お節介オバサンの人情も捨てたものじゃないかもと思うようにもなりました。若いものに疎まれようとも、オバチャンならではの明るさを目指したいものですね。
ペネロペのこれ以降の出演作は英語のものが続くみたいですー。でも、ウディ・アレン作品などはちょっと楽しみ。あと、イサベル・コイシェ監督作もおもしろそうー
アルモドバル印は健在でしたよね~ おっしゃる通り、血も飛びかなりアンモラルな行動だらけの登場人物たちだけど、それがちっともおかしくなくて必然と思えてしまうところが凄いです~。
このヒロインと重なるような逞しく成長するぺネロペが眩しく見えましたわ。 とは言え、やっぱり「トーク」「オール」は超えてないかも?に一票。
お待ちかねでしたよねー。私は珍しく素早く観に行きましたー。
シネコンが3つあるK市は効率よく観られてよいですね。ちりわけチッタッタは重宝。17時50分に終わった恋まにの後に、17時40分に予告の始まっている傷城を観てしまいました。私は当分行く機会はないかしら。
まろやかに円熟しつつも、アルモドバル印は色濃いですよねぇ。キワモノ紙一重なセカイがこんなにも朗らかに描かれてしまうなんて。モラルなんて曖昧でうつろいやすいものなんですよね。「トーク」「オール」が苦手という人には本作は受け入れやすいのかもしれませんが、それらに大感動しちゃった者にはとってはそれ以下という位置づけになっちゃいますよねー。
この作品はアルモドバル映画にしては整った観やすい作品になっていましたね。
監督特有の濃さやエネルギーは変わりませんが
洗練されてきたのか、毒気が抜けてきた気がします。
でもその分、「温もり」のようなものが感じられて、
これはこれでよかったなーと思います。
個人的には、もっとドロドロしてくれてもよかったんですけどね…^^;
そうなんです。イメージしていたタッチとはちょっと違っていた作品でした。アルモドバルにしてはカラッとサラッとしており、やけに朗らかに受け止められましたー。トークの頃は、しきりと「円熟」という表現がされていました。毒気は抑え目になって、もはやキワモノって感じじゃなくなりましたよねぇ。鬼才かられっきとした巨匠へー。でも、そうですね、あまりにもヘンタイ色が色濃いと、じんわり感動するていう手ごたえはなくなります。これはあたたかみのある映画でしたよねー。でも、そう、もっと突き抜けてくれてもよかったかなぁと・・・。
今週はレンタルした「セクシリア」を見まーす。
惚れましたかー。いい女ですよね、ライムンダは。
ウジウジ悩まず、サクサクテキパキ前に進んでいくから見ていて気持ちがいいー。見習いたいけどかなり無理な湿気の国の住民ー。食料をどんどんゲットしていく姿も爽快にかっこよかったですね。サラリとやってのけました。あんな図々しいことができちゃうのは愛されているからなんですね、やっぱり。ライムンダを中心にパワフルに温かないい映画でしたー。
アルモドバルの映画は4本観ましたが、これまでのところはずれはありません。彼の作品はどれも独特ですけれど、本質のところで僕はすごく人間的なものを感じるのです。おそらくそこに引かれるんだと思います。
では、今年もよろしくお願いいたします。
今年もよろしくお願いします。
アルモドバル作品って、おっかけたくなりますよねー。
日本で観られるやつはほとんど観ました。15本中14本かな。
ゴブリンさんがスペイン映画ベストに挙げられていたのに同じく、私もトーク・トゥ・ハー、オール・アバウトがとびきり好きです。初期の作品はもうちょっとクセがある感じなんですが。
表現手法はキワモノ風味ですけれど、リアルな人間を深い洞察で描いていますよね。それが心の奥底に響くのですよねー。